旧統一教会「国側証拠に捏造も」、阿部文科相「公表は不適切」 解散命令請求審理巡り応酬
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する文部科学省の解散命令請求に関する東京地裁の非公開審理を巡り、教団側が「文科省側が証拠として提出した信者や元信者からの聞き書き陳述書に捏造がある」と主張している。阿部俊子文科相は「非公開審理の証拠の内容を公表するのは不適切」と反発している。
教団は19日、「文部科学省による虚偽証拠捏造行為」と題した代理人弁護士の報告書を公表した。報告書などによると、文科省が東京地裁に提出した信者や元信者261人の陳述書は、多くは文科省職員が聞き書きで作成した。
審理の過程で元信者2人を証人尋問したところ、本人の認識にないことも陳述書に書かれ、よく確認しないで署名捺印していたことが分かったとしている。
ある現役信者は、文科省の担当者から意図を告げられずに体験談を聞き出され、陳述書にされたという。陳述書は「(教団に)解散してもらいたいと願うばかりです」と結ばれているが、そのような発言はしておらず、被害者という自覚はないとして、陳述書の訂正を求めている。
ほかの陳述書では、教団では旧約聖書に出てくる最初の女性を「エバ」と呼んでいるのに「イブ」と書かれていたり、教会長などの牧会者を「神父」とカトリック用語で呼んだりするなど、信者や元信者ではあり得ないミスがあり、文科省担当者の作文だと主張している。
教団に在籍記録がなく、ほかの宗教団体にお布施をした人の陳述書も含まれているという。
これに対し、阿部文科相は21日の記者会見で、「解散命令請求は適切に行った」とした上で「裁判に提出した証拠の内容を明らかにするかのような書面を公表したことは、審理を非公開とする趣旨に反しており、適切ではないとの認識を裁判所に伝えた」と述べ、陳述書の正確性には言及しなかった。
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