ガーシー議員が「33歳シングルマザー」を「強盗犯」と罵倒 女性が被害届を提出する“場外乱闘”に(デイリー新潮 2023年02月27日)
国会と警察から追われるガーシー議員だが、ネット上では“一般女性”と壮絶なバトルを繰り広げている。ガーシー氏をブチ切れさせているのは、SNSで“ガーシー暴露”を続ける33歳のシングルマザーだ。今月上旬、ガーシー氏は配信中に女性を「強盗犯」などと罵倒。それに対し、女性が名誉毀損で被害届を警視庁に提出するなど“場外乱闘”はヒートアップしている。
ヤクザまがいの怒声で罵倒
「俺はオノレに何かしたか、一回でも? おいゴラァ! ワレと関わったこと一ミリもないぞ、ワシぁ。おい、カス!」
2月7日、ガーシー氏は配信中、現職の国会議員とは思えぬドスの効いた声で苛立ちを爆発させていた。
怒りの矛先は、Twitterで2万5000人近いフォロワーを持つ「暗号資産女子の金ちゃん」こと金沙也さん(33)に向けられていた。金さんは、ガーシー氏の暴露を続ける”一般女性”としてネット界で話題になっている人物である。
金さんが暴いてきたのはガーシー氏を取り巻くドバイ人脈だった。金さんが語る。
「ガーシーの周辺は詐欺師だらけです。配信ではあんなに偉そうにしていますが、彼はAという別の事件で警視庁から逮捕状が出ている国際指名手配犯に操られています。Aこそが、無一文でドバイに渡ったガーシーに資金やスタッフを提供し、YouTubeチャンネルでの暴露を仕掛けた人物です。ガーシーはYouTubeで数千万円稼いだと話していますが、かなりの額をAや周辺に吸い上げられています。でも、Aを信奉していて頭が上がらないんです」
魂がギャルなんで…
金さんはこんな話をTwitterで暴露するだけでなく、今年1月、警視庁担当を中心に記者を集めてレクチャーまでした。用意したスライドに映し出されていたのは、〈元反社VS極悪組織 抗争相関図 ドバイの仲間たち〉と書かれた、暴力団トップの顔や実名まで入った人物相関図。
それを指し示しながら、「あの男、実は臆病者なんです」などとガーシー氏をこきおろし続けたのである。幾多の芸能人を泣き寝入りさせてきた百戦錬磨の男相手に怖くはないのか。金さんは平然とこう答える。
「私、高卒の元ギャルなんですよ。いまも魂はギャルなんで、相手が政治家であろうが校長だろうが関係ない。警視庁捜査2課にも出向いて捜査協力しています」
いまはタイに息子と二人で住んでいるが、ガーシー氏との対決のため、日本との間を往復する日々を送っていると語る金さん。
だが、彼女自身も清廉潔白なわけではない。高校卒業、母親がやっていたケータリング業を引き継いで生計を立てていたが、26〜27歳で結婚と離婚を経験。そのころ、暗号資産にのめり込むようになり、暗号資産のインフルエンサー業を始めた。そして、昨年の春頃、ある暗号資産をめぐってガーシー氏の“仲間”とトラブルになった。
被害総額10億円の「暗号資産詐欺」
それが「BADGE詐欺」と呼ばれている騒動である。BADGEは、〈イーロンマスクやディビット・ベッカムなどの著名人も購入!?〉との謳い文句で約3000人から約10億円もの資金を集めるも、出資金のほぼすべて泡と消えてしまった暗号資産だ。
金さんによれば、BADGEを手がけていたのは、Aやその配下にいるMたち。Mはガーシー氏のYouTube動画の収益を管理していたとされる人物で、今年1月、警視庁はMの実家などに家宅捜索に入っている。ただし、ガーシー氏自身はBADGE詐欺には関与していないという。
「私は親友だったMから詐欺とは知らずに、YouTubeなどでBADGEを勧誘するよう依頼を受けた。報酬は100万円でした。しかし、BADGEはいわゆる“ポンジスキーム”と呼ばれる詐欺で、彼らは最初から騙すつもりでカネを集めてドロンした。知らなかったとはいえ、私の勧誘で約300人が約1億2000万円もの被害を被ってしまったことに私は責任を感じました。そこで、昨年4月、真実を確認するため単身ドバイに渡り、Mに返済を求めつつ、1カ月ほど彼らの動きを内偵したのです。ドバイで、ガーシーはAやMらと派手な生活を送っていました。そこで私が目撃したガーシーの真実について、TwitterやYouTubeなどで暴露してきた次第です」
金さんが暴露を開始したのは昨年5月頃のことである。だが、ガーシー氏は8カ月以上、一言も反論せずに沈黙を続けていた。だが、冒頭のように2月に入ってから、突如、配信で反撃に打って出たのだった。
これまでスルーし続けてきた理由について、「俺がこの人間に噛み付いたり、叩きにいったら、こいつのSNSが炎上することでコイツが影響力を持ってしまう」からだと語ったガーシー氏は、
「BADGE詐欺に一ミリも俺は関わっていないのに、なんで俺が叩かれなあかんの。ふざけんな。喧嘩したいんやったらMとサシでやれ! 俺らを巻き込むな!」
と激昂。
お前のやろうとしていたことは殺人・強盗やからな!
さらに、「金はMの愛人と結託して、Mの家に強盗に入っています。それの証拠を押さえています」と金さんを強盗犯呼ばわりまでした。
1月14日に「デイリー新潮」でも記事にしたが(「ガーシー議員「任意」から「強制」で高まった逮捕の可能性 「杉並4億円空き巣事件」との関連は?」)、昨年末、荻窪にあるMの実家に空き巣が入り、現金など約4億円相当の金品が盗まれた事件を指してである。
そして、堰を切ったように、
「お前、タイおったら大丈夫、ちゃうぞ。お前のやろうとしていたことは殺人・強盗やからな! 強盗殺人事件を起こそうとしてたくせに、呑気にタイで人から盗んだカネでのうのうと遊んでるんちゃうぞ、コラぁ! 俺を巻き込むな、カス」
などと2時間にわたって罵倒し続けたのであった。配信を見た金氏はタイから急遽帰国。2月14日に弁護士を伴い、荻窪警察署に名誉毀損などの罪状の被害届を提出した。この時、荻窪署前は20人以上の報道陣が詰めかける騒ぎになった。
被害届は受理
金さんはガーシー氏から強盗犯呼ばわりされたことについて、こう反論する。
「ガーシーが証拠として出した、強盗計画について話し合う私とMの愛人とのLINEスクショは捏造されたものです。そんな偽情報をもとに、国会議員が一般人を強盗犯呼ばわりしたのです。被害届は受理されました。もし私がガーシーの言うように強盗犯だったならば、受理されなかったはず」
ただ、金さんの行動にも謎が残る。ガーシー氏の言う通り、そもそもはM氏とのトラブルだったはず。何が目的でガーシー氏の追及を続けるのか。
「彼は国会をさぼっているばかりでなく、ドバイで国際指名手配犯たちとつるんで豪華なパーティーを開いたり、好き放題やっているんです。事実をちゃんと世間に知らさなければならないという使命感で活動しています。よく私のバックに誰かがついているんじゃないかと聞かれますが、そんな人はいません。ただ、私の活動に共鳴して、情報提供をしてくれる人は大勢いる。彼らと共闘して、ガーシーが逮捕されるまで徹底的にやるつもりです」
狭まる「ガーシー包囲網」。ガーシー氏はピンチを脱せられるのかーー。
デイリー新潮編集部