メンタリストDaiGoが8月7日に行った、YouTubeチャンネルの生配信での生活保護受給者や路上生活者に対する発言が差別的として物議を醸している。
彼のYouTubeチャンネルは登録者数が250万人近くいて、中・高校生のファンが多い。感受性の鋭い世代の子供たちがDaiGoの言うことを鵜呑みにする危険性も大きい。
彼は頭の回転が速い人間なので、こういう発言をしたら炎上することは分かっていたはずだ。それとも意図的に炎上を狙ったのか。あるいは、他者を思いやる心が欠けた人間か。
ネット時代の大きな問題だ。簡単に見過ごすことは出来ない。
メンタリストDaiGo「生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら猫を救って欲しい」
メンタリストDaiGo、生活保護受給者や路上生活者へ“差別”発言で物議(日刊スポーツ 2021年8月13日8時48分)
メンタリストDaiGoが7日に行った、YouTubeチャンネルの生配信での生活保護受給者や路上生活者(ホームレス)に対する発言が差別的として物議を醸している。
DaiGoは7日の自身の公式YouTubeチャンネルで、「【超激辛】科学的にバッサリ斬られたい人のための質疑応答」と題して視聴者からの質問に答える形式の生配信を実施。
「ぼくは生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めている訳ではないからね。生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら猫を救って欲しいとぼくは思うんで。生活保護の人、生きていてもぼく得しないけどさ、猫はさ、生きていたらぼく、得なんで」と持論を展開した。
飼い猫に同意を求めながら「ほんとそうだよね。猫が道ばたでのびていたら、かわいいもんだけど、ホームレスのおっさんがさ、のびていると、なんでこいつわがもの顔で段ボールしいて寝てんだろって思うもん。うん。うん」と路上生活者(ホームレス)への発言を開始した。
「ぼくは、今日辛口なのもあるんですけど、ダークなので」と断りを入れつつ、「人間の命と猫の命は、人間の命の方が重いなんて全く思っていないからね。自分にとって必要がない命はぼくにとっては軽いので。ホームレスの命はどうでもいい」。
視聴者に向けて「みんな思わない? どちらかといえば、いない方が良くない? ホームレスって。いっちゃ悪いけど、本当にいっちゃ悪いこといいますけど、いない方が良くない? いない方がだってさ、みんな確かに命は大事って思っているよ。人権もあるから。一応、形上、大事ですよ。でもいない方が良くない? 正直」と呼び掛けた。
発言は止まらず、「邪魔だしさ、プラスにならないしさ、くさいしさ。ね。治安悪くなるし、いない方が良いじゃん。猫はかわいいじゃんって思うどね、ぼくはね」とまくし立てた。
その後、水を口に含んで一息つき、「元々人間は自分たちの群れにそぐわない、社会にそぐわない、群れ全体の利益にそぐわない人間を処刑してきているんですよ。だから犯罪者殺すのと同じですよ。犯罪者が社会にいると問題ですし、みんなに害があるでしょ。だから殺すんですよ。はい。同じですよ」と持論に説得力を持たせるかのように人間社会の歴史を語り、次のテーマに移った。
この発言には、「この優生思想を肯定してはいけない。危険すぎる」「この人、命に差をつけ、倫理観も著しく欠如している。いじめが連鎖する構図そのもの」といった批判的なコメントが多く集まった。
批判に対するDaiGoの反論「他人が何を大事だと思うかは他人の勝手」
メンタリストDaiGo、批判に持論「身銭切って寄付でも…口出すよりも…」(日刊スポーツ 2021年8月13日13時11分)
「ホームレスの命はどうでもいい」などと動画で発言し、差別的と批判されていたメンタリストDaiGoが13日、ツイッターを更新し、「他人が何を大事だと思うかは、他人の勝手」などと、批判に対して反論した。
DaiGoは「そんなに助けてあげたいなら、自分で身銭切って寄付でもしたらいいんじゃない? 国がそういう人のために、みんなの給料から毎月3万円徴収しますって言い始めたら、皆さん賛成するんですかね?」と意見。続けて「他人が何を大事だと思うかは、他人の勝手。そんなに助けてあげたいほど大事なら、口出すよりも金出してあげたらいいんじゃない? 言うだけなら誰でもできる」とツイートした。
