2022年3月28日 今日の出来事

ロシアは「朝鮮半島化」画策 ウクライナ情報機関が指摘

ウクライナ国防省の情報部門は27日、ロシアのプーチン大統領がロシア軍の支配するウクライナの東部と南部をウクライナ本国から切り離し、南北に国家が分かれた朝鮮半島のような分断を画策していると指摘した。SNS(交流サイト)に声明を投稿した。

侵攻開始から1カ月がたちロシア軍は、戦力をウクライナ東部に集中する構えを示している。ウクライナの情報部門責任者は「キエフ制圧やウクライナ政府転覆が失敗に終わったことで、プーチン氏は主要な作戦目標を南部と東部に変更した」と分析した。

同責任者は、ロシアが2014年に一方的に併合した南部のクリミア半島と親ロシア派武装勢力が実効支配する東部2州を連結し、残るウクライナ側の地域との間で「境界線を引こうとしている」と指摘。「ウクライナ国土に、北朝鮮と韓国をつくる試みだ」と警戒した。

ウクライナの戦況(3月26日時点)

「拉致の市長数人、遺体で発見」ウクライナ大統領、英誌に

英エコノミスト誌は27日、ウクライナのゼレンスキー大統領の話として、ロシア軍に拉致されたとみられるウクライナの複数の市長のうち、すでに数人が殺害されたとの見方を伝えた。ウクライナの地元メディアも28日、同誌の報道を引用しながら伝えた。

同誌によると、ゼレンスキー氏はインタビューで、「ロシア軍は我々の都市の市長らを拉致し、そのうちの何人かを殺害した。数人を遺体で発見した」と述べたという。ウクライナ政府は25日、ロシア軍の侵攻後、これまでに国内各地の市長ら14人が拘束され、人質にとられていると発表していた。

チェルノブイリ原発周辺の森林1万ha以上焼損か ウクライナ側発表

ウクライナ議会の人権オンブズマン、リュドミラ・デニソワ氏は27日、ロシア側の敵対行為により、チェルノブイリ原発周辺の立ち入り禁止区域で31件の森林火災が起き、焼損面積が1万ヘクタール以上にのぼると発表した。周辺で「放射性大気汚染のレベルが上昇している」と警告している。

ウクライナ議会は21日の時点で、「おそらくロシアの砲撃か放火」により、7カ所で火災が起きていると発表していた。デニソワ氏のSNSによると、火災は周辺の使用済み核燃料などの貯蔵施設に達する可能性もあるという。

米アカデミー賞国際長編映画賞 「ドライブ・マイ・カー」受賞

米映画界最高の栄誉である第94回アカデミー賞(映画芸術科学アカデミー主催)の授賞式が27日(日本時間28日)、西部ハリウッドで開かれ、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞(旧外国語映画賞)を受賞した。日本映画の同賞受賞は2009年の「おくりびと」(滝田洋二郎監督)以来13年ぶり。

「ドライブ・マイ・カー」国際長編映画賞を受賞。トロフィーを受け取った濱口竜介監督

円急落125円台、6年7カ月ぶり 日銀指し値オペで円売り加速

28日の外国為替市場で円相場が急落し、一時1ドル=125円台を付けた。125円台は2015年8月以来、約6年7カ月ぶり。

長期金利が、日銀が上限とする0.250%に上昇したことを受け、日銀が金利を抑え込む「指し値オペ」を実施し、今後も数日間続けることを発表。利上げを進める米国との間で金利差の拡大が意識され、運用に有利なドルを買って円を売る動きが広がった。

マイナ保険証で初診21円増 4月から患者負担、反発の声も

マイナンバーカードと健康保険証の機能を併せ持つ「マイナ保険証」を4月から病院などで使った場合、患者が窓口で支払う医療費が増える。3割負担の人は初診時に21円、再診時に12円上乗せされる。マイナ保険証は政府が昨秋に本格導入したものの普及が遅れており、取り組みを促すために対応病院の診療報酬を引き上げるからだ。唐突な患者へのしわ寄せに反発の声も上がっている。

マイナ保険証は政府のカード普及策の一つで、患者の健康情報を治療に生かす「データヘルス」の基盤に位置付ける。医療機関で機械に読み取らせれば本人確認ができ、薬の処方歴や特定健診の結果を見て治療に生かせる。

