変異株、今の対策では抑えられない 緊急事態宣言延長でも効果は薄い

変異株_今の対策では抑えられない 社会

「変異株、今の対策では抑えられない」専門家分析 緊急事態宣言「延長しただけでは無意味」(東京新聞 2021年3月5日 06時00分)より

懸念は変異株

懸念材料は、英国などに由来する「変異株」流行の兆し。従来株より感染力が強く、国内での報告は3月4日時点で234人だ。

座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「第1、第2、第3波の流行時に主流となる株の置き換わりが起きた」と説明。メンバーの1人は「(英国などの変異株への)置き換わりは既に始まっている」とみて、第4波の到来を警戒する。

3日の議論の半分以上は変異株に割かれた。出席者によると、変異株の感染者1人が周りに感染させる人数を示す実効再生産数が1.2~1.3という分析結果が示されたという。

現在、首都圏の実効再生産数は0.9ほど。あるメンバーは「従来株は今の対策で減っていくが、この分析が正しければ変異株は抑えられない」と危機感を抱く。

積極的疫学調査の強化

宣言再延長後、解除の目安となる3月下旬は、歓送迎会や花見の時期。解除で人出が増え、「リバウンドを誘発する懸念」(脇田氏)がぬぐえない。2週間で、感染を抑え込む策はあるのか。

メンバーが挙げるのは、積極的疫学調査の強化だ。感染経路と濃厚接触者の特定を徹底するなどし、現状で把握できていない「見えにくいクラスター」をつぶす。他は、午後8時までの時短営業をしていない飲食店への協力要請。いわゆる「昼飲み」増加に対し、酒類提供の制限要請も検討対象になるという。

菅氏「自らの決断」アピールしたいだけ? 期間も解除基準もあいまいのままの緊急事態宣言延長(東京新聞 2021年3月6日 06時00分)より

知事らに先んじたくて

首相は5日夜の記者会見で「総合的に考慮し、首相として延長を判断した」と強調した。

今回も、先に再延長への動きを見せたのは知事側。首相は解除を検討しながら、政府のコロナ対策分科会など専門家の議論を待たず、先手を打つ形で3日に再延長を表明した。小池氏らが政府に要請する前の決断を意識したのは明らかで、自民党幹部は「また振り回されていると思われたくないからだ」と指摘する。

「2週間」はどこから?

政治決断の色彩が強まったことで、解除の基準はあいまいになった。

首相は解除へ「一定以上に余裕のある数値まで落としたい」と強調。政府高官は「1月時点とは異なる。感染者数が減ってもリバウンドなど新たな課題が出てきた」と説明するが、自民党の閣僚経験者は「基準がめちゃくちゃ。どうなれば解除なのか決めないと」と注文する。

2週間の根拠も不明確だ。西村氏は「データ分析によれば2週間で(病床使用率の改善が)可能になる」と話すが、政権内でも「もう1か月と言われても国民がついてこられないから」(首相周辺)、「25日に始まる東京五輪の聖火リレーの前に期限を設定した」(自民党幹部)と見解が割れる。官邸幹部は「期間に合理的な理由はない」と明かした。

宣言解除6府県、京都除き減少鈍化 新型コロナ、千葉・神奈川は増加(産経新聞 2021.3.6 20:23)より

4都県、積極調査でクラスターつぶす局面

東京医科大・濱田篤郎(はまだ・あつお)教授の話

緊急事態宣言下の東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県は10万人当たり新規感染者数がステージⅡ(感染漸増)以下になっているが、4都県で違いも出てきた。

千葉では10万人当たり新規感染者数が増えてステージⅢに近づきつつあり、病床の使用率も上昇している点が心配だ。見えないクラスターが発生している可能性もある。

新規感染者の前週比は4都県全てで上昇しており、このままで2週間後に減る可能性は低い。時短要請に従わない飲食店への命令なども選択肢に入るだろう。

4都県の病床の逼迫具合は解消されつつあり、保健所は積極的疫学調査でクラスターをつぶすことに再び力を入れる局面だ。

宣言が2月末に解除された6府県でも京都を除き新規感染者の前週比が上がっており、解除を受けて外出が増えるなど油断が出てきた。リバウンドへの警戒が引き続き求められる。

石原良純、小池都知事の「原点に立ち返って」発言に疑問…「何もできないことを続けるとしか僕には聞こえない」(スポーツ報知 2021年3月6日 7時56分)より

石原良純は、小池氏の発言に「知事は原点に立ち返り抑え込むって言っていたけど、結局、できなかったわけじゃないですか。できないことが分かっているわけですね」と指摘した。

その上で「経済活動を非常に抑えてもゼロにはならなかった。これは、何か今のままでは無理だってところがあるわけです。そうすると例えばその中でPCR検査をやって網をかけていくこともできるかもわからない。1年経っても何でやらなかったのか。原点に立ち返るって何もできないことを続けるとしか僕には聞こえない」と小池氏の発言に疑問を投げかけた。

さらにPCR検査、ワクチン、保健所、医療機関などの整備、態勢を「根本的に変えていくことをやっているのか。言っていることは同じですからね。宴会やめましょう、早くみんな家に帰りましょう。それを永遠、続けるって何の解決にもならない。何も打ち出してこないっていうのが本当に分からない」と憤慨していた。