高市早苗氏は“白旗”寸前…総務省文書「大臣レクあった」に抗弁も官邸から見放され孤立無援(日刊ゲンダイ 公開日:2023/03/14 13:50 更新日:2023/03/14 15:17)
もうほとんど“詰んだ”のではないか。
安倍政権下で作成された「放送法」の解釈をめぐる総務省の行政文書。記載のある「大臣レク」について、当時の高市総務相(現・経済安保担当相)は「受けるはずがない」とレクそのものを否定していたが、13日の参院予算委員会の集中審議で、総務省担当者が「レクは行われた可能性が高い」と真逆の答弁を展開したのだ。
全78ページからなる行政文書のうち、問題となっているのは〈高市大臣レク結果(政治的公平について)〉と題されたペーパー。日付は2015年2月13日、場所は総務大臣室、高市氏本人と安藤友裕情報流通行政局長ら計6人が出席したと記されている。安藤局長が放送法の政治的公平性の解釈補充について説明する中で、高市氏は「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?」などと発言したと記載されている。
この日の予算委で答弁した総務省の小笠原陽一情報流通行政局長によると、文書作成者は「確実な仕事を心掛けており、上司の関与を経て文書が残っているのであれば、レクが行われたのではないか」と説明。他の同席者も同様の認識を示したという。
「捏造」発言を封印
これに、高市氏は色をなして“抗弁”した。ただ、これまで〈大臣レク〉文書について「捏造」と断言し続けてきたが、13日は「その時期はたくさんのレクがあり、何月何日の何時にどのレクがあったか、確認の取りようがない」と発言を後退させた。
その上で「紙に書かれている内容は自信を持って否定する」と答弁。テレビ朝日の政治的公平性に疑義を示した自身の発言について、「私がテレビ朝日をディスるはずがない」「(番組MCの)羽鳥アナウンサーの大ファンでございますので」と言い訳し、長広舌をふるってみせた。委員長に「答弁は簡潔に」と再三指摘されても、「私は言いたいことがあってもこれまで我慢してきた」「ここは言わせて」と止まらない。松本総務相に制される場面もあった。
まさか、総務官僚に正面から自分の発言を否定されると想像もしていなかったのか、終始苦々しげな表情を浮かべ、怒りをにじませながら答弁した高市氏だが、気になったのは、これまで繰り返していた「捏造」という単語を一切、口にしなかったことだ。
「官邸は当初、行政文書の信憑性について『正確性が確保されているとは言い難い』との見解で野党の追及をかわし、時間を稼ぐ戦略を描いていた。白黒つけず、ウヤムヤにするつもりでした。ところが、高市大臣が『文書は捏造』と断言してしまい、国会は紛糾。報道も“高市問題”一色になってしまった。岸田首相は、自分の政権の問題ではないこともあって、一歩引いて“高市さん、そんなに言うなら自分で説明してね”と傍観している状態です。総務省も高市大臣をかばう様子はない。孤立無援になってしまい、高市大臣は相当焦っている。これ以上『捏造』と強弁するのは、火に油を注ぐだけで得策ではないと判断したのでしょう。弱気になっているのではないか」(官邸事情通)
追い込まれた高市氏は、正式に謝罪表明するのか、それとも辞表を提出するのか。“白旗”を揚げる日はそう遠くないかもしれない。
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