2023年8月15日 今日の出来事

終戦78年 天皇陛下、戦没者追悼式で「平和と幸せ希求」

終戦から78年となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で行われた。ウクライナ侵攻を続けるロシアの核使用に懸念が高まり、核軍縮を巡っても世界の分断が進む。遺族らは惨禍が繰り返されないよう平和を誓い、先の大戦の犠牲者を悼んだ。台風7号による交通機関への影響などから10府県の遺族が欠席した。

式典は4年連続で規模を縮小しての開催。厚生労働省によると、高齢の参列者が多いことを踏まえ、今年も新型コロナウイルスの感染防止に慎重を期した。

岸田文雄首相は就任後2回目の参列。昨年同様にアジア諸国への加害責任に触れず「積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携え、世界が直面する課題の解決に取り組む」と述べた。

正午の時報に合わせ全員で黙とう。天皇陛下は「過去を顧み、深い反省の上に立ち、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」とのお言葉を読み上げられた。

全国戦没者追悼式で「おことば」を述べる天皇陛下、皇后さま=2023年8月15日、日本武道館

陛下の「おことば」は次の通り。

本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来78年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。

これからも、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います。

ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

台風7号、近畿縦断 鳥取に大雨特別警報、岡山も線状降水帯発生

台風7号は15日午前5時ごろに紀伊半島南端の和歌山県串本町・潮岬付近に上陸し、兵庫県を縦断して夜には日本海を北上した。近畿や東海、中国、四国では風が吹き荒れ、各地で猛烈な雨が降った。気象庁は午後4時40分、鳥取市に大雨特別警報を出し、土砂災害や低地の浸水、河川の氾濫に最大級の警戒を呼び掛けた。

鳥取県から岡山県にかけては、発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生したとの情報が午前7時50分に発表された。鳥取市や鳥取県八頭町、三朝町では同日朝、1時間雨量が90~100ミリの記録的短時間大雨情報も相次いで出された。国土交通省などは夕方に一時、鳥取市内の千代川に氾濫危険情報を出した。

東海道・山陽新幹線は名古屋―岡山で始発から最終列車まで計画運休。空の便は日航と全日空が大阪発着便を中心に多数が欠航。高速道路も一部区間で通行止めとなった。

6時間降水量は15日午前、和歌山県那智勝浦町で304.0ミリ、京都府綾部市睦寄で190.0ミリと観測史上最多を更新した。

台風7号の予想進路(15日15時現在)

実質GDP、年率6.0%増 4~6月、3期連続プラス

内閣府が15日発表した2023年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動を除く実質で前期比1.5%増、年率換算は6.0%増だった。市場予想(年率プラス3%程度)を大きく上回り、3四半期連続のプラス成長となった。半導体の供給制約の緩和で自動車などの輸出が伸びた。ただ輸入の減少が統計上プラスに寄与した面も大きく、物価高の影響でGDPの約6割を占める個人消費も低調だった。

実質GDPの伸び率は、20年10~12月期(年率7.9%増)以来の大きさだった。景気実感に近いとされる名目GDPは前期比2.9%増で、年率換算は12.0%増となった。物価高を反映して20年7~9月期(年率22.8%増)以来の高い伸びとなり、金額も過去最高の590兆7千億円に達した。

4~6月期の実質を項目別に見ると、個人消費は前期比0.5%減。外食や宿泊は伸びたが、食料品や白物家電が相次ぐ値上がりの影響などで落ち込んだのが響いた。設備投資は0.0%増にとどまった。住宅投資は1.9%増だった。

円下落、145円台後半 年初来安値、金利差意識

15日の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=145円台後半に下落した。年初来安値を更新し、昨年11月以来約9カ月ぶりの円安・ドル高水準。米長期金利の上昇を受け、日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが強まった。

米国では、インフレ抑制のために年内にもう一度の利上げがあるとの観測が広がり、長期金利が上昇。一方、日銀の大規模緩和は長期化するとの見方から円売りが続いている。

鈴木俊一財務相は同日午後の記者会見で「過度の変動は望ましくない」と強調。その上で「市場動向を緊張感を持って注視しており、行き過ぎた動きには適切に対応する」と急速な円安進行をけん制した。ただ、発言後の円は145円台半ばから145円台後半に下落、円売りに歯止めはかからなかった。

経済力、5年で日本抜く! 独立記念日演説、G20成果強調…インド首相

インドのモディ首相は15日、独立76周年記念日の演説で「今後5年でインドの経済力は世界3位以内に入ると保証する」と述べ、目標に掲げる「2047年(独立100周年)までの先進国入り」に自信を示した。世界銀行によると、インドの国内総生産(GDP)は現在世界で5位。3位は日本。

14億人超が暮らすインドは今年、人口規模で中国を抜き世界一になったとみられている。モディ氏は民主主義や多様性に加え、若年層の多さもインドの強みだと強調した。

また、今年の議長国を務める20カ国・地域(G20)の関連会合開催による成果を強調。「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国の代弁者としてのインドの発展は「世界にとってチャンスとなる」と主張した。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月15日