自民裏金、党紀委員会、議員ら39人処分の内容
自民裏金、党紀委員会、議員ら39人処分の内容(毎日新聞 2024/4/4 18:07 最終更新 4/4 21:18)
自民党は4日、党紀委員会を開き、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関係した安倍、二階両派の議員ら39人の処分を決定した。処分内容は以下の通り(敬称略)。
<離党勧告>塩谷立、世耕弘成
<党員資格停止1年>下村博文、西村康稔
<党員資格停止6カ月>高木毅
<党の役職停止1年>武田良太、松野博一、萩生田光一、林幹雄、平沢勝栄、三ツ林裕巳、堀井学、橋本聖子、山谷えり子
<党の役職停止6カ月>衛藤征士郎、小田原潔、菅家一郎、杉田水脈、中根一幸、宗清皇一、簗和生、宮本周司
<戒告>大塚拓、尾身朝子、柴山昌彦、関芳弘、高鳥修一、西村明宏、細田健一、吉野正芳、和田義明、岡田直樹、加田裕之、末松信介、羽生田俊、堀井巌、丸川珠代、山田宏、中山泰秀
塩谷立氏「まるで生けにえ」「首相も責任を」 離党勧告に弁明書
塩谷立氏「まるで生けにえ」「首相も責任を」 離党勧告に弁明書
「まるでスケープゴート(生けにえ)のよう」――。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で4日、党から「離党勧告」を受ける安倍派(清和政策研究会)の塩谷立・元文部科学相は党に弁明書を提出した。
党執行部による処分の決定手法は「独裁的・専制的」で、「到底受け入れることはできない」と明記。党に処分の不服申し立てを行う意向を表明し、処分対象にならなかった岸田文雄首相(党総裁)についても「道義的・政治的責任も問われるべき」だと訴えた。
派閥パーティー裏金問題「トップ処分なしに納得できるか」 政治評論家の有馬晴海氏
派閥パーティー裏金問題「トップ処分なしに納得できるか」 政治評論家の有馬晴海氏(産経新聞 2024/4/4 21:34)
自民党が4日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り関係議員ら39人の処分を決めた。政治評論家の有馬晴海氏は、立件された岸田派の領袖でもある岸田文雄首相の処分がなかったことなどに触れ「トップの処分なしに納得できるか」などと、疑問を投げかけた。
自民党が派閥政治資金パーティー収入不記載事件で出した処分は納得できない部分が多々ある。
例えば、不記載額500万円以上とする処分対象だ。裏金欲しさに走り回って20万円しか集められなかった議員は処分されない一方、500万円を集め、派閥の指示でやむなく記載しなかった議員は処分されることになる。岸田文雄首相は説明責任の果たし方などの個別事情を総合的に判断すると言ったはずだ。
安倍派(清和政策研究会)の資金還流復活の経緯は明白になっていないにもかかわらず、4段階に分けて処分された安倍派幹部の区分けの理由は明快に説明できるのか。
また、衆院選不出馬を表明して除外された二階派(志帥会)の二階俊博元幹事長は、事件と関係なく高齢で引退が目されていたことは永田町では誰でも知っている。
さらに言えば、立件された岸田派(宏池会)を率いた首相はおとがめなしだ。責任を取るのが組織のリーダーだが、これだけ不信を招いた党のリーダーは責任を取らなくていいのか。納得感を得られるかは説明次第だ。
<Q&A>離党勧告…それでも「しれっと復党」するのでは?
