プーチン氏、対独戦勝記念式で演説 侵攻を正当化
ロシアのプーチン大統領は9日、第二次世界大戦の対独戦勝記念式典で演説し、2月に始めたウクライナでの「特別軍事作戦」で戦っている兵士について「ナチスが復活しないように、祖国の未来のために戦っている」と称賛した。また米欧がウクライナに最新兵器を提供していると非難。「避けられない、唯一正しい選択肢として特別軍事作戦を始めざるを得なかった」と主張した。
式典は首都モスクワ中心部「赤の広場」で9日午前10時(日本時間午後4時)ごろ、始まった。プーチン氏は、米欧に対して「合理的で互いに歩み寄れるような安全保障体制を提案したが、全ては無駄だった」と語った。米国と北大西洋条約機構(NATO)に対し、ウクライナを含む旧ソ連圏へのNATO不拡大などを盛り込んだ条約案と協定案を送り、拒否されたことを指しているとみられる。
演説の最後では「祖国への忠誠心がロシアの独立の柱である」と述べ、ウクライナへの「軍事作戦」を正当化した。演説後、ロシア軍がパレードを実施した。
米大統領夫人、ウクライナ訪問 ゼレンスキー夫人と会談
ジル・バイデン米大統領夫人は8日、ウクライナ西部ウジホロドを予告なしに訪れ、ゼレンスキー大統領のオレナ夫人と会談した。米ホワイトハウスが明らかにした。ジル夫人は「米市民がウクライナ市民を支持していることを示したかった」と述べ、両国の連帯を強調した。
ジル氏は5~9日の日程でルーマニアとスロバキアを歴訪。スロバキアから陸路、車列を連ねてウジホロド入りした。米当局者によると、2月24日のロシア軍のウクライナ侵攻開始後、オレナ氏が公の場に姿を現したのは初めてという。
オレナ氏は「空襲警報が日々鳴り響く場所に米大統領夫人が訪れることがどれほどのものか理解している。非常に勇気ある行動に感謝したい」と歓迎した。
ロシア産原油禁輸 首相「時間かけて段階的廃止」 LNGは権益維持
岸田文雄首相は9日午前、主要7カ国(G7)首脳会議で表明したロシア産原油の原則禁輸に関して、「輸入の削減、停止の時期などについては今後、実態を踏まえて検討していく。時間をかけてフェーズアウト(段階的廃止)のステップをとっていく」と述べた。首相官邸で記者団に語った。
首相は、日本政府や国内商社が参画するロシアの原油・液化天然ガス(LNG)プロジェクト「サハリン1」と「2」については、「エネルギーの長期かつ安価な安定供給に貢献していることを踏まえて、国民生活や事業活動への悪影響を最小化する」と指摘。「権益を維持する方針は変わっていない」と説明した。首相は、今回の対応はG7の共同声明を踏まえ「国際社会の結束」を重視した結果だと強調。
全国で新たに2万8510人感染 前週より9000人増 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染者は9日、全国で新たに2万8510人確認された。同じ月曜で比べるとゴールデンウイーク中だった前週からは約9000人増え、2万~3万人台で推移していた3月上旬から4月下旬の感染者数とほぼ同水準になった。死者は33人、重症者は前日比4人増の163人だった。
新規感染者は東京都3011人(前週比約600人増)▽福岡県1919人(同770人増)▽神奈川県1662人(同70人増)――など。
東京で新たに3011人感染 3日連続で前週上回る 新型コロナ
東京都は9日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに3011人確認されたと発表した。前週の月曜日(2403人)から約600人増え、3日連続で前週の同じ曜日を上回った。新たな死者は確認されなかった。
GW旅客、昨年比2.45倍 新型コロナ前の7.5割―JR各社
JR旅客6社は9日、ゴールデンウイーク(GW)期間(4月28日~5月8日)の新幹線と在来線の利用実績を発表した。新幹線を含む特急・急行列車の乗客(主要46区間)は、前年比約2.45倍の約907万5000人に上ったが、新型コロナウイルス感染拡大前だった2018年との比較では約7.5割にとどまった。
前年を大きく上回った要因は、感染拡大以降初めて緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの行動制限なしに迎えたGWだったことや、最大10連休となる曜日配列の良さとみられる。
【1年前の今日の出来事】 2021年5月9日