2023年2月26日 今日の出来事

共同声明反対国は「ロシアと中国」異例の名指し G20財務相会議閉幕

インド南部ベンガルールで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は25日、閉幕した。ロシアのウクライナ侵攻を巡る意見対立から共同声明の採択を見送り、議長国インドが代わりに議長総括を発表した。見送りは4回連続で、先進国と新興国が協調する枠組みとしてのG20は形骸化が長引いてきた。

昨年11月のG20サミットは各国の意見を併記した首脳宣言を採択し、今回のたたき台となった。首脳宣言と同様にウクライナ侵攻を「戦争」と表現するよう日米欧が主張したのに対し、ロシアや中国、議長国インドが別の表現を模索し、共同声明採択へ折り合いが付かなかった。

議長総括は「ほとんどのメンバーがウクライナでの戦争を強く非難した」と明記。G20サミットの首脳宣言から引用され、ロシアと中国を除く全てのメンバーにより合意されたと記した。この戦争が世界経済に悪影響を与えているとした。

G20財務相・中央銀行総裁会議に参加した各国の代表団=24日、インド・ベンガルール

ロシア14都市で反戦活動、50人以上が拘束…ウクライナ詩人の像に献花で18人

ロシアの独立系人権団体「OVDインフォ」によると、ウクライナ侵略開始から1年となった24日、少なくとも国内14都市で反戦行動があり、一時的なものを含め50人以上が拘束された。

侵略への批判の取り締まりをプーチン政権が強化し続ける中、大規模デモはなかった模様だが、治安当局は、ウクライナにゆかりのある場所などで追悼の献花をした市民も拘束するなど徹底的に取り締まった。

同団体によると、プーチン大統領の故郷の西部サンクトペテルブルクでは、ウクライナ詩人の像に献花した市民ら18人が拘束された。露中部エカテリンブルクでは、ソ連時代の政治弾圧に関連する碑に献花するなどした11人が拘束された。

侵略開始直後は全土で反戦デモが広がり、1日で5000人以上が拘束されたこともあった。その後も部分的動員の発令の際などにデモは散発的に起き、同団体によると、侵略への抗議活動による拘留件数は約2万件になっている。

「ウクライナは私たちの敵でなく、兄弟だ」と書かれた紙を警官に見せる女性。警官は尋問中、証拠の写真を撮影したとみられる=2023年1月21日、モスクワ

「ロシア止めなければ、新たな侵略招く」 米でウクライナ支援集会

米国の首都ワシントンのリンカーン記念堂前で25日、ロシアによるウクライナへの侵攻開始から1年を迎えたのに合わせて、ウクライナへの支援を訴える集会が開かれた。バイデン米政権は軍事、経済、人道の各面で対ウクライナ支援を主導しているが、米国内には巨額の拠出を疑問視する声もくすぶっており、集会の参加者は「ロシアがウクライナの領土を奪うのを許せば、また新たな侵略を招くことになる」と対ウクライナ支援の重要性を訴えた。

集会はウクライナ系米国人の非営利団体などが企画し、在米ウクライナ人ら数百人が参加した。

母親がウクライナ人の米国人大学生、エマ・デラヘンティさん(18)は、ウクライナ国旗の青と黄色で「自由は輝く」と書いたプラカードを持って参加。「バイデン政権の支援は期待以上だ。支援に及び腰な人たちには、ロシアの侵略を許せば、次はどの国が侵略されるか分からないということを理解してほしい」と訴えた。

1990年代後半にウクライナから米国に移住したミラスロフ・タハノベツキさん(62)は「プーチン(露大統領)を止めなければ、次は中国が台湾に侵攻するかもしれないし、バルト3国やポーランドがロシアに攻撃されるかもしれない。米国は今後も支援を続けてくれると信じている」と語った。

米国の首都ワシントンで、ロシアのプーチン大統領をナチス・ドイツの独裁者ヒトラーに重ね合わせたイラストを掲げ、侵攻に抗議するウクライナの支援者ら=2023年2月25日

2900人超が出馬へ 女性微増も15%…41道府県議選告示まで1カ月

統一地方選で実施される41道府県議選は告示(3月31日)まで1カ月余りとなった。今月25日までの時事通信社の集計では、総定数2260に対し2913人が立候補に向け準備。最終的な立候補者数は過去最少だった前回2019年の3062人を下回る可能性がある。女性は438人と前回(389人)を上回っているが、全体に占める割合は15.0%と前回(12.7%)比で微増にとどまっている。

議員選が行われるのは、岩手、宮城、福島、茨城、東京、沖縄を除く41道府県。9道府県知事選や6政令市長選、17政令市議選と同じ4月9日に投開票される。総定数は前回から17減った。

元記者の西山太吉さんが死去 91歳 沖縄返還めぐる「密約」報じる

元毎日新聞記者で、沖縄返還をめぐる日米間の密約報道に関わった西山太吉(にしやま・たきち)さんが24日、心不全のため北九州市内の介護施設で死去した。91歳だった。

1931年、山口県生まれ。慶応義塾大大学院を修了後、毎日新聞社に入社。71年、翌年の沖縄返還をめぐり米国側が負担すべき米軍用地の原状回復補償費400万ドルを、日本側が肩代わりするとの密約を示唆する機密文書を入手した。

文書の入手を外務省の女性事務官に頼んだことが、秘密漏洩のそそのかしにあたるとして、国家公務員法違反容疑で事務官とともに逮捕され、74年に毎日新聞社を退社。78年に最高裁で有罪が確定した。世論の関心は密約よりもスキャンダルに移り、報道のあり方が問われた。

政府は密約の存在を否定したが、2000年以降、米側の公文書や元外務省幹部の証言で、相次いで確認された。西山さんは密約文書の開示を求めて09年に訴訟を起こしたが、最高裁で非開示が確定した。

一連の事件をテーマにした作家の故・山崎豊子さんの小説「運命の人」のモデルにもなった。

北海道で地震 根室、標津で震度5弱 津波の心配なし

25日午後10時27分ごろ、北海道根室市などで震度5弱を観測する地震が発生した。気象庁によると、震源地は釧路沖で、震源の深さは約63キロ。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.0と推定されている。津波の心配はないという。

主な各地の震度は次の通り。

震度5弱=北海道根室市、標津町▽震度4=釧路市、大樹町、釧路町、厚岸町、浜中町、標茶町、弟子屈町、鶴居村、白糠町、別海町、中標津町、羅臼町

北海道・根室市と標津町で震度5弱を観測

全国で新たに1万2399人感染確認 死者は62人 新型コロナ

厚生労働省は26日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で1万2399人確認されたと発表した。前週の日曜日より約1800人減少した。死者は62人だった。

主な都道府県の新規感染者数は、北海道394人▽東京都810人▽愛知県594人▽大阪府718人▽福岡県500人――など。

<新型コロナ・26日>東京都で新たに810人が感染、30代男性含む8人死亡

東京都は26日、新型コロナウイルスの新たな感染者810人と30代男性を含む死者8人を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、26日時点で949.6人で、前の週に比べて68.1%。

<新型コロナ・26日>東京都で新たに810人が感染

【1年前の今日の出来事】 2022年2月26日