2023年8月29日 今日の出来事

ジャニーズ社長の辞任求める 長期の性加害認定…特別チーム

ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長による性加害問題を巡り、事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」は29日、調査報告書を公表した。前社長が長期間にわたり広範な性加害を行っていたと認定。事務所が適切な対応を怠ったとして、藤島ジュリー景子社長の辞任を求めた。

前検事総長で特別チームの林真琴座長は記者会見し「謝罪と救済なくして事務所が再生を図ることは難しい」と強調。再発防止策として、被害者救済制度の創設や人権方針の策定などを提言した。

特別チームは、ジャニー氏が1970年代前半から2010年代半ばにかけ、事務所のジャニーズJr.に「広範に性加害を繰り返していた」と認定。「少なく見積もって数百人の被害者がいるという証言が得られた」と報告した。

事務所が適切な対応を取れなかった背景には、ジャニー氏と姉の故メリー喜多川氏に権力が集中する「同族経営の問題があった」と指摘。「(めいの)ジュリー氏が経営トップのままでは再出発は困難」と断じた。林氏は「事務所には再発防止策のすべてを実施していただきたい」と求めた。

提言を受け、ジャニーズ事務所は「提言および会見内容を真摯に受け止める」とのコメントを発表。近く記者会見し、今後の取り組みを説明するという。

いわき市ふるさと納税が急増 「福島の漁業支援したい」

政府が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出の開始日を決めた22日以降、福島県沿岸部のいわき市に対して、ふるさと納税による寄付が急増している。市によると、寄付した人の約9割は返礼品に海産物関連を希望しており、「福島の漁業を少しでも支援したい」などのメッセージが寄せられている。

寄付は22~27日の6日間で915件、計約1734万円に上った。今年の平均は1日当たり約40件、計約90万円だったといい、件数・金額とも3~4倍ほどに。返礼品はカツオやサンマの冷凍・加工品などが幅広く選ばれているという。

処理水放出は24日開始。中国からとみられる迷惑電話が福島を含め全国で相次いでいる。

熱中症搬送、北海道が最多 全国で7424人

総務省消防庁は29日、全国で21~27日の1週間に7424人が熱中症で救急搬送されたとの速報値を発表した。都道府県別では、札幌市で23日に観測史上最高の36・3度を記録するなどした北海道が935人と最も多かった。全国では前週(14~20日)から64人増で、消防庁によると同時期としては多い傾向が続いている。

気象庁によると、今後も35度以上の猛暑日やそれに近い日が予想され、消防庁は適切なエアコン使用や小まめな水分補給を呼びかけている。

都道府県別では北海道に次いで東京410人、大阪379人、兵庫342人だった。搬送後に死亡が確認されたのは青森など6県で7人。

金現物、1万円の大台に 先物も連日の最高値

国内の金現物の小売価格が29日、初めて1グラム当たり1万円台に乗せた。貴金属販売大手の田中貴金属工業(東京)によると、同日の店頭小売価格(税込み)は、前日比28円高の1万1円となった。金先物の価格も過去最高値を連日更新。安全資産としての金の人気は根強く、外国為替市場で円安・ドル高が進行したことで、円建ての金相場の上昇に拍車が掛かった。

外国為替相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げで日米金利差が一層拡大するとの思惑から円安が進行。29日未明には、一時1ドル=146円台後半と、9カ月半ぶりの円安水準となった。

政治や経済が混乱すると、投資家は比較的安全な「有事の金」を好む傾向がある。国際的指標のニューヨーク金先物相場は2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻を背景に価格上昇が加速。足元でも、取引の中心となる12月決済物が1トロイオンス(約31グラム)当たり1950ドル付近と、歴史的な高値圏で推移している。最近では中国の景気減速を警戒した買いも指摘され、1990年代末に比べて値段は8倍近い。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月29日