ロシア国営テレビの放送中、突然スタッフが乱入し「戦争反対」を叫ぶ。
ロシア政府系TVの生放送で突然「戦争反対」 ディレクターを拘束(毎日新聞 2022/3/15 07:19 最終更新 3/15 12:34)、他
ウクライナに侵攻を続けるロシアの政府系テレビ局「第1チャンネル」のニュース番組で14日、反戦を訴えるプラカードを持った女性ディレクターが画面に映り込み、その後警察に拘束された。ロシアメディアが伝えた。プラカードには「プロパガンダを信じないで」と書いてあり、その時の映像や画像がソーシャルメディアを通じて広まっている。
A woman burst onto Russia’s main live evening newscast today with a sign that says:
— max seddon (@maxseddon) March 14, 2022
“Stop the war
Don’t believe propaganda
They’re lying to you”
And chanting: “Stop the war! No to war!”pic.twitter.com/pKVKZFVEM3
報道によると、女性はマリーナ・オフシャニコワさん。映像では、ニュースを読むキャスターの後ろに「NO WAR」(戦争反対)と書いたプラカードを持ったオフシャニコワさんが突然登場。ロシア語で「ここであなたはだまされている」と、番組内容を信じないよう訴えるメッセージも書いてあった。
オフシャニコワさんはインターネット上にビデオ声明も発表。父がウクライナ人、母がロシア人であることを明かし「今ウクライナで起きていることは犯罪だ。ロシアは侵略国であり、侵略の責任は1人の人物、ウラジーミル・プーチン(露大統領)の良心にある」と指摘。「テレビ画面でうそを話すのを許してきたのが恥ずかしい」と述べ、「兄弟殺しの汚名は今後10世代は続く」とし、ロシア国民に反戦活動を呼びかけた。
Marina Ovsyannikova, the woman who ran onto a live state TV news broadcast, even recorded a message beforehand. In it, she says her father is Ukrainian. She calls for anti-war protests, says she’s ashamed about working for Kremlin propaganda, and she denounces the war absolutely. pic.twitter.com/nOpUY9bH74
— Kevin Rothrock (@KevinRothrock) March 14, 2022
ロシアでは4日にロシア軍の活動に関する情報統制を強める法改正が成立した。タス通信によると、オフシャニコワさんはこの法改正で新たにできた軍の信用を傷つける活動の罪に問われる可能性がある。第1チャンネルは「生放送中に起きた事故について調査している」とコメントしているという。
生放送乱入の局員の反戦発言ビデオメッセージ(全文)
「プーチン氏の暴挙を止められるのはロシア人の力だけ」 生放送乱入の局員の反戦発言全文(産経新聞 2022/3/15 16:26)
ロシアの国営テレビで14日、反戦を訴えたマリーナ・オフシャンニコワさんは事前にビデオメッセージを収録していた。発言の全文は次の通り。
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今ウクライナで起きていることは犯罪だ。そしてロシアは侵略国家だ。その侵略の責任は、プーチン大統領にある。私の父はウクライナ人で、母はロシア人だ。これまで一度も敵対したことはない。(ロシアとウクライナの国旗の色があしらわれた)私の首にかかるネックレスは、ロシアが今すぐに、同胞を殺す戦争を止めねばならないという象徴だ。私たち兄弟国は、まだ和解ができるはずだ。
残念ながら、私は過去何年もの間「第1チャンネル」で働き、クレムリンのプロパガンダを広めてきた。今は、それを本当に恥ずかしいと思っている。テレビ画面を通じ、ウソを伝えることを許してきたことを恥じている。国民を、何も考えないようにすることを許してきたことを恥じている。
すべてが始まった2014年、私たちはただ黙っていた。クレムリンがナワリヌイ氏を毒殺しかけたとき、私たちは抗議集会に行かなかった。この非人間的な政権をただ黙って見ていた。
そして今、世界中が私たちに背を向けてしまった。私たちの子孫は今後10世代にわたり、この兄弟殺しの戦争の恥を洗い流すことはできないだろう。
私たちロシア人は思考力があり、賢い。私たちの力だけが、この暴挙を止めることができる。抗議集会に参加してほしい。何も問題はない。彼らは私たち全員を拘束することなどできないのだから。