衆院解散・総選挙はその時々の政治状況や争点を踏まえた名称が付けられるのが通例だ。任期満了ぎりぎりのタイミングとなった岸田内閣による今回の衆院解散は、何と呼ばれるのか。
「未来選択選挙」
岸田文雄首相(自民党総裁)
「未来選択選挙」
「今、時代は分岐点にある」と指摘。「成長の成果がきちんと還元される安心できる日本」を目指すと表明し、支持を訴えた。
「逃げ恥解散」
立憲民主党 枝野幸男代表
「逃げ恥解散」
枝野氏は2016年放送の人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」から引用した。野党が求めた予算委員会での質疑に政府・与党が応じなかったとして、「実質審議をやればボロが出る。やらないで逃げ切りたいという気持ちだったんだろう」と批判した。
「コロナ克服・日本再生選挙」
公明党 山口那津男代表
「コロナ克服・日本再生選挙」
街頭演説で、新型コロナウイルス禍で傷ついた社会・経済の再生という意味を込めて「コロナ克服・日本再生選挙」と強調した。
「政権交代解散」「ブレ隠し解散」
共産党 志位和夫委員長
「政権交代解散」
共産党 小池晃書記局長
「ブレ隠し解散」
岸田氏が総裁選で掲げていた金融所得課税を衆院選で引っ込めるなど「わずか3日の国会審議でブレブレが明らかになった。そういうものを覆い隠すために解散するのではないか」と語った。
「改革イエスかノーか解散」
日本維新の会 馬場伸幸幹事長
「改革イエスかノーか解散」
「自己都合解散」
国民民主党 玉木雄一郎代表
「自己都合解散」
「首相を岸田さんにしたのも、自民党が選挙に勝とうとするための自己都合。自己都合解散だ」と断じた。
「ぼろ隠し解散」
社民党の福島瑞穂党首
「ぼろ隠し解散」
会見で「ボロ隠し解散、自民党は変わらない解散」などと語った。
「棄民解散」
れいわ新選組 山本太郎代表
「棄民解散」
「人々を捨てた。野党は国会を開いてほしいと再三言ってきたのに、政権は無視し続けた。(コロナ禍で)困っている人、疲れ果てている医療従事者に対しての手当てがされていない」と語った。
「大急ぎ解散」「任期満了解散」
自民党の閣僚経験者は、内閣発足から戦後最短の10日で解散に踏み切った経緯を踏まえ「大急ぎ解散」と呼ぶ。「支持率が下がらず、新型コロナの感染が再拡大しないうちに解散を急いだから」という。
与野党双方とも若手らの間では任期満了直前のタイミングである点を捉え、「特に大義のない『任期満了解散』だ」といった声が共通して漏れている。