岸田首相、寺田総務相を更迭へ 党内でも辞任論強まり
岸田文雄首相は20日、寺田稔総務相(64)=自民党岸田派、衆院広島5区=の「政治とカネ」を巡る問題を受け、寺田氏を更迭する意向を固めた。与党幹部が明らかにした。寺田氏の後援会の収支報告書の記載漏れなどが相次いで判明し、与党内でも、21日から始まる2022年度第2次補正予算案などの審議への悪影響を懸念する声が強まり、首相も寺田氏の交代を決断した。早ければ21日にも寺田氏の後任を決める方針だ。
岸田政権の不祥事などでの閣僚の辞任は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が次々に判明した10月24日の山際大志郎前経済再生担当相=麻生派=と、死刑制度を巡る失言による11月11日の葉梨康弘前法相=岸田派=の更迭に続き3人目。1カ月足らずで3人の閣僚が交代する異常事態となり、政権は大きなダメージを負った。
寺田氏は財務省出身で当選6回。自民党岸田派(宏池会)を創設した池田勇人元首相を義理の祖父に持つ。
内閣支持率31%に 「寺田氏辞任を」70% 毎日新聞世論調査
毎日新聞は19、20の両日、全国世論調査を実施した。政治資金を巡る問題が相次ぎ判明し、辞任を求める意見が出ている寺田稔総務相について尋ねたところ、「辞任すべきだ」との回答が70%に達し、「辞任する必要はない」の12%を大きく上回った。死刑を巡る失言で葉梨康弘前法相が辞任したことについては、「辞任は当然だ」が70%で、「辞任する必要はなかった」は19%だった。
岸田内閣の支持率は31%で、10月22、23日の前回調査の27%から4ポイント増加した。不支持率は62%(前回65%)だった。岸田首相にいつまで首相を続けてほしいかとの問いでは、「早く辞めてほしい」が43%で最も多く、「再来年9月の自民党総裁任期まで」は31%、「できるだけ長く続けてほしい」は14%、「わからない」は12%だった。
COP27閉幕 途上国支援の「損失と被害」基金設立で合意
エジプト・シャルムエルシェイクで開催されていた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は20日、気候変動に伴う被害を受けた途上国支援のための基金を設立することに合意し、閉幕した。地球温暖化の被害支援に特化した国際的な基金の設立は初。
また、2021年のCOP26での合意を踏襲し、石炭火力発電の「段階的削減」などを盛り込んだ「シャルムエルシェイク実施計画」を採択した。
気候変動の悪影響に伴って生じた被害は「損失と被害(ロス&ダメージ)」と呼ばれる。防災分野など被害防止・軽減策に対する基金はあったが、既に発生した被害の補償に特化した仕組みはなく、海面上昇などの影響を受ける島しょ国などが30年以上前から支援を求めてきた。COP27では、議長国エジプトが損失と被害を主要議題に掲げ、同条約の会議では初めて、被害への資金支援のあり方が正式議題になった。
【詳細記事】COP27閉幕 途上国支援の「損失と被害」基金設立で合意
ウクライナ警察「民間人の991遺体確認」 東・南部の奪還地域
ウクライナ国家警察は19日までに、南部ヘルソン、ミコライウ両州、東部ドネツク、ハリコフ両州のロシア軍から奪還した地域で、民間人991人の遺体が見つかり、3559件の戦争犯罪の証拠を収集したと明らかにした。地元メディアが伝えた。
一方、国連ウクライナ人権監視団のボグナー団長は15日、ロシアとウクライナの双方が捕虜に拷問していたとする調査結果を発表。戦場での国際法違反の実態が徐々に明るみに出てきている。
「1杯1000円なんて」 ボージョレ解禁、輸送費高騰でため息
フランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」が解禁された11月第3木曜の17日午前0時。名古屋市千種区で開店7周年を迎えたワインバー「ワイン凜(りん)」のオーナー、鳥本佳代さん(49)は集まった客たちと乾杯した後、ため息をついた。「1杯1000円のボージョレなんて」
2022年のボージョレ商戦は、航空輸送費の高騰に加えて円安の荒波を受けた。ロシアのウクライナ侵攻後、航空機はロシア上空を避けて飛行するため輸送費がかさむ。同店が取引するサッポロビールによると、750ミリリットル瓶の価格は昨年の約1.5倍に跳ね上がったという。
がん治療前に卵巣を凍結保存 治療後に再移植した3人が出産
がん患者の女性から卵巣を取り出した後、急速に冷凍して保存し、治療が一段落したら再び移植する不妊治療で30~40代の3人が出産していたことが、分かった。聖マリアンナ医大(川崎市)が手法を開発し臨床研究を進めていた。
国内ではこの手法で、若くして月経がなくなった早発卵巣不全の女性が出産した例があるが、がん治療を受けた患者の出産が明らかになるのは初めて。
がん患者が治療前に生殖能力を温存するための選択肢が広がり、特に月経が始まっておらず卵子を採取するのが難しい小児がん患者の重要な手段になると期待される。
藤井聡太王将 将棋日本シリーズで最年少で初優勝
将棋の第43回将棋日本シリーズJTプロ公式戦(JT協賛)の決勝が20日、千葉市で指され、藤井聡太王将(20)が斎藤慎太郎八段(29)に114手で勝ち、初優勝を果たした。20歳4カ月での優勝は、羽生善治九段(52)の21歳2カ月を更新する日本シリーズ最年少記録。
日本シリーズはタイトル保持者と前年度の獲得賞金ランキング上位者の計12人で争う棋戦。藤井王将は2019年から4年連続の出場。21年は初めて決勝に進出したが、連覇を目指した豊島将之九段(32)に敗れ、準優勝に終わった。
新型コロナ感染者、新たに7万7722人 前週から約8700人増
厚生労働省は20日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに7万7722人確認されたと発表した。1週間前の日曜日から約8700人増加した。東京都は7777人、大阪府は3764人だった。
【1年前の今日の出来事】 2021年11月20日