21年度予算 参院本会議で可決、成立 過去最大106兆円
一般会計の総額が過去最大の106兆6097億円となる2021年度予算が26日、参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の各党は、「コロナ対策が極めて手薄である一方、カットすべき従来型の予算が膨張している」(立憲)などとして反対した。緊急事態宣言下で始まった今国会の審議は、新型コロナウイルス対策と並び、総務省幹部の接待問題が焦点になった。後半国会でも野党は引き続き追及する方針だ。
政府、1人7000円の観光支援 GoTo再開は当面困難
自治体が独自に実施する宿泊割引などの観光促進策について、国土交通省は4月以降、1人最大7000円分を財政支援すると26日発表した。当面は5月末の宿泊分までで、予算規模3000億円を見込む。
1人1泊最大5000円(代金の50%)を補助。地域共通クーポンなど飲食・土産物店への支援策には追加で最大2000円を支出する。対象は、政府の分科会の指標でステージ2(感染漸増)以下の都道府県。国の支援は自治体への財政補助のみで、具体的な支援策は自治体に任せる。独自の支援策を現在実施している自治体は27ある。
一方、国の観光支援策「GoToトラベル」再開について、赤羽一嘉国土交通相は閣議後会見で「全国規模での移動を前提とするGoTo事業の再開は当面難しい」と述べた。
歌会始、2か月遅れで開催 両陛下、コロナ収束を祈る
皇室の恒例行事「歌会始の儀」が26日、皇居・宮殿「松の間」で開かれた。1月に予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2か月余り遅れての開催となった。天皇、皇后両陛下はコロナ禍の収束を願う気持ちを歌に込めた。今年のお題は「実」。両陛下や皇族方に加え、国内外から寄せられた1万3657首から選ばれた入選者10人、選者らの歌が独特の節回しで披露された。
国民民主、尖閣対処で海保支援の自衛隊法改正案
国民民主党は26日の政調全体会議で、自衛隊の「本来任務」に海上保安庁や都道府県警察に対する物品・役務の提供と、平時から行う情報収集・警戒監視活動を加える自衛隊法改正案の骨子をまとめた。与党や立憲民主党、日本維新の会に賛同を求め、議員立法での共同提出を目指す。中国海警局の武器使用権限を明確化した「海警法」施行を踏まえたもの。国民民主は沖縄県・尖閣諸島の警備を念頭に、海保が施政権維持に主たる役割を担うことを明記する海上保安庁法改正も検討を進める。
日米、尖閣に安保適用明記へ 首脳会談で共同文書作成方針固める
日米両政府は、4月上旬に予定する日米首脳会談で共同文書を作成する方針を固めた。東・南シナ海で影響力を強める中国を念頭に、沖縄県・尖閣諸島が米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だと明記する方向で最終調整している。政府関係者が26日、明らかにした。共同文書には、レアアースや医薬品の安定的なサプライチェーン構築を含む経済安全保障分野の連携強化も盛り込むことも検討している。
インド、要衝の島に日本の援助受け入れへ 中国を警戒
インド洋の戦略的要衝とされるインド領のアンダマン・ニコバル諸島に、外国の開発援助として初めて日本が参画することが決まった。これまでインド政府は外国人の同諸島への入域を一部地域に制限し、外国による支援も認めてこなかった。インド洋に軍事基地や商業拠点を建設する中国の「真珠の首飾り」構想に警戒を強めているためだ。
インド政府は同諸島で、太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電比率を100%にすることをめざしている。日本政府は発電所の蓄電池や関連設備を整備し、非常時のバックアップ電源として電力供給の安定化を支える。総事業費は約40億円で、国際協力機構(JICA)が無償資金協力をする。今年3月から2年間かけて整備する予定だ。
富士山噴火なら溶岩どこまで 想定マップ改定、量は倍に
山梨、静岡、神奈川の3県などでつくる富士山火山防災対策協議会は26日、富士山の噴火を想定したハザードマップの改定版を公表した。大規模噴火で流れ出す溶岩の想定が従来の7億立方メートルから約2倍の13億立方メートルに増加。溶岩流が到達する可能性がある範囲には、新たに相模原市(緑区)や静岡市(清水区)、山梨県大月市など3県の7市5町が加わった。
「30年内に震度6弱以上」確率が東北上昇、太平洋沿い高く 地震動予測地図
政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大名誉教授)は26日、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」の令和2年版を公表した。平成23年の東日本大震災の余震活動を新たに考慮した結果、東北地方の太平洋沿いで確率が上昇。南海トラフ巨大地震などが懸念される太平洋側地域の多くで前回30年版に引き続き高い確率となった。
東北新社子会社5月1日で認定取り消し 「ザ・シネマ4K」対象
武田良太総務相は26日の閣議後記者会見で、放送事業会社「東北新社」子会社の「東北新社メディアサービス」の衛星放送事業の認定を、5月1日付で取り消すと発表した。取り消しの対象はBSチャンネル「ザ・シネマ4K」で、同日から番組の放送ができなくなる。放送法で定められた外資規制に違反していたため。一方、東北新社が違法状態の解消を目的に子会社へ事業を承継した際の経緯をめぐり、同社と総務省の説明は食い違っており、第三者の検証委員会が実態解明を目指す。
スエズ運河ふさいだ座礁船 「27日夜の離礁めざす」
エジプトのスエズ運河で起きた大型コンテナ船の座礁事故で、船を所有する正栄汽船(愛媛県今治市)は26日、「日本時間27日夜の離礁」を目指して作業を続けていることを明らかにした。ただ、離礁後も船のえい航や航行に手間取る恐れがあり、全面的な運航正常化にはさらに時間を要する恐れがある。当局は運河の通航を一時中断して再開を急いでいる。