終戦から76年 -- 小沢一郎事務所ツイッターより

ツイッター_小沢一郎衆議院議員 政治・経済

①今年も「終戦の日」を迎えた。間違った政治で国が破滅寸前までいった日。つい76年前、国民の尊い命は「盾」とされ、「一億総玉砕」まで構想された。310万人の国民が犠牲となった。そして現代。最悪の政治の根は 未だ死んでいない。国民が政治への関心を失えば、それは再びすぐ隣にやって来るだろう。

②人命軽視。「任務は重く 命は軽く」。戦時中の国策標語である。原爆を落とされてなお、軍部は徹底抗戦にこだわった。老人から子どもまで国民全員が最後は竹槍で米兵と刺し違える本土決戦、一億総玉砕。虚構ではなく実際の国策。政治は時に命も国も滅ぼす。だからこそ選挙には行かなければならない。

③非科学的精神論。「大和魂で米英軍を殲滅できる。最後は気力」。戦時中、軍部は上から下までこんなことばかり言っていた。圧倒的な物量不足は精神力で何とでもなると。だが、最後は、米国の科学が気力を圧倒した。戦いに勝つために必要なのは、精神力ではなく科学。コロナとの闘いも、また同じこと。

④粛清人事。戦時中、科学的分析から戦争に否定的な人間は「非国民」呼ばわりされ、役人でも軍人でも徹底的に左遷、最前線に送られることもあった。結局、上に忖度する人間ばかりになり、最後は、まともな情報が上層部にすら入らなくなった。それで終戦時期を見誤り、数えきれない尊い命が失われた。

⑤虚偽・隠蔽。ミッドウェー海戦大敗の後、政府は、事実隠蔽のため生存者を軟禁し、家族にすら会わせなかった。その後の連戦連敗について、大本営は「敵に甚大なる被害を与え善戦した」と、終戦までひたすら嘘をつき続けた。国民には何も知らされず、気が付けば、虚偽と隠蔽で国は破滅寸前までいった。

⑥国語破壊。「撤退」は「転進」になり、「全滅」は「玉砕」に。多くの命が犠牲にされても、国民はその事実を知らされず、全て美辞麗句に置き換えられた。虚偽であり、詭弁。「桜を見る会に人を募ったが募集はしていない」「改ざんでなく書き換え」。同じことを繰り返せば、また多くが犠牲になる。

⑦証拠隠滅。敗戦後、政府がすぐに行ったのが、戦争責任の証拠となる機密文書の焼却。役所の庭では関係書類が延々と燃やされ、その煙が空高くまで上がったという。後世で検証もできない。そして現代。総理に都合の悪い証拠をシュレッダーにかけるのも同じこと。証拠隠滅は世代を超えた国民に対する罪。

⑧無責任体制。開戦以降、官邸、陸軍、海軍、外務省などは終始、相互に牽制し合い、責任を押し付け合って、挙句、誰も責任をとろうとしなかった。この無責任体制こそが終戦の判断を決定的に遅らせ、より多くの命が犠牲となった。「誰も絶対に責任をとらない」という無責任体制は、国に破滅をもたらす。

終戦記念日とは、情緒的に過去を振り返るだけの日ではない。310万人もの尊い命が 間違った政治の犠牲となったことを、国民一人ひとりが改めて噛み締める日でなければならない。政治とは国民の命と生活を守るためにある。命を軽んじ、死者を統計のように見る政治の再来だけは絶対に許してはならない。