目からウロコのマイナンバー講座 マイナポータルが1番危険 マイナカードはリスク少 専門家が解説

マイナポータルが1番危険 マイナカードはリスク少 専門家が解説 社会

目からウロコのマイナンバー講座 マイナポータルが1番危険 マイナカードはリスク少 専門家が解説(愛知のニュース 2023年1月31日 18:00)

マイナンバー・マイナンバーカード・マイナポータルは別物の制度で、それぞれ役割があります。なかでも1番気を付けなくてはいけないのは「マイナポータル」。プライバシー保護などが専門の中央大学・宮下紘教授に話を聞きました。

マイナンバーカード自体に個人情報が詰まっているわけではないんでしょうか。

マイナンバーカード自体は身分証明書として使うものです。カードをなくしたからといって、すぐにそのカードの中に入っている情報が外に漏れるわけではありません。通常の免許証や健康保険証と同じような身分証明書という位置づけになります。

カード自体はそこまでリスクがあるわけではないということですか。

ここで重要なことは、12桁のマイナンバーとマイナンバーカード、さらにマイナポータル3つのそれぞれ種類があって3つの役割をそれぞれ理解することが重要だと思っています。

3つの役割について。マイナンバーは税、社会保障、災害対策のみに利用されます。マイナンバーカードはその番号が記載された身分証です。そしてマイナポータルは個人情報を確認できるWebサイトです。このマイナポータルに一番リスクがあるということでしょうか。

マイナポータルには全ての個人情報が詰まっています。年金の情報や、税の情報、所得の情報、さらに医療機関でこれまで処方された薬の情報、このような履歴が全て個人情報として一括して管理されるのがマイナポータルです。
マイナポータルの管理に不備があると、個人情報が流出してしまうことになります。

マイナポータルに入っている年金や健康保険の情報などは私たちが同意して初めてそこに載るという認識でいいでしょうか。

マイナポータルを運用するかどうかは各人が判断するものです。今後、健康保険証としてマイナンバーカードを使うということですが、医療機関や薬局でカードをかざして暗証番号を入力すると、機関側、あるいは薬局側でこれまでの調剤の履歴、処方の情報、医療情報を見ることができるようになります。これも各々が病院側に情報提供するか、同意がなければ情報は外に出て行かない仕組みとなっています。

カードではなくマイナポータルにどのような情報を紐づけていくのかを私たちがある程度判断していかないといけないのですね。

カード自体は身分証明書なので、それ自体にリスクがあるわけではないですし、それを持っているからといって個人情報が外に出ていくということはありません。
このカードを使って薬局などで医療情報、薬剤情報を薬局に提供するかどうか、これを健康保険証として使うかどうか。あるいは公金振込の銀行口座を紐付けるかどうかは利用者の判断となります。

そこには病院側のこれまでの薬の飲み合わせなど過去の病歴などをチェックすることが可能になるメリットも病院側、薬局側にありますが、同時に個人情報の漏えいのリスク、特に医療機関などは業者などにシステムの管理を任せているので、業者などから個人情報の流出という事例が見られます。

そのため、このあたりはそれぞれの人の判断になると思っています。

ひとつにまとめると便利なこともありますが、リスクの認識を今一度考え直さないといけないですね。

必要以上に個人情報のことを怖がる必要ありません。カード自体よりもマイナポータル、そしてマイナポータルに紐付ける情報をどうするのか、それをご自身で考える必要があると思います。