安倍元首相国葬、都内で反対デモ「アベノミクスで格差は拡大し、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めさた。国葬は絶対反対です」(参加者)

安倍元首相の国葬に反対する人たち=16日、東京都新宿区 政治・経済

安倍元首相国葬 都内で反対デモ 鎌田慧さん、沢地久枝さん、佐高信さん、落合恵子さんら呼び掛け 新宿駅周辺で

安倍元首相国葬 都内で反対デモ 鎌田慧さん、沢地久枝さん、佐高信さん、落合恵子さんら呼び掛け 新宿駅周辺で(東京新聞 2022年8月16日 21時25分)

9月27日に実施予定の安倍晋三元首相の国葬中止を求める集会とデモが16日、東京・新宿駅周辺であった。「国葬反対」「やめろ国葬」などと書かれたプラカードを持った約1000人(主催者発表)が「国葬は民主主義と相いれない」などと声を上げた。

ルポライターの鎌田慧さんや作家の沢地久枝さんら、これまで憲法の解釈変更により集団的自衛権の行使を容認し、改憲や原発再稼働を進めようとする安倍政権を批判してきた有識者が呼び掛けた。

呼び掛け人の一人で評論家の佐高信さんは「人間は一人で生まれ、一人で死ぬ。(国葬実施で)死ぬことに格差を設けるな。国葬は民主主義の破壊だ」。呼び掛け人の作家落合恵子さんが「森友・加計学園、桜を見る会などの疑惑を解明しないまま国葬するわけにいかない。反対の声を後ずさりさせない」と訴えると、参加者は「そうだ」と声を上げた。

「民主主義は国葬を拒む」というプラカードを持って参加した東京都台東区の女性(77)は「アベノミクスで格差は拡大し、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めさせ、とんでもないと思ってきた。国葬は絶対反対です」と話した。

安倍元首相の国葬撤回を 日本出版者協議会が声明 「弔意の強制、思想・良心の自由に反する」

安倍元首相の国葬撤回を 日本出版者協議会が声明 「弔意の強制、思想・良心の自由に反する」(東京新聞 2022年8月12日 21時32分)

人文学や芸術分野などを扱う74の出版社でつくる一般社団法人日本出版者協議会(東京都文京区)は10日、安倍晋三元首相の国葬に反対し、撤回を求める声明を出した。

声明では、銃撃を非難し、安倍氏の冥福を祈るとした。その上で、政府が国葬を閣議決定したことについて、(1)国葬は法律に基づいていない(2)国葬による安倍氏の「業績」の強制は、表現の自由(憲法21条)に反する(3)国葬による弔意の強制は、思想・良心の自由(憲法19条)に反する―と指摘した。

国葬について定めた法令はなく、さらに国会の議決なしに国費を支出することを問題視。「国葬の強行は法治主義に反し、財政立憲主義の原則からも許されない」と指摘した。

また、安倍政権が成立させた特定秘密保護法や安全保障関連法などを挙げ「安倍氏の『業績』は賛否が大きく分かれる。国葬の強行は、安倍氏を賛美する効果をもたらす」とした。

東京都などの教育委員会が学校に半旗掲揚を求めたのは事実上、「教育機関への弔意強制」だと批判。「憲法の思想・良心の自由に反する」と訴えた。