<Q&A>離党勧告…それでも「しれっと復党」するのでは? 自民の裏金議員の「処分」って重い?軽い?(東京新聞 2024年4月3日 06時00分)
◆離党しないと除名される
Q 離党勧告を受けた議員はどうなりますか。
A 通達から10日以内に再審査を申し立てず、離党届も出さなかった場合は除名されます。離党するので当然、選挙で党の公認は得られません。無所属で衆院選に出た場合、比例での重複立候補はできず、小選挙区で勝てなければ落選します。党を通じて配分される政党助成金は支給されず、総裁選への立候補や投票も不可。復党には党紀委員会の審査が必要です。
Q もう一段軽い「党員資格停止」の内容は。
A 3カ月から2年の期間とともに言い渡される処分で、その間は離党者に近い環境での議員活動を強いられます。党会合や総裁選への参加、選挙での公認は認められません。
Q さらに一段軽い「選挙での非公認」は。
A 選挙で公認を得られないことを除けば、他の自民党議員と同じ環境で活動できます。過去に処分例はなく、非公認となる期間も定まっていません。
◆郵政造反、コロナ会食でも「復党」
Q 過去に大規模な処分が行われた例は。
A 2005年に郵政民営化法案が自民党の大量造反で否決された際、当時の小泉純一郎首相が衆院選で造反者を公認せず、「刺客」として対立候補を送り込むなどの措置をとりました。衆院選後の党紀委で11人を除名、27人を離党勧告、2人を党員資格停止1年としました。当時の離党者は野田聖子元総務相や森山裕総務会長らで、復党後に閣僚や党要職を務めた例も目立ちます。
Q 近年の例は。
A 新型コロナウイルスの緊急事態宣言下の東京・銀座で深夜に会食したとして、3衆院議員が党幹部の勧告で21年2月に離党しました。ただ、3人中2人が1年もたたずに復党を認められ、既に全員が復党を果たしています。
裏金があったのに処分がなかった議員ら
「処分なし」の裏金議員ら46人は誰? なぜ不問? 「巻き込まれた」主張の議員も【一覧】(東京新聞 2024年4月4日 20時52分) (敬称略、金額は不記載額)
▼現職議員
二階俊博 3526万円(衆院和歌山3区)
根本幸典 420万円(衆院愛知15区)
西田昌司 411万円(参院京都選挙区)
石井正弘 378万円(参院岡山選挙区)
義家弘介 369万円(衆院比例南関東)
若林健太 368万円(衆院長野1区)
亀岡偉民 348万円(衆院比例東北)
上野通子 318万円(参院栃木選挙区)
上杉謙太郎 309万円(衆院比例東北)
佐藤啓 306万円(参院奈良選挙区)
森雅子 282万円(参院福島選挙区)
鈴木英敬 280万円(衆院三重4区)
江島潔 280万円(参院山口選挙区)
赤池誠章 268万円(参院比例)
吉川有美 240万円(参院三重選挙区)
木村次郎 236万円(衆院青森3区)
青山周平 230万円(衆院比例東海)
太田房江 214万円(参院大阪選挙区)
松川るい 204万円(参院大阪選挙区)
稲田朋美 196万円(衆院福井1区)
谷川とむ 188万円(衆院比例近畿)
佐々木紀 184万円(衆院石川2区)
井上義行 178万円(参院比例)
井原巧 168万円(衆院愛媛3区)
宮内秀樹 161万円(衆院福岡4区)
宮沢博行 132万円(衆院比例東海)
北村経夫 118万円(参院山口選挙区)
長峯誠 116万円(参院宮崎選挙区)
野上浩太郎 100万円(参院富山選挙区)
福田達夫 98万円(衆院群馬4区)
越智隆雄 84万円(衆院比例東京)
衛藤晟一 80万円(参院比例)
山田美樹 76万円(衆院東京1区)
小森卓郎 70万円(衆院石川1区)
田畑裕明 68万円(衆院富山1区)
鈴木淳司 60万円(衆院愛知7区)
酒井庸行 58万円(参院愛知選挙区)
山本順三 58万円(参院愛媛選挙区)
石田昌宏 26万円(参院比例)
高橋はるみ 22万円(参院北海道選挙区)
藤原崇 14万円(衆院岩手3区)
宮下一郎 12万円(衆院長野5区)
加藤竜祥 10万円(衆院長崎2区)
山崎正昭 4万円(参院福井選挙区)
▼選挙区支部長
今村洋史 220万円
加納陽之助 40万円