岸田首相の「ワクチン1日100万回」は口だけ
岸田首相「ワクチン1日100万回」は口だけ…菅前首相をはるかにしのぐポンコツぶり(日刊ゲンダイ 公開日:2022/02/08 13:50 更新日:2022/02/09 10:03)
「1日100万回」──。3回目のワクチン接種が遅々として進まない中、岸田首相が突如ブチ上げた「目標」が波紋を広げている。菅前首相が昨年、掲げた目標と全く一緒なだけに、永田町では「パクリか」なんて声も上がる。しかし、岸田首相の目標は“ポンコツ”と揶揄された前首相と比べても甘々だ。菅氏以下のポンコツ岸田首相に、3回目ワクチンの早期接種はとても無理そうだ。
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「できる限り2月の早い時期に」
7日の衆院予算委員会で野党議員に「1日100万回接種に達するのはいつか」と問われた岸田首相は、壊れたラジオのように同じ言葉を繰り返した。
「100万回」の達成可能な時期が曖昧なうえ、いつまでに重症化リスクの高い高齢者接種を完了させるのか、その「期限」もハッキリしない。政府は今月末までに医療従事者や高齢者など対象者約3746万人の接種を目指すが、7日時点での実績はわずか約746万人。差し引くと3000万人も残っている。
仮に、8日から「1日100万回」を達成できたとしても、今月中に2100万回分しか接種は進まず、3746万人には遠く及ばないのだ。
野党に「2月中に終えられるのか」と追及されても、岸田首相は「可能な限り数を積み上げる」と曖昧な答弁に終始。2月中の目標達成が絶望的だから、ハッキリと「期限」を答えられない。突然「100万回」の目標を掲げたのも、目先を変えようとしているだけではないか。
■前任者のポンコツ以下のポンコツ
情けない話だ。ポンコツの菅前首相でさえ、昨年5月に「1日100万回」の目標を打ち出した際、同時に高齢者約3200万人への2回接種を「7月末に完了させる」と約束していた。
地方交付金の削減をチラつかせて自治体に接種を急がせたり、供給不足で現場を大混乱に陥れるなど、やり方は決して褒められたものではないが、当時の接種回数は1日最大170万回まで上昇。昨年7月末には高齢者の約8割が2回接種を終えた。岸田首相はポンコツの足元にすら、まるで及んでいないのだ。
さらに岸田首相のポンコツぶりを浮き彫りにしたのが、河野前ワクチン担当相のツイートだ。「無能」とヤリ玉に挙がる現職の堀内詔子担当相について〈いろいろ言う人がいるが……〉とフォローしつつ、岸田政権のワクチン行政にこう言及した。
〈私の時と比べてワクチンチームの人数が激減〉〈都道府県とのリエゾン(橋渡し)チームが解散させられた〉
さらに、〈それじゃ私だって仕事できないよ〉ともつぶやいた。要は、岸田政権になってからワクチン行政が後退したという指摘だ。
特に問題なのは、政府と都道府県の橋渡し役になるリエゾンチームの解散だ。7日の予算委で、昨年2月に厚労省内で発足したチームは最大52人に拡大したものの、感染状況が落ち着いた12月に解散したことが判明した。
岸田首相は常に「最悪を想定」と言う割には、危機感が薄過ぎる。この油断首相には、さすがに自民党内からも批判が上がっている。
「1月初旬に感染拡大兆候が見えた時点で、チームを再編成しなかったのは、やはり危機感が薄いからだろう。菅政権時は“ワクチン一本足打法”と批判されたが、厚労、総務など関係省庁が横断的に全国の接種状況をチェックし、毎日官邸に報告していた。そこまでやって『1日100万回』を達成できた。今さら『1日100万回』なんて遅すぎる。周囲に『目標を示せ』と言われて、慌てて出しただけだろう」(中堅議員)
岸田首相も前任者のポンコツと比較されるのが嫌なら、国民が納得する実績を出してみろ。まずは接種目標「1日200万回」だ。
小池知事 政府のコロナ対応を痛烈批判、「ズレてる」「ストレスフル」
小池知事「ズレてる」「間に合ってない」「ストレスフル」 政府のコロナ対応を痛烈批判(FNNオンライン 2022年2月8日 火曜 午後4:57)
東京都の小池知事が、新型コロナワクチンの追加接種など政府の対応の遅さに、いらだちをあらわにした。
外国特派員協会で、8日午後、オンライン形式で講演した小池知事。記者から、ワクチンの追加接種や飲み薬をめぐる政府の対応について質問されると、「モメンタムが少しズレているということが、今の感染の拡大に間に合っていないと言うことだと思いますが」「オミクロンと言うのはスピードが感染力が強い、早い、それだけにスピード感の違いが、非常に現場からしてストレスフルなところがあります」などと述べて、いらだちを露わにした。
また、小池知事は、2021年の年末に、3回目の追加接種を、できるだけ早く始めるよう政府に求めたところ、「それはいかん。みんな足並みを揃えていくんだ」などと言われたことも明らかにした。
支持率が急落した岸田内閣を叩けば、コロナ対策に失敗した小池都政に批判が向かわない
小池都知事の“岸田叩き”に「お前が言うな」のブーメラン! お得意の責任転嫁戦法が通じず(日刊ゲンダイ 公開日:2022/02/09 13:50 更新日:2022/02/09 13:50)
東京都の小池百合子知事が、岸田首相に牙をむきはじめた。8日オンライン形式で外国特派員協会で講演し、岸田政権の“コロナ対策”を痛烈に批判してみせた。
これまで政府への批判を控え、歩調を合わせてきたが、突然、“岸田叩き”を開始した格好だ。いったい、なにがあったのか。
「つい最近まで岸田内閣は高い支持率をキープしてきたが、3回目のワクチン接種が進まず、支持率が急落しています。機を見るに敏な小池さんは、いまが政権攻撃のチャンスだと判断したのでしょう。政府をワル者にしておけば、コロナ対策に失敗した小池都政に批判が向かわないと計算したのだと思う。小池さんの常套手段ですよ」(都政関係者)