首相長男と総務省幹部はずぶずぶの関係 国会で虚偽答弁

菅総理長男の違法接待 政治・経済

週刊文春は、総務省幹部が菅総理長男・正剛氏から違法接待を受けていたことを写真とともに明らかにした。官僚が利害関係者から接待を受けることは法律で禁止されている。

国会で追及があり、会食費やタクシー代などを返還したと報告したが、放送事業に関する話はなかったと答弁した。

ところが、1週間後の文春砲第2弾は、会食時での会話の音声を公表した。当該官僚は国会で虚偽答弁したことになる。

文春砲・第1弾 違法接待と写真を公表、第2弾 音声を公開 国会で虚偽答弁

菅首相の長男 総務省幹部を違法接待【決定的瞬間をスクープ撮】(週刊文春 2021年2月11日号、2021/02/03)

総務省の幹部らが、同省が許認可にかかわる衛星放送関連会社に勤める菅義偉首相の長男から、国家公務員倫理法に抵触する違法な接待を繰り返し受けていた疑いがあることが「週刊文春」の取材で分かった。

接待を受けたのは、今夏の総務事務次官就任が確実視されている谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官(国際担当)、衛星放送等の許認可にかかわる情報流通行政局の秋本芳徳局長、その部下で同局官房審議官の湯本博信氏の計4名。昨年の10月から12月にかけてそれぞれが株式会社東北新社の呼びかけに応じ、都内の1人4万円を超す料亭や割烹、寿司屋で接待を受けていた。また、手土産やタクシーチケットを受け取っていた。利害関係者との会食では、割り勘であっても1人当たりの金額が1万円を超える際に義務付けられている役所の倫理監督官への届出も出していなかった。

菅首相長男“違法接待” 総務省局長「国会虚偽答弁」の証拠音声(週刊文春 2021年2月25日号、2021/02/17)

正剛氏「今回の衛星の移動も……」
木田氏「どれが?」
正剛氏「BS、BS。BSの。スター(チャンネル)がスロット(を)返して」
木田氏「あぁ、新規の話? それ言ったってしょうがないよ。通っちゃってるもん」
正剛氏「うちがスロットを……」
木田氏「俺たちが悪いんじゃなくて小林(史明衆院議員、元総務政務官)が悪いんだよ」
(略)
秋本局長「いやぁ、でも(小林氏は)どっかで一敗地に塗れないと、全然勘違いのままいっちゃいますよねぇ」
木田氏「そう。でしょ? でしょ? あれ一回ね、(小林氏と)どっかで話そうとは思ってる」

音声からは、接待の場で、東北新社が展開する衛星放送ビジネスについて話し合われていることが確認できる。また、東北新社と秋本局長が、BS放送の新規参入に積極的だった小林・元総務政務官に対して警戒を強めていることもうかがえる。

国会で違法接待を追及されている総務省幹部が、虚偽答弁を重ねていた証拠となる音声の内容が明らかになったことで、過去12回に及んだ異例の接待の目的が何だったのか、東北新社側が接待した相手は秋本氏、谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官、湯本博信官房審議官の4人以外にいなかったのか、さらなる調査が求められそうだ。

衆院予算委員会 総務省の説明に野党側反発、予定の質疑行われず

文春オンラインは、昨年12月10日の秋本芳徳・情報流通行政局長と東北新社側の会食で「BS」「衛星の移動」といった言葉が交わされていた、と指摘。飲食店内で録音したとされる音声も公開した。

報道に先立つ17日の衆院予算委では、立憲民主党の後藤祐一氏が昨年12月の会食について追及。秋本氏は「(東北新社側の)事業が話題に上ったことはないと考えている」と否定し、「BSやCSの話が話題に上った記憶はない」とも述べていた。

立憲、共産、国民民主の野党3党は17日夕、報じられた事実関係を明らかにしなければ、予算委や総務委の審議に応じない考えで一致し、自民党に伝えた。

総務省は18日朝の衆議院予算委員会の理事会で、「秋本局長は、音声にはみずからの声が記録されていると認める一方、放送事業に関わる部分のやり取りがあったかどうかは記憶にないと話している」と回答した。

野党は「組織ぐるみの隠蔽だ」と反発。予算委審議には応じない姿勢を示した。

長男・正剛氏 総務大臣秘書官に。その後、東北新社に入社

菅義偉氏が総務大臣に就任したのは、第1次安倍内閣時で2006年(平成18年)9月26日から2007年8月27日の間で、初入閣だった。その時に総務大臣秘書官として登用されたのが3人の息子のうち当時25歳だった長男・正剛(せいごう)氏だ。在任期間は2006年9月26日から2007年7月5日まで。

「オヤジ(菅義偉氏)さんは当時20代後半になった正剛氏の将来を案じて実業家の鞄持ちとして預けたのです。」(正剛氏の知人、週刊文春より)

その実業家というのが、東北新社創業者の植村伴次郎だという。株式会社東北新社は、映画の製作や配給、テレビ番組やCMの制作、イベント関連などを請け負う上場企業だ。

正剛氏が所属しているのは、メディア事業部。その中の、趣味・エンタメコミュニティ統括部長(デジタルメディア事業部長代理兼デジタルコミュニティ開発センター長)という職にある。さらに、東北新社グループの関連会社である「株式会社囲碁将棋チャンネル」の取締役も務めている。

映像制作会社の東北新社は衛星放送事業を手掛けており、総務省が認可を下ろしている。そんな利害関係企業に就職した元大臣秘書官が、総務省の幹部たちを接待漬けにしていたのである。接待を受けていた4人は、省内でも指折りの高級幹部官僚たちばかりだ。

総務省幹部との度重なる接待と、東北新社への許認可

2016年
7月20日秋本・総合通信基盤局総務課長との会食
11月28日秋本・総合通信基盤局総務課長との会食
2017年
1月24日東北新社が4K放送の事業者に認定される
2018年
5月11日「囲碁・将棋チャンネル」「ザ・シネマHD」が東経110度CS放送に係る衛星基幹放送に認定される
2019年
2月14日秋本・電気通信事業部長と湯本・情報流通行政局放送政策課長と会食
6月6日谷脇・総合通信基盤局長と会食
9月9日吉本興業の子会社など3事業者が新たにBS放送の衛星基幹放送に認定される
10月23日谷脇・総合通信基盤局長と会食
11月27日湯本・情報流通行政局総務課長と会食
2020年
1月24日吉田・情報流通行政局長と会食
3月11日「スターチャンネル」の放送事項変更が許可される
10月7日谷脇・総務審議官と会食
11月30日BS帯域の再編に伴い、「スターチャンネル」のスロットを縮減
12月8日吉田・総務審議官と会食
12月10日秋本・情報流通行政局長と会食
12月14日湯本・官房審議官と会食
12月15日「スターチャンネル」が5年毎の認定更新を迎える

  ※肩書は当時

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コメント

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