変異株拡大でワクチン接種の効果は限定的 5月には第3回目の緊急事態宣言発出か

コロナ_5月に第4波_ワクチンで防げるか 政治・経済・社会

ワクチン接種を急いでも、第4波の流行を抑える効果は限定的

ワクチン接種でコロナ第4波に影響は? AIで試算“効果は限定的”(NHK 2021年3月29日)より

東京都では新型コロナウイルスの感染者数の増加傾向が続いている。期待されるのはワクチンへ接種の効果だが、筑波大学の倉橋節也教授らのグループがAI(人工知能)を使ったシミュレーションで試算した。

仮に東京都で去年夏の第2波と同じレベルで感染が再拡大する場合、ワクチン接種を急いでも第4波の流行を抑える効果は限定的だとする結果をまとめた。

東京都ではワクチン接種が無い場合、5月中旬に感染の第4波がピークとなり、1日の新規感染者数は1850人になるという結果となった。

一方、高齢者にワクチンの優先接種を開始し、東京都で毎日人口の0.3%に当たるおよそ3万5000人に滞りなく接種した場合でも、5月のピーク時には新規感染者数は1日1650人で10.8%の減少にとどまるという計算になった。

接種のペースを早め、毎日人口の1%に当たるおよそ11万5000人に接種した場合、ピーク時の新規感染者は1日1540人で16.8%減ったが、流行自体を抑えることはできず効果は限定的との結果になった。

他の感染拡大防止策との併用が重要 英国型変異株の感染者数は1日当たり22万9300人に

「ワクチンのみ」では感染爆発へ 変異株の抑制対策重要 筑波大試算(産経新聞 2021.4.2 21:19)より

新型コロナウイルスのワクチンの高齢者への接種を8月のお盆までに終えても、感染拡大の抑止をワクチンだけに頼るには限界があり、他の感染拡大防止策との併用が重要であることが、政府が支援する研究で分かった。

研究は政府の新型コロナ研究の公募プロジェクトの一環。筑波大大学院の倉橋節也教授(社会シミュレーション学)がAIを用い、感染者数が最多の東京都に絞ってシミュレーションを実施した。

これまでの年代別の感染者数や人出の推移などを基に、接種の進行と感染拡大の推移を試算。データの制約から、高齢者は実際の優先接種対象の65歳以上ではなく、60歳以上とした。

試算によると、60歳以上の接種を8月12日に終えても、飲食店の時短要請やイベント制限などの対策を取らないと、春に第4波、秋に第5波を迎える。

都内の英国型変異株の感染者数は10月20日に1日当たり22万9300人に達し、1月の緊急事態宣言時の全感染者の100倍近くに。重症者は2万9300人に上る恐れがある。ただ、1日当たり感染者数が500人を超えた時点で対策(第3回緊急事態宣言か)を取れば、感染者数のピークは1日当たり1700人、重症者数200人にまで下がる。

さらに優先接種対象を高齢者の同居家族など感染を拡大させやすい若い世代に広げると、感染者数は920人、重症者数は120人にピークを抑えられる。

倉橋 節也(くらはし せつや)教授の紹介

現在

筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 教授

研究分野

人工知能・システム技術の社会・経営応用
知能情報学・経営情報学・社会経営シミュレーション・感染症モデル・社会ネットワーク・シリアスゲームなど

略歴
計測・制御システム関連の民間企業に勤務の傍ら、
1995年 放送大学教養学部産業と技術専攻卒業
1998年 筑波大学大学院経営・政策科学研究科経営システム科学専攻修士(経営システム科学)
2002年 筑波大学大学院経営・政策科学研究科企業科学専攻 博士(システムズ・マネジメント)
2006年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科助教授
2007年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授
2009年 University of Groningen(オランダ)客員研究員
2009年 University of Surrey(英国)客員研究員
2010〜2012年 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 特任フェロー(兼務)
2015年 University of Groningen(オランダ)客員研究員
2016年 筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授