岸田首相の命取りに? 防衛産業から自民に献金1.5億円、癒着利権を追及されれば説明不能

説明できるのか(岸田首相が施政方針で「防衛増税」にかかるとざわつく国会=23日) 政治・経済

岸田首相の命取りに? 防衛産業から自民に献金1.5億円、癒着利権を追及されれば説明不能(日刊ゲンダイ 公開日:2023/01/24 13:50 更新日:2023/01/24 13:50)

ただでは済まなそうだ。通常国会が23日に召集され、岸田首相が衆院本会議で施政方針演説を行った。

課題山積だが、中でも岸田首相にとって“鬼門”となりそうなのが、防衛増税だ。テレビ朝日が週末に実施した世論調査でも、防衛増税を「支持しない」が58.2%と、「支持する」の29.7%を大幅に上回るなど、改めて国民の根強い反対が浮き彫りになっている。

■自民党内から漏れる不安の声

岸田首相は演説で「今を生きるわれわれが将来世代への責任として対応する」なんて言っていたが、早速、自民党内からも不安の声が漏れ始めている。

「昨年末、総理が防衛費増の財源について『増税』と言ったのはマズかった。おかげでいまや『防衛費増』自体が“悪者”扱いされている。今後、野党から徹底追及されるのは間違いないが、果たしてうまく説明できるのかどうか。納得感のある説明をできないと春の統一地方選を“直撃”しかねません」(自民党中堅議員)

さらに、ここへきて、岸田首相にとって“命取り”となりかねない問題が浮かび上がっている。防衛産業と自民党との癒着・利権だ。

小沢一郎衆院議員の事務所のツイッターが23日、〈自民党に莫大な利権をもたらす防衛費倍増〉と投稿すると、瞬く間に5000件以上の「いいね」がつけられ、話題になっている。ツイッターには〈おっしゃる通りです〉〈まったくです 即刻解散総選挙を求めます〉といったコメントが寄せられている。

防衛産業と自民党は密接

実際、防衛産業と自民党は密接だ。自民党の政治資金団体「国民政治協会」の政治資金収支報告書(2021年分)を見ると、防衛産業から巨額の献金がわたっている。

日刊ゲンダイは、防衛省の外局・防衛装備庁が発表している資料「令和3年度の調達実績」に記載された、同庁と契約を結んだ上位10社をピックアップ。

三菱重工や川崎重工など上位10社から「国民政治協会」にわたった政治資金は計1億5300万円。カネのつながりを追及されたら、岸田首相は“説明不能”に陥る可能性がある。

「過去、自民党の政権復帰後、防衛産業主要10社からの献金が2倍に膨張した問題が国会で追及されました。当時の安倍政権に対し、野党議員が『軍需産業支援策を進める安倍政権への“見返り”ではないか』と質問し、政府はシドロモドロで答弁に窮していた。岸田政権にマトモに答えられるとは思えません」(永田町関係者)

野党も一丸となって岸田政権を徹底追及すべきだ。