北京冬季オリンピックが開幕 新型コロナ・人権問題、分断のなか
中国が成功に国家の威信を懸ける第24回冬季オリンピック北京大会が4日夜、北京市の国家体育場(通称「鳥の巣」)で開幕した。91の国・地域から約2900人の選手が参加。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むため、徹底した対策が実施される厳戒下の五輪になる。新疆ウイグル自治区の人権問題を理由に米国などが「外交的ボイコット」に踏み切り、国家間の緊張感も高まる。多くの課題を抱えながら、17日間にわたる異例の祭典が始まった。北京では2008年に夏季五輪が開催され、同一都市で夏と冬の五輪が開催されるのは初めて。
「人権なくして五輪なし」「自由なくして競技なし」 世界で抗議デモ
北京冬季オリンピックの開会式を控えた3日から4日にかけて、チベットや新疆ウイグル自治区に住む少数民族に対する中国政府の人権弾圧を問題視し、五輪開催に抗議する集会が英国や米国、オーストラリア、インド、トルコなど世界各地で相次いだ。また、スイス西部ローザンヌの国際オリンピック委員会(IOC)本部周辺では3日、少なくとも欧州8カ国からチベット人ら約500人が参加し、「人権なくして五輪なし」などと声を上げて行進した。
岸田首相「日米の絆象徴」 エマニュエル新駐日大使と会談
岸田文雄首相は4日午前、米国のエマニュエル新駐日大使と首相官邸で会談した。首相は「バイデン大統領の信任の厚い大使を迎えられたのは、日米同盟の絆の強さの象徴だと受け止めている。活躍を期待しています」と着任を歓迎。エマニュエル氏の尽力により1月21日に日米首脳電話協議が実現したとして、謝意を伝えた。
エマニュエル氏は、地元のイリノイ州シカゴを本拠とする米大リーグ・カブスとホワイトソックスのユニホームを首相に贈った。首相の名字と、第100代首相にちなんだ背番号「100」の刺しゅう入り。エマニュエル氏は会談後、記者団に「(首相の)温かさとエネルギーに心を打たれた。日米同盟の理想を実現するため、首相と一緒に汗を流したい」と語った。
全国で新たに9万8373人感染 12府県で最多更新 103人死亡
新型コロナウイルスの感染者は4日、全国で新たに9万8373人確認された。12府県で最多を更新した。死者は103人で、100人を超えるのは2021年6月3日以来。1日当たりの新規感染確認者数が過去最多を更新したのは青森、岩手、茨城、千葉、神奈川、富山、静岡、愛知、滋賀、奈良、大分、京都の12府県。東京都では1万9798人の感染が確認された。
19都府県で病床使用率50%以上 自宅療養者は43万4890人
新型コロナウイルス患者向けの病床使用率(2日午前0時時点)が、19都府県で50%以上になった。一方、重症病床の使用率が50%以上となったのは沖縄県(62%)のみだった。厚生労働省が4日、発表した。全国の自宅療養者は43万4890人で、過去最多を更新。前週の26万3992人(1月26日時点)から約17万人増えた。
21年農産品輸出、初の1兆円超え ホタテ、牛肉など需要増
2021年の農林水産物・食品の輸出額(少額貨物含む)は前年より25.6%多い1兆2385億円で、政府が当面の目標とする年間1兆円の大台に乗せた。農林水産省が4日発表した。増加は9年連続。コロナ禍でも品質の良さが評価され、多くの品目で需要が伸びた。一方、輸入額も値上がりの影響で大きく増え、初めて10兆円を超えた。輸出先の国・地域別では中国(2224億円)、香港(2190億円)、米国(1683億円)、台湾(1245億円)の順。中国は初の首位となった。
米軍、IS最高指導者を殺害 シリアで対テロ「急襲作戦」
バイデン米大統領は3日、米軍がシリア北西部で対テロ急襲作戦を実施し、過激派組織「イスラム国」(IS)最高指導者アブイブラヒム・ハシミ氏を殺害したと発表した。米軍側に死者は出なかった。バイデン氏は国民向け演説で「(ハシミ氏は)米軍兵士が接近すると、臆病さから自暴自棄になり、家族を巻き添えに自爆した」と指摘。「この作戦はテロリストがどこに隠れようと米国の手からは逃れられないことを証明した」と強調した。
【1年前の今日の出来事】 2021年2月4日