プルーンの効果とは! 身体にうれしい効能と上手な食べ方を紹介

プルーンの効果とは 社会

プルーンの効果とは!身体にうれしい効能と上手な食べ方を紹介

更新日:2022年5月24日
監修者:管理栄養士 渡邉里英
鉛筆アイコン2022年5月24日

プルーン(西洋すもも)は栄養豊富な食品として注目されることが多いが、具体的にはどのような効果が期待できるのだろうか。本記事では、プルーンの効果効能について解説するとともに、栄養素やおすすめの食べ方も紹介する。プルーンの効果をチェックし、健康維持に役立てよう。

プルーンの効果とは

プルーンを食べることにより期待できる効果や、それぞれの効果をもたらす栄養素について見ていこう。

貧血の予防

プルーンに含まれている鉄は、鉄欠乏性貧血の予防効果が高い栄養素だ。鉄は血液中のヘモグロビンを構成し、酸素を運搬する役割をもつ。適量の摂取で貧血予防効果を得られるが、血液をつくるにはたんぱく質、ビタミンB12、葉酸を併せて摂取する必要がある。

また、プルーン可食部100gあたりの鉄含有量は、生が0.2mg(※1)、乾燥が1.1mg(※2)と、じつはそれほど多くはないうえ、吸収されにくい非ヘム鉄である。吸収率を高めるには、ビタミンCを併せて摂取するとよい(※3、4)。

腸内環境を整える


プルーンには便秘予防や整腸作用に効果のある食物繊維が含まれている。とくに乾燥プルーンの食物繊維含有量は可食部100gあたり7.1g(水溶性3.4g、不溶性3.8g)と非常に多い(※2)。5粒(約40g)食べるだけでも、約3gの食物繊維を摂取することができる。

不溶性食物繊維は便のかさを増やす働きをし、水溶性食物繊維は小腸での栄養素の吸収をゆるやかにする働きがある(※5)。プルーンに含まれる食物繊維は、水溶性と不溶性がほぼ同じ割合になっているのが特徴だ。

生活習慣病の予防

プルーンには、肥満予防にも役立つ食物繊維(※5)のほか、強い抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれている。とくにネオクロロゲン酸というポリフェノールが多く、主にLDLコレステロールの酸化を防ぐ働きがある。さらに、水溶性食物繊維には血中コレステロールを下げる効果も期待できる。つまりこれらの栄養素は、生活習慣病の予防にもつながるのだ(※6、7)。

骨を健康的に保つ

プルーンにはミネラルも含まれている。乾燥プルーン100gあたりには、骨の構成成分となるカルシウムが57mg、マグネシウムが40mg、亜鉛が0.4mg含まれている(※2、8~10)。また、骨の形成を促す作用のあるビタミンKが92μg含まれている(※2、11)。

とはいえ、ミネラルの量は際立って多いとはいえず、ほかの食品からの積極的な摂取が必要だが、プルーンは骨の健康維持にも役立つ食品といえるだろう。

美肌効果やダイエット

プルーンに含まれるポリフェノールなどの抗酸化物質は、活性酸素から細胞を守ってくれるため、肌の健康維持にも役立つ(※6、7)。また、食物繊維は便秘予防や整腸に役立つため、継続的に摂取することでダイエット効果も期待できる(※5)。乾燥プルーン100gあたりに730mg含まれるカリウムも、ナトリウムの排泄を促すためダイエットの大敵であるむくみに効果的だ(※2、12)。

プルーンの主な栄養素

プルーンを食べることで期待できる効果効能には、さまざまな栄養素の働きが関係している。これまで紹介したもののほかにも、プルーンには複数の栄養素が含まれている。そこで、生プルーンと乾燥プルーンの主要な栄養素について、一覧でチェックしよう。

栄養素を確認

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」で公開されているプルーン可食部100gあたりの主要な栄養素とカロリーは、下記の通りだ(※1、2)。

生プルーンは水分量が86.2gを占めるが、乾燥プルーンは33.3gと少ないため、栄養素の含有量も全体的に多い。ただし葉酸やビタミンCなど生プルーンのほうが多く含む栄養素もある。

プルーンを効果的に食べる方法

プルーンを食べて健康に役立てるには、食べ方も重要である。とくに乾燥プルーンは手軽に食べられて栄養も効率的に摂れるが、食べ過ぎるとカロリーや糖質の過剰摂取につながる。適量を守り、また効果を高めてくれる食材と組み合わせる食べ方がおすすめだ。

1日の摂取量

厚生労働省の資料(※13)によると、1日あたりの間食のカロリーは200kcalが適量とされている。ドライプルーンは100gあたり211kcalだが糖質量も多いため(※2)、1日5粒程度(約40g)に留め、ほかの食材と組み合わせて食べるとよいだろう。

相性のよい食材

プルーンに含まれる鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収がよくなる。そのため、ビタミンCを多く含む下記の食材を組み合わせるのがおすすめだ。また、プルーンにはたんぱく質が不足しているため、併せて補うとよい(※1、2、4、14、15)。

・キウイフルーツ(とくにゴールドキウイ):プルーンキウイヨーグルト
・いちご:プルーンいちごヨーグルト
・柿:プルーン柿ヨーグルト
・ブロッコリー:プルーンとブロッコリーとチーズのサラダ

相性の悪い食材

逆に、下記の食品は鉄の吸収を妨げてしまうため、プルーンとは一緒に食べないほうがよいだろう(※15)。

・緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒーなど(タンニンが含まれるもの)
・リン酸塩を含む加工食品
・玄米、おからなど(不溶性食物繊維の多いもの)

結論

プルーンにはさまざまな効果が期待できる栄養素が含まれている。とくに、乾燥プルーンは栄養素の含有量も多いため、健康維持や美容に効果的な食品といえそうだ。ただし、プルーンの効果を得るには食べ方が重要である。適量を守るとともに食べ合わせにも注意し、不足する栄養素を補いながら食生活に取り入れてみてはいかがだろう。

(参考文献)

※1※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
※3出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「貧血がある方のお食事」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/info/seminar/recipe202.pdf
※4〜※6※8〜※15:公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/
※7出典:カリフォルニアプルーン協会ヘルシーエイジング
https://www.prune.jp/health/aging
※13出典:厚生労働省e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html

更新日:2022年5月24日