メンタリストDaiGo氏への批判
優生思想にぶつかると、自分や自分の大事な人に「死ね」と言われたような気がする。
劔樹人、メンタリストDaiGo“差別”発言「優生思想の主張は詭弁」(日刊スポーツ 2021年8月13日9時40分)
児童虐待問題に取り組んでいるエッセイスト犬山紙子氏らが、メンタリストDaiGoの差別的と指摘されている発言を批判した。
犬山さんは12日、ツイッターで「優生思想にぶつかると、自分や自分の大事な人に『死ね』と言われたような気がして本当に消耗する。例えば私の母は寝たきりだったりする。生きような~~私も勝手に生きるし生きてる人全員堂々と生きような~~価値とかいらんから」と言及。続くツイートでは「今生活保護を受けるかどうか悩んでいる人の足が遠のいてしまうことが怖い」と懸念し、「生活保護は憲法25条が保証する権利です。権利です。権利です」とした。
ヒトという種は、社会を作って弱い物も包括し守ることを生存戦略とすることで発展してきた。
また、犬山さんの夫で、漫画家・ミュージシャンの劔樹人は「人間も生物だから弱肉強食みたいな優生思想の主張は詭弁です。ヒトという種は、社会を作って弱い物も包括し守ることを生存戦略とすることで発展してきたからです」と指摘。「いま、メンタリストの発言に同意してホームレスはいらないとか言ってたり思ってたりする人にも何割かは、ホームレスにはならないにしてもいらない人扱いされる世の中が来ますよ。日本は着実に弱者の割合が増えてゆく方に向かってます。その時、間違ってたと思っても遅いよ!」と警鐘を鳴らした。
「生きる価値のない人」とレッテルをはるのは絶対にしてはならない。
たかまつなな、メンタリストDaiGo“差別”発言批判「危険すぎる考え」(日刊スポーツ 2021年8月13日9時40分)
元NHK職員で「お笑いジャーナリスト」として活動する芸人たかまつななが、メンタリストDaiGoの差別的と指摘されている発言について、「危険すぎる考えだ」と批判した。
たかまつは12日、ツイッターを更新し、「DaiGoさんのYouTube見たけど危険すぎる考えだ」と言及。DaiGoが「生活保護受給者とホームレスは社会にいらない。税金で生活保護に食わせるよりも猫に救え」といった旨の発言をしたことに、「働きたくても働けない人は? 能力があり、頑張ってる人でも、突然、交通事故にあって働けなくなる可能性はあるよ? それでも生きていける環境を作るのが国の役割」と指摘した。
その後のツイートでは、「『生きる価値のない人』とレッテルをはるのは絶対にしてはならない。歴史を学べば、ナチスのユダヤ人虐殺はひどく、そのような思想は危険でダメなことが分かります。だから私たちは歴史を学ぶのです」とし、生活保護を必要とする人々へ向け、「生活保護を受けることは恥ずかしいことではありません。生きるために必要なんです。健康で文化的な最低限度の生活を営むことが日本は保障されています。コロナで経済が苦しんでいる方、あなたに生きて欲しい。だから死ぬべき人とは絶対に思わず、申請して生きて下さい。苦しい時に国に頼って下さい」と呼びかけた。
「犯罪者を殺すのと同じ」という発言はもはや狂気
細野豪志議員「もはや狂気」メンタリストDaiGo“差別”発言に批判相次ぐ(日刊スポーツ 2021年8月13日11時5分)
メンタリストDaiGoが「ホームレスの命はどうでもいい」などと動画で発言したことが13日までに拡散されたことを受け、政治家や有識者からも批判の声があがり始めた。
元環境相の細野豪志衆院議員はツイッターで「DaiGo氏の影響力を考えるとこの発言は見過ごせない」と言及。「『生活保護の人とホームレスは社会にいらない。生活保護に食わせる金あるなら猫救え』『邪魔だしプラスになんないしいない方がいい』。『犯罪者を殺すのと同じ』という最後の発言に至ってはもはや狂気」と非難した。
社会的責任を取るべきだ、Youtubeの責任も問われる。
立憲民主党の小西洋之参院議員は「絶対に許されない暴言の数々。社会的責任を取るべきだ」とツイート。「Youtubeの責任も問われる」とした。
多様な人たちが手を取り合う事で社会を形成し、文明を築いてきた。