「天から地に落ちた」維新完敗、大阪府外の壁厚く 兵庫・西宮市長選

任期満了に伴う兵庫県西宮市長選は27日投開票され、無所属現職の石井登志郎氏(50)が、日本維新の会公認で元県議の増山誠氏(43)▽無所属で元県議の吉岡政和氏(47)――の2新人を破り、再選を果たした。維新は大阪府外への党勢拡大に向け、府外初の公認首長誕生を目指したが、及ばなかった。投票率は41.28%(前回37.52%)。

昨秋の衆院選の余勢を駆って、大阪に近い阪神地域の首長選で弾みを付けるシナリオを描いていただけに、今夏の参院選や来春の統一地方選に向け、地方組織の立て直しを迫られそうだ。再選を決めた現職の石井氏は「市民派」を前面に出し、政党推薦を求めなかったが、維新を警戒する自民や立憲民主などから幅広く支援を受けた。

全国で2万9881人感染 前週から2200人増 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染者は28日、全国で新たに2万9881人確認された。前週月曜日(21日)に比べ、約2200人増えた。重症者は前日より3人少ない691人。死者は64人だった。

東京で新たに4544人感染 前週比689人増 新型コロナ
東京都は28日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに4544人確認されたと発表した。前週月曜の21日(3855人)から689人増えた。新たな死者は確認されなかった。

福岡県で新たに1504人感染 4日連続で前週上回る 新型コロナ
福岡県は28日、新型コロナウイルスの新規感染者が1504人確認されたと発表した。4日連続で前週の同一曜日を上回った。

黒川紀章の代表作、銀座「カプセルビル」を来月解体…一部は美術館へ

建築家・黒川紀章(1934~2007年)の代表作で、ブロックを積んだようなユニークな外観で世界的に知られる、東京都中央区の「中銀カプセルタワービル」の解体が正式に決まり、4月12日から工事が始まることが分かった。黒川らが提唱した日本発の建築運動「メタボリズム」を象徴する名建築が姿を消す。

同ビルは1972年完成の分譲マンションで、計140個の住居用カプセルを取り外し交換できる設計。奇抜な外観と宇宙船内を思わせる内装で人気を集め、数多くの映画やドラマ、ミュージックビデオ、雑誌グラビアなどで使われた。コロナ禍以前は、多くの外国人観光客も訪れていた。

ただ、カプセルが交換されたことは一度もなく老朽化が進み、2000年代から所有者の間で解体・建て替えを求める議論が活発化していた。

「中銀カプセルタワービル」2022年に取り壊しへ

60代6500人に聞く「老後資金は十分?」のリアル

人生100年時代は「長い老後」をどう過ごすかが大きなテーマだ。老後資金は大丈夫か、生活は満足できるか、地方に移住したほうがいいか――。引退世代の入り口にあたる60代6500人を対象とする大規模調査からそのリアルな姿が浮き彫りになる。調査はフィンウェル研究所が2022年1~2月、6486人に行った。

今回は3回目で、地方移住の動向をみるため、3大都市(東京、大阪、名古屋)▽人口100万人以上の都市(札幌、仙台、さいたま、横浜、京都、神戸、広島、福岡)▽同30万人以上の都市(秋田、宇都宮、千葉、金沢、熊本など23市)――の3区分で対象人数をほぼ同数にした。

調査によると、世帯保有の金融資産は平均2696万円。資産ゼロ17%▽500万円未満19%▽501万~1000万円11%▽1001万~5000万円34%▽5000万円以上19%――とばらつきは大きかった。

一方、世帯の年間生活費は平均370万円弱。400万円以下に66%、600万円以下には89%が収まり、ばらつきは小さい。

保有資産で寿命までの生活をカバーできるかという「資産寿命」については、十分足りる18%▽ぎりぎり足りる52%――を合わせて7割。逆に「まったく足りない」は3割だった。資産のばらつきが大きく、生活費のばらつきが小さいなら、本来、資産寿命のばらつきは大きいはずだが、自己評価はそうではない…

【1年前の今日の出来事】 2021年3月28日