支持率26.9%“危険水域”岸田内閣 専門家「回復材料ない」街の声も“増税イメージ”(テレ朝news 2023/10/31 13:35)
30日も国会では、野党から「偽装減税だ」と批判の声が上がるなど、白熱した議論が交わされました。支持率が政権発足以降、最低の26.9%になった岸田内閣について、専門家は「危険水域に突入した」と指摘しています。
防衛増税と減税 岸田総理「矛盾しない」
連日、野党から批判の声が上がる4万円の所得税などの定額減税。
立憲民主党 早稲田ゆき衆院議員:「偽装減税、増税隠し減税、選挙対策減税であると私は思います」
立憲民主党 逢坂誠二衆院議員:「本来、多くの国民が喜ぶはずの減税が、ことのほか評判が悪い」
評判が悪い理由について立憲民主党の逢坂議員は、防衛費増額や少子化対策を予定しているにもかかわらず、減税を打ち出すわかりにくさを指摘しました。
逢坂議員:「国民は防衛の財源も少子化の財源も足りてないと、そういうことは分かっている。こんな状況の中で総理が減税、減税って言うから国民はそんなこと大丈夫なのかって、そう思うんじゃないですか」
岸田文雄総理大臣:「経済政策と防衛力の強化、これはそれぞれ重要な課題であり、防衛力の強化も経済に最大限配慮した形で行うということでありますので矛盾するものではない」
国民負担は増える? 増えない?
「異次元の少子化対策」を巡る国民負担についても激しいやり取りが…。
逢坂議員:「追加負担しない、増税しないってことは、国民の負担は1円たりとも増やさないという意味でしょうか?」
岸田総理:「国民に実質的な負担を生じさせないことを目指す、これを明記しております」
逢坂議員:「1円も増えないんですね、増えるんですか?」
岸田総理:「実質的な追加負担は生じさせない、これを目指していくと」
立憲・早稲田議員「反対が多いのは偽装減税だからでは」
野党からの“国民の負担”を巡る追及は続きます。
早稲田議員:「社会保険料は上がるんですか? 下がるんですか?」
岸田総理が手を挙げますが、委員長が指名したのは少子化対策担当の加藤鮎子こども政策担当大臣。指名された加藤大臣も席を立って右往左往。戸惑いながら答弁に立ちましたが…。
加藤大臣:「まず少子化対策の財源につきましては、6月の子ども未来戦略方針におきまして、まずは徹底した歳出改革等を行い」
早稲田議員:「反対の方が多い減税、これは偽装減税だからじゃないですか。総理の信頼が得られないのは、ずっとこれから続く恒久的な永遠に続いていく国民の負担増、いうなれば増税、これを隠しているからです」
最終的に岸田総理は…。
岸田総理:「経済対策を進めて賃金、所得が増えることをもって、防衛ですとか子育てですとか、国民の皆さんに一定の負担をお願いしていける体制を作っていくことが重要である」
減税表明も内閣支持率26.9% 自民党内からは…
総理の減税案に対して厳しい見方をしているのは、野党だけではありません。
週末にANNが行った世論調査では、所得税などを4万円減税する案について、「評価しない」と答えた人が56%と半数を超えました。
「評価しない」主な理由については、「政権の人気取りだと思うから」と答えた人が最も多く41%でした。
世論調査の結果に対して総理は…。
岸田総理:「国民の声、これは謙虚に受け止めなければならないと思うが。30年続いたデフレから脱却できるかどうか、正念場をむかえている。そこにあたって国民への還元をしっかり考えていかなければならない」
岸田内閣の支持率は6カ月連続で下落。「支持する」と答えた人は、2021年の政権発足以降、最低の26.9%となりました。「支持しない」は51.8%でした。
この数字に、自民党内からは…。
自民党中堅議員:「(支持率低下は)減税の論理的な説明が全くないからしょうがない。なんで減税をやるのかってことが分からないから、それは理解も得られない」
「危険水域」前政権退陣前に迫る支持率
26.9%という支持率について専門家は…。
政治ジャーナリスト 細川隆三氏:「菅内閣の退陣直前の(支持率)25.8%とほぼ同じ。完全に数字だけ見ると危険水域。ここからもう一回、支持率を上向かせるだけの力があればいいが、今の岸田政権を見ていると、支持率を回復させるような材料がない」
今回の減税案に限らず、支持率が下がり続けている理由については、次のように指摘します。
細川氏:「政治家、特に総理大臣にとって一番大事なことは信頼感であり決断力。決断したことを国民に納得してもらう、説明する説明力が非常に重要だと思うが、岸田総理の場合はそこがない。魂がほとばしる演説をしないと国民には響かない」
減税? 増税? 岸田総理に対する国民のイメージ
岸田総理に対するイメージは減税か?増税か? 街行く人に聞きました。
街の人(岸田総理に増税のイメージ):「(Q.減税のイメージ?増税のイメージ?)増税です」「増税のイメージ」「増税のイメージです。『減税』って言う割には『増税メガネ』とか、そんなことも言われてますし、私にとっては減税っていうのは全然考えられませんね」「(給与から税金が)10万円くらい引かれたりするので、それはムカつきますね」「(Q.生活が苦しいと思う瞬間は?)ありますね。食べるものを我慢したりとか」
次々と増えていく「増税イメージ」のシール。突然の政策転換にも不信感があるといいます。
街の人(岸田総理に増税のイメージ):「減税政策打ち出してますけど、選挙目的っていうか」「(Q.岸田総理に期待は?)してないです」
一方で、年金で生活しているという男性は…。
街の人(岸田総理に減税イメージ):「全体的には増税に動いているかもしれませんけれども、僕は減税で期待してるんですけど」「(Q.岸田総理に期待できるところも?)少しは」「(Q.どんなところに?)何とも言えないけど、今は誰が総理になっても変わらないと思う」
岸田総理の減税政策に、期待したいという声も聞かれましたが…。
20代から80代の男女50人に聞きました。結果は、増税のイメージが48人、減税のイメージが2人という結果になりました。
岸田総理は今回の経済対策を、来月(11月)2日に取りまとめる考えです。
詳しい調査結果、過去のデータはこちら↓
(「グッド!モーニング」2023年10月31日放送分より)