「維新の会」とは要するにどういう集団だったのか?【適菜収】(BEST TImes 2023.05.25)
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第40回
適菜 収
不正受給、パワハラ、ストーカー、公然わいせつ、署名偽造、飲酒ひき逃げ、中学生を恐喝、殺人未遂……。これらの不祥事・犯罪の数々は、維新の会の政治家が引き起こしたものである。〝維新クオリティ〟と呆れられているこの不良政党の暴走はいったいどこまで続くのか? 近著『日本をダメにした新B層の研究』で近代大衆社会の末路を鋭く分析した適菜収氏の「だから何度も言ったのに」連載第40回。
過ちは何度も繰り返される
「SNS疲れ」という言葉がある。私もSNSと少し距離を置こうと思っているが、別に疲れたわけではない。単純に使いづらくなったからだ。ある日を境に私のツイッターのbotがつぶやかなくなった。まとめて投稿を削除するアプリも使えなくなった。調べたところ、ツイッターが以前から提供していた無料APIを停止したため、多くのアプリが影響を受け、使えなくなったらしい。迷惑。
それでツイッターから撤退しようと思ったが、48000くらいフォロワーがいるのでアカウントを維持したまま、備忘録としてのメモ、記事やメルマガなどの紹介をメインにすることにしました。フェイスブックも縮小しました。
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私がツイッターでbotを使っていたのは、定期的に同じことをつぶやいてくれるからです。過ちは何度も繰り返されるのだから、同じ批判も何度も繰り返さなければならない。
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大阪府議団代表の笹川理府議を巡って、「週刊文春」が大阪維新の会・宮脇希市議へのパワハラ疑惑を報道。笹川は2015年9月22日の東大阪市議選へ手伝いにいった帰り道に、自分の車に同乗しなかった宮脇に激怒し、威圧的なLINEを送っていた。また、宮脇の事務所前に車を停めて待ち伏せしたり、深夜に宮脇の自宅を訪れてインターフォンを押すなどしていたという。維新クオリティ。
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笹川は一方的な恋愛感情に基づくストーカー行為であったことを否定。「週刊文春」の取材に対し、宮脇へ好意を伝えたことはないと明言したが、LINEに残っていた文章が出てきた。
〈こんなにも愛してるって言ったこた(ママ)はほんとにいままでない〉
〈心の底から愛しているって言える相手やから〉
〈だれよりも希のそばにいたい〉
〈心の底から愛しているって言える相手やから〉
〈おれだって、一方的な想いだけじゃ、 壊れちゃうよ〉
宮脇は周囲に相談し、引っ越しもしていた。維新クオリティ。
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名古屋出入国在留管理局の施設でスリランカ人のウィシュマ・サンダマリ氏が収容中に体調不良を訴えて死亡した問題で、日本維新の会の梅村みずほは、法務委員会で「ハンガーストライキかもしれない」などと繰り返し発言。「善かれと思った支援者の一言が、皮肉にも、ウィシュマさんに、病気になれば仮釈放してもらえるという淡い期待を抱かせ、医師から詐病の可能性を指摘される状況へつながった恐れも否定できません」とも言っていたが、単なる妄想で根拠はなにもなかった。維新クオリティ。
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被害にあった側の人間を執拗に攻撃するクズがいる。杉田水脈なども同じ類。ジャニーズ事務所創業者で前社長のジャニー喜多川(2019年死去)による未成年者に対する性的虐待を告発した元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏に対しても、「売名行為だ」などと攻撃する連中もいたが、卑劣極まりない。
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維新の会の場合、政治家が犯罪に手を染めているのではなくて、犯罪者が政治に手を染めていると言ったほうが適切かもしれない。梅村みずほと言えば、公設第1秘書で、維新府議の横倉廉幸の娘婿成松圭太が殺人未遂で逮捕されたのは記憶に新しい。酒の席で口論になった男性を車でひき、ボンネットにのせたまま走り、男性が落下すると、車から降り、殴る蹴るの暴行を加えた。この殺人未遂で逮捕された男を党本部職員として採用したのが大阪維新の会である。維新クオリティ。
「社会人として当たり前のルールやマナー」
