中国ミサイル5発、日本EEZに落下 与那国島沖80キロに迫る
中国軍が台湾周辺で4日に始めた軍事演習を巡り、岸信夫防衛相は4日夜、演習の対象海域に設定されていた日本の排他的経済水域(EEZ)内に、中国軍の発射した弾道ミサイル5発が落下したとみられると明らかにした。岸防衛相は日本で把握しているミサイル発射は9発としたうえで「我が国の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題で、強く非難する。中国のミサイルが日本のEEZ内に落下したのは初めてと認識している」と述べた。
防衛省で把握しているうち、ミサイルが最も日本の近くに落ちたのは与那国島の北北西約80キロのEEZ外の海域だという。
中国軍、ミサイル11発発射 台湾囲む6海空域で軍事演習開始
中国軍は4日正午(日本時間同日午後1時)、台湾周辺で実弾射撃を伴う大規模な軍事演習を開始した。台湾国防部(国防省に相当)によると、中国軍は同日午後1時56分(日本時間同2時56分)以降、台湾北方、東方、南方の各海域に向けて弾道ミサイル「東風」11発を数回に分けて発射した。日本政府関係者は4日夜、演習の対象海域に設定されていた日本の排他的経済水域(EEZ)内にミサイル5発が落下したと明らかにした。
ペロシ氏、韓国・板門店へ 尹大統領「対北朝鮮抑止に」と高評価
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は4日午後、韓国を訪問したペロシ米下院議長(民主党)らと約40分間、電話で協議した。韓国大統領府によると、ペロシ氏は「数十年間多くの人の犠牲で守ってきた平和と繁栄を、両国が必ず守り、育てていかなければいけない」と述べ、米韓同盟の重要性を強調。尹氏も同盟の発展のために米議会と協力していく意向を示した。ペロシ氏は4日夜に来日する。
ペロシ氏は協議後、北朝鮮との軍事境界線がある板門店へ向かった。尹氏はペロシ氏の板門店訪問を「強力な対北朝鮮抑止力の道しるべになる」と高く評価。尹政権はミサイル発射などで挑発を続ける北朝鮮に対し、米韓同盟強化で対抗する方針を示しており、韓国を防衛する決意を行動で示したペロシ氏の姿勢を歓迎した。
一方、休暇中の尹氏とペロシ氏が直接会わなかった理由について、韓国大統領府は「国益を総体的に考慮した」と説明した。ペロシ氏は3日に現職下院議長として25年ぶりに台湾を訪問した直後に韓国入りしており、電話での協議にとどめることで台湾訪問に強く反発した中国へ一定の配慮を示したとみられる。
東北・北陸大雨、17河川氾濫・2人不明 土砂災害など厳重警戒
停滞した前線や低気圧の影響で、東北や北陸地方で3日夜から4日にかけて大雨が降った。気象庁は山形、新潟両県に数十年に1度の大雨が予想されるとして一時、「大雨特別警報」を出した。山形県の最上川など17河川が氾濫し、道路の冠水や住宅の浸水被害も相次いだ。岩手、山形両県で2人が安否不明となった。
気象庁によると、3日の降り始めからの総雨量(4日午後5時現在)は、新潟県関川村562.5ミリ▽石川県白山市394ミリ▽福島県北塩原村315.5ミリ▽福島市315ミリ――。平年8月に降る雨量の1~2カ月分が降った計算になる。関川村は4日午前2時過ぎまでの1時間に149ミリが降り、1時間雨量の歴代1位の153ミリに匹敵する記録的な大雨になった。
国内感染、新たに23.8万人 2番目の多さ、東京3.5万人―新型コロナ
国内では4日、新たに23万8735人の新型コロナウイルス感染が確認された。1日当たりの新規感染者は3日の約24万9800人に次いで2番目の多さとなった。重症者は前日比38人増の516人で、約4カ月ぶりに500人を超えた。死者は161だった。
新規感染者は、北海道、茨城、栃木、群馬、埼玉、石川、山梨、岡山、広島、高知、長崎の11道県で過去最多を更新した。
東京で新たに3万5339人感染 前週比5000人減 新型コロナ
東京都は4日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3万5339人確認されたと発表した。前週木曜日(4万406人)から約5000人減少した。新たに15人の死亡も確認された。
【1年前の今日の出来事】 2021年8月4日