アベノマスク廃棄、批判投稿相次ぐ 費用「6000万円」トレンドに
アベノマスク廃棄、批判投稿相次ぐ 費用「6000万円」トレンドに(毎日新聞 2021/12/23 17:51 最終更新 12/23 17:51)
新型コロナウイルス対策として安倍晋三政権が調達した布マスク「アベノマスク」が大量の在庫となり、廃棄処分に多額の税金が投入されることから、ツイッターでは「約6000万円」「アベノマスク1100万枚不良品」などの関連ワードが相次いでトレンド入りした。
「血税の無駄使いは許せない」「せめて処分にはお金かけないでほしい」などと批判的な投稿が目立っている。
岸田文雄首相は21日の記者会見で、布マスクを「年度内をめどに廃棄するよう指示した」と説明し、記者会見に先立つ同日の参院本会議で不良品が約1100万枚見つかったことも明らかにした。布マスクは2020年4月、当時の安倍首相が全世帯配布を表明。現在、介護施設向けの布マスクなどと合わせて計8000万枚余りが備蓄されたままだ。
複数の政府関係者によると、21年度中の廃棄に数千万円程度の経費がかかる可能性がある。トレンド入りした「6000万円」とは、日本テレビが廃棄には「6000万円近くかかる見通し」と報じた金額だ。
<国会議員と官僚に払ってもらいたい>
<間違いなく戦後最悪の政策だった>
<安倍晋三氏はダンマリ>
ツイッター上では、高額の廃棄費用に驚き、アベノマスクを批判したり、安倍元首相らに説明を促したりする投稿が目立っている。
「アベノマスク」関連の公文書を開示するよう国に求めている上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)は取材に「公金をドブに捨てるようなものです。なぜ廃棄しなくてはいけないようなものを調達してしまったのか、政府は説明責任を果たすべきでしょう」と話す。
具体的には、「まずどういう経緯で、調達して配布することにしたのか。業者の選定方法や具体的な単価はいくらだったのか。なぜ、カビが付着したり、虫などの異物が混入した不良品が出回ったのか。政府は一連の過程をきちんと説明することが求められています」と指摘する。
ツイッター上では、アベノマスクの廃棄費用だけでなく、大量廃棄されるアベノマスクそのものを惜しむ投稿も散見された。「検証と説明がなければ納税者は怒るでしょう」(上脇教授)。年度内廃棄方針を打ち出した岸田首相はその責任の具体的な所在には言及していない。