日本維新の会は、5月14日、15日に4月の統一地方選で大量に当選した新人の研修会を開催。代表の馬場伸幸は、新人に「社会人として当たり前のルールやマナーを徹底してほしい」と発言。コントかよ。「社会人として当たり前のルールやマナー」が完全に欠如しているのが馬場である。前回と同じ話を書くが、2021年の総選挙ではテレビ番組や街頭演説で「私立高校も、大阪では完全に無償」とデマを流した。2017年の堺市長選では応援演説で「大阪市は40%近く水が余り、捨てている」「それを堺市に引っ張ってくることができれば水道料金の値下げは可能」とデマを流している。大阪市水道局はこれを否定。維新クオリティ。
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ツイッターのbotが機能しなくなったので、定期的につぶやいていた「思い出に残る維新の犯罪」を転載しておく(肩書は当時のもの)。過ちは何度も繰り返されるのだから、同じ指摘も何度でも繰り返さなければならない。
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飲酒ひき逃げ事件。2012年1月、堺市議の西井勝が、飲酒運転でバイクと接触事故を起こし、そのまま逃亡し逮捕された。逃げ足だけは速いのが維新イズム。
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署名偽造事件。2021年5月、愛知5区選挙区支部長で、衆院選に維新から出馬予定だった田中孝博が地方自治法違反の疑いで逮捕される。大村秀章愛知県知事のリコール運動を巡り、組織的に大量の署名を偽造したとみられる。この巨大リコール詐欺に声援を送り続けたのが、大阪府知事の吉村洋文だった。
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公然わいせつ事件。2020年8月、東京1区支部長で衆院選の公認候補だった赤坂大輔が女子高生3人に向かって下半身を露出し、公然わいせつの疑いで現行犯逮捕された。ちなみに赤坂には傷害事件で逮捕歴もあった。
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噛みつき事件。2015年末、衆院議員の丸山穂高が東京都内の路上で男性の腕を噛み、警察で事情聴取を受けた。
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中学生を恐喝。大阪府議の山本景が、通信アプリ「LINE」を通じてトラブルになった女子中学生に「ただでは済まさない」などのメッセージを送り恐喝。山本は無断で小学校のフェスティバルで児童に名刺を配ったり、下校途中の中学生たちを自分の事務所内に入れていた。
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維新の会による政務活動費の流用の形態は多種多様。事務所賃料のうち9割を政務調査費で支払いながら、事務所オーナーの父親からキックバックを受けていた市議の飯田哲史のような素朴なものから、配布していない政策ビラの印刷代金を政務活動費に計上し、不正受給していた市議の小林由佳のような手の込んだものまで幅広い。また、経営する整骨院で療養費をだまし取っていた市議の羽田達也や、診療報酬を過大に請求していた歯科医院を実質的に管理し、治療にあたっていた歯科医で衆院議員の新原秀人ら、チンピラ出身だけではなくインテリ層も悪事に手を染めるのが維新の特徴でもある。
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変態系。週刊誌に女性の足の臭いを嗅いでいる写真を掲載された市議の田辺信広。同じ場所にいた市議の井戸正利が女性の胸を触っている写真も流出したが、その弁明の言葉は素晴らしかった。「胸を触ったのは事実です。でも揉んだわけではない」。
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中国からカネ事件。市駐車場私物化の中谷恭典府議、市役所に家庭用サウナを持ち込んでいた市長の冨田裕樹らセコイ連中も多いが、カジノを含むIR汚職事件で、中国企業から現金を受け取っていた衆院議員の下地幹郎とか、やりすぎにも程がある。
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ここに挙げた維新による犯罪や不祥事の数々は、ごく一部にすぎない。これは政策以前の話。「社会人として当たり前のルールやマナー」を守ることができない連中は政治に関わる資格はない。維新を支持している人たちは、いい加減に目を覚ましましょう。
文:適菜収
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