また、前新潟県知事で弁護士の米山隆一氏は「ホームレスは社会にいらないというけれど、では『メンタリスト』は社会にいるのでしょうか? 弁護士だって、もしかしていらない存在かもしれません。それにどんなに有用な人でも、年を取れば一人で食事すらできなくなり、それを不要というなら全ての人はいつか不要になります」と指摘。「でも人間は、そういう、もしかしたら不要かもしれない多様な人たちが手を取り合う事で社会を形成し、この文明を築いてきました。誰かの基準で『不要』と判断された人を切り捨てる社会は、歴史上何度か出現したものの消え去っており、本質的に存続不可能で、今ある文明と相いれないものだと私は思います」とした。
精神的に追い詰められている人間をさらに虐めてどうなるのか。
生活困窮者の支援活動を行うNPO法人「ほっとプラス」理事でソーシャルワーカー(社会福祉士)の藤田孝典氏は、ツイッターでDaiGoに向け「生活保護利用者、ホームレスへの発言を強く非難、抗議します。直ちに発言を撤回して当事者への攻撃、差別の拡散を止めてください」と抗議。13日朝には「すでにYouTuberの差別扇動によって、不安を覚えた生活保護利用者の方から朝2件のメール。『やはり生きていてはいけないんですよね』『仕事が見つからないので申し訳ないです、すみません』という内容」と、生活保護利用者から不安の声が寄せられていることを明かし、「精神的に追い詰められている人間をさらに虐めてどうなるのか。早く謝罪すべき」と訴えた。
過去にホームレス生活者襲撃事件があった。犯罪を誘発為兼ねない発信だ。
東国原英夫 DaiGo発言に「ホームレス襲撃等の悲惨な事件を想起する」(デイリースポーツ 2021/08/13 14:08)
元宮崎県知事でタレントの東国原英夫が13日、ツイッターを更新。メンタリストのDaiGoによるホームレス生活者や生活保護者についての発言が炎上している件について、過去にもホームレス生活者襲撃などの事件があったことを挙げ「一歩間違えばこれらの犯罪を誘発為兼ねない発信もメンタリストの活動の一環なのか」とつぶやいた。
DaiGoは自身のYouTubeチャンネルで「生活保護の人達に食わせる金があるのなら猫を救って欲しい」「自分にとって必要の無い命は僕にとっては軽い」などと発言。生活保護者、ホームレス生活者の命を軽視するとも取られかねないことから、ネットでは炎上していた。
東国原は「メンタリスト?の生活保護受給者やホームレス等への心無い暴言」と切り出し「過去のホームレス襲撃等の悲惨な事件を想起する。あってはならない事件」とつづった。
DaiGoの今回の発言についても「一歩間違えればこれらの犯罪を誘発為兼ねない発信もメンタリストの活動の一環なのか」と疑問視し「しかし、こういう思想を持つ人間が社会には一定数いる事も又事実ではあるが」ともつぶやいていた。
DaiGo、自身のYouTubeチャンネルで詫びたが、・・・
「大変申し訳ありませんでした」「無知が招いた失態だと思っていて」
メンタリストDaiGo、炎上動画での発言を一転謝罪「申し訳ございませんでした」「無知が招いた失態」(スポニチ 2021年8月13日 22:14)
メンタリストのDaiGo(34)が13日、自身のYouTubeチャンネルで生放送を配信し、批判を呼んでいる自身の発言について言及した。
一連の発言に関して、DaiGoは「お騒がせしております、このたびは大変申し訳ありませんでした」と謝罪。「経緯としては質疑応答をしていて、質問に答える文脈の中で『猫の命の方が人の命より大切』って話したくだりがあったんです。そこまで言う必要はまったくなかったんですけど『ホームレスとか生活保護の人にお金を割くのはおかしいよね』って言ったんですよ。さすがにその言い方はよくなかったし、差別的であるので謝罪させていただきます。大変申し訳ございませんでした」と、頭を下げた。
「僕も無知だと思ったのが、ホームレス・生活保護になった人たちが、なぜその選択肢を選んだのかを、知らないで批判したのがよくないなと思っていて。これだけたくさんの本を読んでも、そういう知識からは得られないことに対しての、無知が招いた失態だと思っていて」と反省を口にしたDaiGo。
「これで謝罪して活動自粛するのでもいいんですけど、それよりかはちゃんと勉強して、プロの人に聞いてみようかなと思いまして」と、牧師でNPO法人「抱樸」理事長の奥田知志氏を訪ねる予定だという。「とにかく正確な知識を現場に行って知ること、そして30年そういう人たちを見てきたプロにちゃんと聞いて勉強するのが重要だなと。ただ謝って、かたちだけで終了するのはよくないと思ったので」と、今後の活動について報告した。
事の重大性を理解していない。本当に反省しているのか疑問 !!
