国民に「自助」を強要しておきながら、身内は権力をバックに利権をあさる。菅内閣に同調しないメディアには恫喝する。これが菅義偉内閣の実態だ。
今回は、内閣広報官・山田真貴子氏にフォーカスした。
NHK・有馬嘉男キャスターを降板させた山田真貴子報道官
NHKは2月10日、「2021年度主な新キャスター」を発表し、「ニュースウオッチ9」のキャスターを有馬嘉男氏に変わって田中正良氏が務めることを公表した。和久田麻由子アナウンサーは続投する。
昨年10月、同番組に菅義偉首相が出演した際、有馬氏は臨時国会で焦点になっていた日本学術会議の問題について「国民への説明が必要」などと求めた。菅首相は眉間にしわを寄せ、「説明できることとできないことがある」と不快な表情で答える一幕があった。
その翌日、報道局に一本の電話がかかってきた。「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」
電話の主は、菅総理の子飼い官僚・山田真貴子内閣広報官。お叱りを受けたのは、官邸との「窓口役」と言われる原聖樹政治部長だったという。
「この件は理事のあいだでも問題となり、局内は騒然となりました。総理が国会初日に生出演するだけでも十分異例。そのうえ内容にまで堂々と口を出すとは、安倍政権の時より強烈です。」(NHK幹部職員)
菅氏は官房長官時代にメディア、特にNHKに対してたびたび圧力をかけてきた。時にはそれがキャスターの降板や記者の人事にも影響したとされるが、実は安倍政権下で官邸入りし、菅氏の下でメディア対策に従事したのが山田氏だ。
総務省出身の山田氏は2013年に広報担当の総理大臣秘書官に抜擢され、2015年まで務めた。新政権発足で菅総理が再指名し、9月から官邸で唯一の女性幹部となった。
菅官邸を怒らせた……NHK「ニュースウオッチ9」有馬キャスターが3月いっぱいで降板(文春オンライン 2021/02/09)
総理が怒っていますよ…官邸からNHKへの「クレーム電話」その驚きの中身(週刊現代 2020.11.15)
菅義偉氏のメディア恫喝 降板させられた有馬氏、古賀氏、国谷氏、古舘氏、岸井氏・・
古賀茂明氏は、安倍政権の官房長官だった菅氏の周辺から圧力をかけられ、テレビ番組を降板させられた。
2015年1月、当時、コメンテーターとして出演していた『報道ステーション』(テレビ朝日系)で安倍首相(当時)の中東での演説を批判した。
すると、その直後に官邸から抗議電話がテレビ朝日の上層部にかかってきた。そのときの電話の主も菅氏の秘書官を務めている人物だった。
また、やった! 菅首相のメディア恫喝が生む「ふたつの忖度」(週プレNEWS 2020年11月27日)
他にも、2016年、NHK報道番組「クローズアップ現代」の国谷裕子氏、テレビ朝日の看板キャスターの古舘伊知郎氏、TBSメインニュースのキャスターの岸井成格氏が降板した。
鋭いニュース分析で視聴者から愛されてきたが、安倍政権(当時、菅官房長官)には「厄介」な存在だったためだ。
どうやら、菅首相は報道機関が政権の意に沿わないニュースを流すと、秘書官や広報官など、子飼いの官僚を使ってメディアに圧力をかけることがお得意らしい。
長男会社に異例の許可を与えたのは、総務省情報流通行政局長(当時)の山田真貴子氏
菅総理の長男・正剛氏が取締役を務める東北新社グループの子会社「株式会社囲碁将棋チャンネル」が、総務省からどうみても不自然な特別待遇を受けていた。
同社は「囲碁将棋チャンネル」を放送するCS放送局で、2018年、総務省に「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けているのだが、当時、総務省はハイビジョン化を進めるために衛星基幹放送の大幅な組み替えを行なっており、この認定もハイビジョン放送であることが重視されていた。実際、このとき、認定を受けた12社16番組のうち11社15番組がハイビジョン放送だった。
ところが、「囲碁将棋チャンネル」1番組だけが、ハイビジョンではない標準テレビジョンなのに、基幹放送の業務認定を受けているのだ。
業務認定を受けた2018年4月、その認定を判断する最高責任者の総務省情報流通行政局長の職にあったのが山田真貴子・現内閣広報官だ。
山田氏は総務省に、局長在職当時に正剛氏と会食したかどうかについて「明確な記憶はない」と回答している。政治家や官僚が「記憶がない」と発言した場合、事実であることが多い。
山田真貴子氏の華やかな経歴
生年月日 1960年(昭和35年)9月13日生まれ
出 身 東京都
1984年 3月 | 早稲田大学法学部卒業 |
1984年 4月 | 郵政省入省 、通信政策局国際企画課 |
1987年 7月 | 郵政省大臣官房文書課(留学:ロンドン大学大学院) |
1994年 7月 | 郵政省大臣官房国際部国際政策課課長補佐 |
1997年 7月 | 郵政省大臣官房人事部人材開発課調査官 |
1999年 7月 | 文部省学術国際局学術情報課学術情報基盤整備推進室長 |
2001年 1月 | 文部科学省研究振興局情報課学術情報基盤整備推進室長 |
2001年 7月 | 総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課電気通信利用環境整備室長 |
2003年 6月 | 総務省総合通信基盤局総務課調査官 |
2004年 2月 | 世田谷区助役 |
2007年 4月 | 世田谷区副区長 |
2007年 7月 | 総務省総合通信基盤局国際部国際政策課長 |
2008年 7月 | 総務省情報通信国際戦略局国際政策課長 |
2009年 7月 | 総務省総合通信基盤局総務課長 |
2010年 7月 | 総務省大臣官房会計課長 併任 大臣官房会計課予算執行調査室長 |
2011年 7月 | 総務省情報通信国際戦略局参事官(国際競争力強化戦略担当) |
2013年 6月 | 経済産業省大臣官房審議官(IT戦略担当) 併任 商務情報政策局付 |
2013年 11月 | 安倍内閣総理大臣秘書官 女性初の内閣総理大臣秘書官 |
2015年 7月 | 総務省情報通信国際戦略局長 女性初の総務省局長 |
2016年 6月 | 総務省大臣官房長 全省庁で女性初の官房長 |
2017年 7月 | 総務省情報流通行政局長 |
2018年 5月 | 総務省がCS放送業務に16番組を認定した際に、東北新社子会社の番組「囲碁・ 将棋チャンネル」だけをハイビジョン未対応で認定 |
2019年 7月 | 総務省総務審議官(国際担当) 女性初の総務審議官 |
2020年 7月 | 退 職 |
2020年 7月 | 総務省顧問 |
2020年 9月 | 辞 職 |
2020年 9月 | 内閣広報官 女性初の内閣広報官 |
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