2022年振り返り「今年のバカ」トップ10

三浦瑠麗氏 SNSの発言を巡った裁判で敗訴が確定 政治・経済

トップ10(前編)橋下徹、ひろゆきがランクイン

2022年振り返り「今年のバカ」トップ10(前編)橋下徹、ひろゆきがランクイン(日刊ゲンダイ 公開日:2022/12/03 06:00 更新日:2022/12/03 06:00)

今年もバカが豊作だった。恒例の年末企画「今年のバカ」トップ10。

【第10位】松井一郎

6月27日、松井は政見放送で「維新の会は経費については領収書を公開しています。でも公開しているのが我が党の議員だけというのが大問題なんです」「私立高校、所得制限ありますけど、だいたい80%の人は授業料のキャップをはめてますんで、入学金、授業料、無償で自由に学校を選択できるようになっている」といきなりデマを流した。共産党は以前から使途を公開しているし、私立高校の入学金は有償。投票日が近づくと、大量に嘘、デマを拡散させ、選挙後はシラをきるのが、維新の会の常套手段。

【第9位】岸田文雄

閣僚や自民党幹部と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関係が次々と発覚した件について、「政治の信頼を確保するために政治家としてどうあるべきか。自分自身をしっかり点検してほしい」と発言(8月22日)。その直後に、岸田の後援会長が統一教会の関連団体の議長だったことを「週刊文春」がスクープ。コントかよ。

【第8位】ひろゆき

米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪ね、辺野古新基地建設に抗議する座り込みが3011日に達したことを示す掲示板について〈座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?〉と揶揄するツイート。現在、辺野古では工事車両が来る9時、12時、15時に合わせて座り込みが行われている。ひろゆきは夕方の誰もいない時間にゲート前のテントを訪れていた。

【第7位】河井克行

2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、元法相の河井らから現金を受領したとして、検察当局は広島県議ら34人を公職選挙法違反(被買収)の罪で起訴(3月14日)。問題は誰がこのカネを動かしたかだ。河井夫妻が支部長だった2つの政党支部には、自民党本部から計1億5000万円が流れているが、その責任者については二階俊博が「党全体のことをやっているのは総裁(当時の安倍)とか幹事長の私」と自白した。

【第6位】橋下徹

ウクライナ情勢について「政治的妥結を目指すべき」と述べたかと思えば「終結するまでロシア軍を叩き潰すしかない」と正反対のことを言い出す。一貫しているのは支離滅裂であることだけだ。

トップ10(後編)統一教会、三浦瑠麗を抑えてのトップは?

2022年振り返り「今年のバカ」トップ10(後編)統一教会、三浦瑠麗を抑えてのトップは?(日刊ゲンダイ 公開日:2022/12/10 06:00 更新日:2022/12/10 06:00)

前回に続き恒例の年末企画「今年のバカ」トップ10を振り返る。

【第5位】菅義偉

今年見たものの中で一番おぞましかったのが、安倍晋三の「国葬」における菅の弔辞だった。いわく「(安倍の判断は)いつも正しかった」。安倍は生前「私は総理大臣ですから、森羅万象すべて担当しております」「全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」と述べていたが、シンプルなカルトだよね。

【第4位】門田隆将

現実と妄想の区別がつかない夢見る夢子ちゃん。森友学園の決裁文書改ざん問題を苦に自殺した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さんを巡る記事では立憲民主党の小西洋之議員、杉尾秀哉議員に関するデマを流し、東京地裁は産経新聞社と門田に計220万円の損害賠償を命じた。問題の記事には「(両議員は)財務省に乗り込み、約1時間、職員をつるし上げている。当該職員の自殺は翌日だった」とあるが、両議員が訪れたのは東京の本省で、自殺した職員には面会していなかった。その後、門田は謝罪するどころか〈唖然…左傾化し正義を捨てた日本の司法〉とツイート。意味不明。

【第3位】統一教会(現・世界平和統一家庭連合)

自民党幹事長の茂木敏充が「今後、旧統一教会および関連団体とは一切関係を持たない」と発言したが、自民党自体が関連団体だったとはこれいかに。安倍の政務秘書官だった井上義行は「今後は党の方針に従って、一切の関係を断ちます」、萩生田光一は「今後関係はもたずに政治活動をやっていきたい」。多くの自民党議員が判を押したかのように「今後は」と繰り返したがだまされてはいけない。「今後」ではなく「これまで」の関係が問題になっているのだ。

【第2位】三浦瑠麗

「村八分」という言葉を真逆の意味で使ったり、大喪の礼を「たいものれい」と読んだり、今年も大ハッスル。新型コロナ、統一教会、ウクライナ情勢、国葬……。ありとあらゆるテーマに対し、オールラウンドのバカっぷりを発揮し、お茶の間に苦い笑いを届けた。

【第1位】安倍晋三

4月17日、全力でこびていたロシアのプーチンに対し、「ウクライナの祖国を守るという決意の強さを見誤った。そして自分の力を過信した結果、こういうことになっている」と発言。「自分の力を過信」して北方領土をむしりとられたバカは一体どこのどいつなのか?

番外編 旧統一教会と安倍派、ほんこん

2022年振り返り「今年のバカ」番外編 旧統一教会と安倍派、ほんこん(日刊ゲンダイ 公開日:2022/12/24 06:00 更新日:2022/12/24 06:00)

年末の恒例企画「今年のバカ」。一部から「あのバカが漏れている」といったお叱りを受けたので、番外編をお届けする。

【細田博之】

2019年10月、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)系の団体「UPF(天宙平和連合)」の国際会議で「安倍(晋三)総理に早速ご報告したいと考えております。韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの国際指導者会議の場は、大変意義が深いわけでございます」と発言。

【岸信夫】

「統一教会に手伝ってもらったというよりは、メンバーの方にお力をいただいたということだ」と発言。岸は「私は、幅広く募っているという認識だった。募集しているという認識ではなかった」と言った安倍晋三の弟。

【萩生田光一】

統一教会との深いつながりを報道されると「2009年から12年の間に、毎月2回教会を訪れて私が講演をしたり、青年部の皆さんに説教していたと書いてあるんですけど、こういう事実は全くありません」と否定。TBS「報道特集」は萩生田が統一教会の青年部の若者らを相手に講演を行っていた記録を入手。嘘がバレた。

【ほんこん】

安倍銃撃事件当日のニュース映像に映りこんでいた商業ビルの屋上に、白いテント小屋が映っており、これが3時間後になくなっていたことから、「小屋はプロのスナイパーが狙撃のために利用した」というデマが発生。これを真に受けて拡散したのがネトウヨのほんこん。過去のネット記事が発掘されたのも面白かった。「ツイッターで発信するうえでは、どんなことに気をつけていますか?」という質問に対し、「計算に基づいた数字的な根拠を出してツイートすること。文系だと感情論でツイートする方も多いけど、ツイッターは理系のやり方でやった方がいいと思います。そしてフェイクに騙されない。これが一番大事やね」。

【杉田水脈】

保育所の待機児童問題に関し「子供を家庭から引き離し、保育所などの施設で洗脳教育をする。旧ソ連が共産主義体制の中で取り組み、失敗したモデルを21世紀の日本で実践しようとしているわけです」などとコラムで述べていたが「事実として確認できず、不用意な発言だった」と国会で認めた。「事実として確認」できないことを書く国会議員とそれを掲載する産経新聞。

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中