「命を冒涜」DaiGo発言に支援団体共同声明、改めて謝罪など5つの提案(日刊スポーツ 2021年8月14日16時2分)
メンタリストDaiGoの生活保護やホームレスをめぐる発言が騒動となる中、生活困窮者や生活保護受給者を支援する4団体は14日、「メンタリストDaiGo氏のYouTubeにおけるヘイト発言を受けた緊急声明」と題した共同声明を発表した。
4団体は「生活保護問題対策全国会議」「一般社団法人つくろい東京ファンド」「新型コロナ災害緊急アクション」「一般社団法人反貧困ネットワーク」。・・・
DaiGoが13日夜に発言を「謝罪」する動画を配信したことについても触れ、「ここで示された考え方は、他者を評価する基準を『頑張っている』(と自分から見える)かどうかに変えただけであり、他者の生きる権利について自分が判定できると考える傲岸さは変わりません」などとの見解を示した。。
その上で、4団体は声明で、Daigoにあらためて謝罪を求めるなど、5つの提案を記した。(以下抜粋)
1.DaiGo氏は、形だけの反省・謝罪にとどまらず、この動画がヘイトスピーチに該当する内容であることについて真の理解に至ったうえで、改めて発言を真摯に反省・撤回し、生活保護利用者、ホームレス状態にある人々に謝罪すること。また、「処刑」や「殺す」という言葉を用い、特定の人たちを社会から排除・抹殺することを正当化することは、ヘイトクライムやジェノサイドを誘発しかねない反社会的行為であることを認識し、この点についても明確に発言を撤回し、謝罪すること。
2.「最後は生活保護がある」と述べた菅首相は、DaiGo氏の発言が許されないものであることを明言したうえで、生活保護の申請が国民の権利であることを率先して市民に呼び掛けること。
3.厚生労働省も、公式サイトにおける「新型コロナウイルス感染症の影響により生活にお困りの皆さまへ」のページにおいて、生活保護制度の案内を大きく取り上げる等、制度利用を促す発信に力を入れること。福祉事務所が追い返しなどしないように、周知徹底をはかること。
4.マスメディアは、DaiGo氏の起用を差し控え、その発言の問題点を報道し、このような発言を許さない姿勢を明確にすること。
5.私たち市民は、今回のDaiGo氏の発言を含め、今後ともこのような発言は許されないことを共に確認し、これを許さない姿勢を示し続けること。
厚生労働省「生活保護の申請は国民の権利です」
厚労省、生活保護は「国民の権利」ツイート DaiGo氏発言に反応か(毎日新聞 2021/8/13 14:17 最終更新 8/13 22:41)
厚生労働省が13日、ツイッターで「生活保護の申請は国民の権利」と呼び掛けた。メンタリストのDaiGo氏が動画投稿サイト「ユーチューブ」で、ホームレスの人や生活保護受給者を差別する動画を載せ、批判を集めていることを受けた対応とみられる。
厚労省は13日午後0時48分の投稿で「【生活保護を申請したい方へ】生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」とし、自治体の福祉事務所に連絡するよう呼び掛けた。DaiGo氏は7日にユーチューブでライブ配信された動画で、生活保護受給者に対して「生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしい」「生活保護の人が生きてても僕は別に得しない。猫は生きてれば僕は癒やされる」などと語っていた。
厚労省の投稿に対し「このタイミングでの発信。大切だ」との評価が多数上がったほか、「メンタリストの尻拭い」との反応もあった。
厚生労働省 @MHLWitter 午後0:48 · 2021年8月13日
【生活保護を申請したい方へ】
「生活保護の申請は国民の権利です。」
生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。相談先は、お住まいの自治体の福祉事務所までご連絡をお願いします。
生活保護を申請したい方へ