山田真貴子・情報流通行政局長(当時)が、東北新社の外資規制違反を無視し、子会社へ事業継承を決裁した疑惑

山田真貴子・情報流通行政局長(当時) 政治・経済

東北新社が外資規制に違反していることに気づき、総務省担当課長に面談して伝えた。担当課長は、重大事案は必ず局長に報告し、決裁を仰ぐ。

違反事実を覆い隠し、子会社への事業承継を認めることは、課長一存で決裁できる事案ではない。当時、情報流通行政局長だった山田真貴子氏の可能性が高い。

山田氏は菅義偉官房長官(当時)に気に入られ、異例の出世コースを歩んでいた。

2013年 11月安倍内閣総理大臣秘書官  女性初の内閣総理大臣秘書官
2015年  7月総務省情報通信国際戦略局長 女性初の総務省局長
2016年  6月総務省大臣官房長  全省庁で女性初の官房長
2017年  7月総務省情報流通行政局長
2018年  5月 総務省がCS放送業務に16番組を認定した際に、東北新社子会社の番組「囲碁・
将棋チャンネル」だけをハイビジョン未対応で認定
2019年  7月総務省総務審議官(国際担当) 女性初の総務審議官

菅氏に引き上げられてきた山田氏が、菅氏長男が勤める会社に便宜を図った疑惑がますます深まる。

当時の決裁者のトップは、山田真貴子情報流通行政局長

東北新社が外資規制に違反 総務省、認定を取り消さず(朝日新聞デジタル 2021年3月5日 11時50分)より

放送関連会社「東北新社」が高精細の「BS4K」放送の認定を受けた後、同社が放送法の外資規制に違反していたにもかかわらず、総務省が認定を取り消していなかった。

放送法は、地上波やBS放送などを行う事業者に外資規制を定めている。外国の個人・法人などが株式の20%以上を持つ事業者は放送を行えない。社会的影響力が大きく、公共性の高い電波の利用は国民の利益が優先されるためだ。認定後でも20%以上となれば、認定を取り消さなければならない。

BS4Kの申請の受付は2016年9~10月にあり、同社は翌17年1月に認定を受けた。同社の有価証券報告書によると、外資比率は17年3月末時点で21・23%だった。だが、認定は取り消されていない。

東北新社は認定を受けた地位について、17年10月、100%子会社の「東北新社メディアサービス」に承継した。この日の政府答弁によると、直前の同9月末時点の東北新社の外資比率は22・21%しかし、同省は承継を認めた。決裁者のトップは当時、同省情報流通行政局長だった山田真貴子・前内閣広報官だった。

東北新社は総務省担当者に面談し外資規制違反を伝えた

総務省、審査ずさん 東北新社と主張対立鮮明―外資規制違反(JIJI.COM 2021年03月17日07時04分)より

16日の衆院予算委員会では外資規制違反の報告の有無をめぐり、東北新社と総務省の主張の食い違いが一段と鮮明になった。

放送法は衛星放送事業者に対する外国資本の議決権比率を20%未満と規定。東北新社は2016年10月にBSチャンネル「ザ・シネマ4K」の事業認定を申請した際、実際の外資比率が20.75%だったにもかかわらず、20%未満として17年1月に事業認定を受けた。

申請の際には1%以上の全株主の届け出が必要だが、東北新社は外資比率の算定は1%以上の株主だけを足し合わせればいいと勘違いし、外資比率が約15%と誤解した。

総務省は通常、申請を受けた際、外資比率を有価証券報告書などで確認せず、認定後の外資比率の変動もチェックしていないと説明。総務省に申請者のミスをチェックする仕組みはなかった。

予算委では、東北新社の中島社長が、17年8月に外資規制に抵触していることに気付き、同社幹部が当時、総務省情報流通行政局の総務課長だった鈴木信也電波部長に面談して伝えたと改めて主張。これに対し、出席した鈴木氏は「報告を受けた記憶はない」と繰り返した。東北新社は違法状態を解消するため、総務省の認可を得て、17年10月にザ・シネマ4Kを子会社に承継した。

面談で報告を受けたとされる情報流通行政局総務課長(当時)鈴木信也氏の決裁者が山田真貴子情報流通行政局長(当時)だった。

  図表の出典】総務省、審査ずさん 東北新社と主張対立鮮明―外資規制違反(JIJI.COM 2021年03月17日07時04分)

【関連記事】

菅氏長男会社に異例の許可を与えたのは、NHK・有馬嘉男キャスターを降板させた山田真貴子報道官

山田真貴子広報官「NHKへの電話を否定」 そのまま信じることに疑問

菅総理の「異論を唱える官僚は更迭」が、忖度官僚と倫理違反官僚を生んだ