二階元幹事長は「総選挙で小池都知事を維新から出馬させたい」 菅前総理の“自民離党”も現実味か(デイリー新潮 2023年06月01日)
6月の国会会期末における衆院解散説がくすぶる中、自民党の麻生太郎副総裁や二階俊博元幹事長、菅義偉前総理に注目が集まっている。
「創価学会・公明党を毛嫌いする麻生は、連立からの公明切りを画策中。一方で二階と菅は、一部の野党を巻き込んだ“麻生包囲網”で対抗しようとしている」
と言うのは政治部デスク。
「公明党は4月の衆参5補選の際に告示直前まで自民党候補に推薦を出さなかった。そのあつれきに加えて、次期総選挙の候補者調整でも緊張感が高まっています」
焦点は区割り変更に伴って新設される東京28区だ。
与党関係者が証言する。
「5月9日、公明党の石井啓一幹事長は自民党の茂木敏充幹事長と国会内で会談し、次の総選挙で東京28区に独自候補を立てる意向を伝えました。自民の機先を制する格好で“自民党が擁立したら都内の他の選挙区で推薦を出さない”と迫ったんです」
脅しにも近い強気な姿勢。
「公明党とのつながりを政治力の源泉とする、二階と菅がウラから後押ししている。麻生が公明切りに動く理由には、彼らの力をそぐ狙いがあるのは明らかです」
小池都知事を維新から出馬させたい意向
最近の二階と菅の両氏は日本維新の会を巻き込み、岸田政権に揺さぶりをかけている。自民党幹部が言う。
「かつて維新の松井一郎前代表の後ろ盾を自任した菅さんには、いまも維新との太いパイプがある。二階さんも昨年12月、大阪・関西万博を成功に導く超党派の議連を立ち上げて自ら会長に就任するなど、維新を意識した動きが目につきます」
とくに“寝業”を得意とする二階氏には、意外な人物との連携もうわさされている。
「次回の総選挙で、小池百合子都知事を維新から出馬させたい意向とか。先の衆院和歌山1区の補選では、わざわざ彼女を現地入りさせました。これが維新関係者への“顔見せ”だったと見られているんです」
小池都知事の実績はあまりに乏しい。最近の話題も故・安倍晋三元総理が回顧録で〈ジョーカー〉と表現していたことが報じられた程度。いまさら国政に戻って何をしようというのか。
「政界再編の目玉として登場し、初の女性総理の座を狙うつもりでは。維新なら衆議院に戻る際に必要な選挙区は選び放題ですし、党首クラスとして歓迎されるでしょう。総選挙後の展開次第では、自公維ないし自維連立の可能性も出てきますから」
維新への集団移籍も?
当の維新関係者が言う。
「全国政党化を目指すウチにとって、知名度がある小池さんの入党は悪くない話。二階さんや菅さんが仲介してくれるなら、見返りとして次回選挙で公明党の現職が出る大阪と兵庫の選挙区で手心を加えてもいい」
小池氏が維新入りすれば、それを奇貨として二階氏と菅氏が河野太郎デジタル相や小泉進次郎元環境相らと、維新に集団移籍する可能性も出てくるという。
再び政治部デスクの解説。
「二階は小沢一郎とともに自民党を出て新生党を結成した過去がある。岸田政権は“小泉系”の河野らを冷遇しており、維新が掲げる“身を切る改革”は、かつての小泉構造改革路線との親和性が高い。そこに公明党が加勢すれば、政権交代が現実味を帯びてくる」
週刊新潮 2023年6月1日号掲載