高齢者ワクチン接種始まる 本格化するのは5月10日以降
新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種が12日、各地で始まった。今週から接種を始める自治体の多くは、クラスター(感染者集団)が起きるリスクが高い高齢者施設での接種を優先させた。
高齢者向けの接種が本格化するのは5月10日以降で、高齢者への供給完了は6月末の見込みだ。政府は基礎疾患がある人や、一般の人への接種も今後進める計画だが、具体的な時期は示せていない。2月に始まった医療従事者への接種(対象約480万人)も、2回接種を終えた人はまだ50万人程度。
日本のワクチン接種は、世界に比べて後れを取っている。英オックスフォード大の研究者らの10日時点の集計によると、日本で少なくとも1回の接種を受けた人の割合は全人口のわずか0.87%。イスラエル(61.35%)や米国(35.03%)との差は歴然だ。高齢者接種(対象3600万人)をスムーズに進めることができるかどうかが問われる。
大阪の重症病床9割超埋まる 府が不急の手術延期を緊急要請
大阪府は12日、新型コロナウイルスの重症患者用として確保を見込む病床の使用率が90.6%に達したと発表した。府は重症病床が不足する可能性が高いとして、新型コロナ以外の不急の入院や手術を一時延期し、コロナ病床の増床に協力するよう大学病院をはじめとした約60の基幹病院に緊急要請した。
福島第一原発トリチウム水処分、海洋放出 菅首相「復興に不可避」
東京電力福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む水の処分方法について、政府は13日にも関係閣僚会議を開き、海への放出を決定する方針だ。首相は12日の衆議院決算行政監視委員会で、海洋放出する方針を固めたことに関し、「福島の復興に避けて通れない、先送りできない課題だ」などと理解を求めた。「漁業者らに風評被害の懸念から反対の声がある」と認めた上で、「処分開始までの2年程度の期間に、安全性に問題がないことを国民と世界に理解いただけるよう努力したい」と語った。
衆院北海道2区補選 13日告示 自民は擁立見送り
衆院北海道2区補欠選挙は13日、告示される。投開票は、8日に告示された参院長野選挙区補選、広島選挙区再選挙とともに25日に行われる。3選挙は菅義偉政権発足後、初の国政選挙となることから、次期衆院選の試金石となる。
北海道2区補選は元農林水産相の吉川貴盛被告(自民離党)が鶏卵汚職事件で議員辞職したことを受けて実施。自民党は「信頼回復を優先する」として不戦敗を決めた。立憲民主、共産、国民民主、社民の4野党は、立民元職の松木謙公氏に候補を一本化した。共産は独自候補の擁立を準備したが、次期衆院選を見据え野党共闘を優先した。日本維新の会は、新人で元道議の山崎泉氏を擁立する。他に新人5人が立候補を表明している。
日独2プラス2、13日初開催
政府は12日、ドイツと初の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を、13日にテレビ会議形式で開くと発表した。「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた連携や、2国間の安全保障・防衛協力を議論。覇権主義を強める中国への対処や、北朝鮮の核・ミサイル開発などについて意見を交わす。