2021年5月20日

モデルナ・アストラゼネカワクチン、特例承認へ 厚労省部会了承
米英2社の新型コロナウイルスワクチンについて、薬事承認の可否を審議する厚生労働省薬事・食品衛生審議会の専門部会は20日、緊急時などの条件の下で通常よりも手続きを簡略化できる「特例承認」による承認を了承した。田村憲久厚労相が21日に正式に承認する見通しで、国内承認の新型コロナワクチンは米ファイザー社製を含めて計3製品になる。

了承されたのは、米バイオ企業モデルナ社製と、英製薬大手アストラゼネカ社製のワクチン。海外ではいずれも18歳以上が対象で、4週間空けて2回接種する。モデルナ製は、防衛省が運営する東京と大阪の大規模接種センターなどで使われる予定。一方、アストラゼネカ製は年齢制限を設けるなどの検討をするため、当面の使用を見送る。

コロナ抗体、1年後も感染者の97%保有 横浜市立大が解析
横浜市立大の研究チームは20日、新型コロナウイルス感染症から回復した人の97%が、感染から1年経過しても、従来株を無力化する抗体を保有していたとする解析結果を発表した。ただ、軽症や無症状者は保有率が下がり、変異株に有効な抗体を持つ人の割合も従来株より少なかった。同大の山中竹春教授(臨床統計学)は「1年後に感染を防ぐ量の抗体があったとしても、全体量としては減少している。ワクチンの接種でも同様の状況と推定され、1年程度で再接種することが望ましいのではないか」と話している。

沖縄への緊急事態、23日~6月20日 政府、追加方針固める
政府は20日、新型コロナウイルス対策の関係閣僚会合を開き、緊急事態宣言を沖縄県にも発令する方針を固めた。21日に専門家らで構成する基本的対処方針分科会に諮問し、政府対策本部で正式決定する。発令期間は23日から6月20日までとする。これに伴い、宣言対象地域は10都道府県に拡大する。先行する9都道府県の期限は31日までで、政府がこれらの宣言を延長するかどうかが焦点となる。

一方、沖縄と同様に宣言発令を要請していた岐阜県への発令は見送る方針。また、愛媛県に5月31日までの予定で適用していた「まん延防止等重点措置」を22日までで解除する。

中山防衛副大臣、国会審議に遅刻で流会「心よりおわび」
中山泰秀防衛副大臣が20日午前の参院外交防衛委員会に遅刻した。このため、午前10時から予定していた質疑が取りやめになった。この日は、イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザ地区の武装勢力との軍事衝突をめぐり、中山氏が「私達の心はイスラエルと共にあります」とツイートしたことを野党が質問予定だった。

質疑では、最初に質問予定だった自民党が質問時間を返上したため、立憲民主党の白真勲氏が繰り上げで質問することになった。白氏は中山氏のツイートなどについて質問するため、同氏に出席を求めていた。しかし、予定の10時になっても中山氏が現れず委員会の取りやめが決まった。

中山氏は12日、ツイッターに「イスラエルにはテロリストから自国を守る権利があります」「私たちの心はイスラエルと共にあります」などと書き込み、一時炎上状態になった。その後、中山氏は投稿を削除した。

米艦、西沙で「航行の自由作戦」 中国は不法侵入と反発
米海軍第7艦隊は20日、ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」が南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近を同日通航し、中国の過剰な海洋権益主張を否定する「航行の自由作戦」を実施したと発表した。中国軍南部戦区は20日の報道官談話で「中国の領海に不法侵入した。断固反対する」と反発した。

ビットコイン急落 一時1か月前の最高値の半値に 他の仮想通貨も
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が19日の取引で急落した。調査会社コインデスクによると、一時、1ビットコイン=3万0201.96ドル(約330万円)となり、4月14日に付けた最高値の6万4000ドル超の半値以下に落ち込んだ。中国で金融機関に仮想通貨の関連業務を禁じる通知が出されたことが引き金となった。イーサリアムなど他の仮想通貨も軒並み急落した。ビットコインは午前10時すぎの急落以降は買い戻す動きも出て、一時4万ドル台まで戻すなど、荒い値動きが続いた。

IE、2022年6月でサポート終了へ 米マイクロソフトが発表
米マイクロソフト社は19日、ウェブブラウザーの「Internet Explorer(IE)11」のデスクトップアプリケーションのサポートを2022年6月15日で終了すると発表した。これにより、1995年に誕生したWindows95に搭載されたIEが歴史に幕を閉じることになる。同社のウェブブラウザー「Microsoft Edge」がIEの後継になる。同社は、IEを利用する法人に対してはMicrosoft Edgeに内蔵されている「IEモード」を使用すれば、IEベースで構築された組織内のウェブサイトやアプリを利用できるとしている。

ユニクロのシャツ、米が輸入差し止め 新疆綿の使用疑い
ファーストリテイリングが展開する衣料品チェーン大手「ユニクロ」の綿製シャツが、中国・新疆ウイグル自治区の強制労働をめぐる米政府の輸入禁止措置に違反したとして、米税関・国境警備局(CBP)が今年1月、ロサンゼルス港で輸入を差し止めていたことが19日、明らかになった。CBPの10日付の文書やロイター通信によると、ユニクロが米国に輸入しようとした綿シャツの原料に、中国共産党の傘下組織で、綿花の主要生産団体である「新疆生産建設兵団(XPCC)」が関わった綿が使われている疑いがあるという。米政府はXPCCが生産に関わる綿製品の輸入を禁止している。

IHIと丸紅など3社、豪アンモニア事業で覚書 事業性検討
IHIと丸紅、オーストラリアのエネルギー大手ウッドサイドエナジーは20日、豪タスマニア州でアンモニアの製造・輸出の事業性を検討する覚書を結んだと発表した。脱炭素に向け、再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニアに期待が高まっており、日豪間のサプライチェーン構築を目指す。

ハッカーに身代金4.8億円 米パイプライン会社支払う
米石油パイプラインがランサムウェア(身代金ウイルス)攻撃を受けて操業を停止した問題で、ハッカーへ身代金440万ドル(約4.8億円)を支払ったことを運営会社コロニアルパイプラインの経営トップが認めた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が19日報じた。コロニアルはハッカー集団「ダークサイド」の攻撃を受け、7日に操業を停止した。