「小池百合子知事は機を見るに敏。寄ってこなくなる」 港区長選で敗れた自民都連のぼやき

政治・経済

「小池百合子知事は機を見るに敏。寄ってこなくなる」 港区長選で敗れた自民都連のぼやき(東京新聞 2024年6月4日 06時00分)

2日投開票の東京都港区長選では、政党推薦を受けなかった無所属新人の清家愛氏(49)が初当選し、現職の武井雅昭氏(71)は自民、公明両党の推薦を受けながら競り負けた。派閥の裏金問題が長引く自民への逆風も影響したとみられる。投票率は30.62%で、前回の30.04%を0.58ポイント上回った。

丸川珠代氏にマイクを握らせず

「新しいリーダー像を示していきたい」。2日夜、清家氏は支援者を前にこう宣言した。区議の4期目途中で区長選に挑んだ清家氏は、武井氏の任期満了後の28日、港区初の女性区長に就任する。6期目を目指した武井氏は、1528票差で涙をのんだ。

国政与党の推薦は、武井氏を6選に導く力にはならなかった。象徴的だったのは告示日5月26日の出陣式。東京選挙区選出で自民の広告塔の一人と言える参院議員・丸川珠代氏が姿を見せたが、マイクを握らない。司会者に応援議員の一人として紹介され、「はい」と手を挙げてあいさつするだけだった。

武井氏陣営の関係者は「国政の問題で批判されている中、区長選でどこまで自民党推薦をアピールするべきか。普段なら応援演説をお願いするが、今回は控えてもらった」と語る。

「党が出せる応援の7割、4割かも」

区長を5期20年務める武井氏には多選批判こそあれ、失政は目立たなかった。それでも武井氏は敗戦後「私が有権者から選んでもらえなかっただけ」と逆風について言及しなかった。

だが、ある自民党関係者は「自民の推薦が足を引っ張った部分はあると思う。逆風の影響で、党が本来出せる応援を100とすれば、70や40になっていたかもしれない」と振り返った。(小沢慧一、奥野斐)

さっそく清家氏と連携アピール

自民、公明両党が推薦する5期目の現職が無所属新人候補に敗れた港区長選の結果について、都政関係者からはさまざまな反応があった。小池百合子知事は早速、初当選を果たした清家愛氏と面会し、子育て施策などでの連携をアピールした。

「自民の評判が悪い結果だ。こういう時もある」。自民都連関係者は力なく振り返る。告示が6月20日に迫る都知事選に向け、自民都連では、小池知事が出馬表明すれば何らかの形で支援する考えが大勢となっている。

都知事選は話題に上らず

都議の1人は「高齢多選の区長よりも『初の女性区長』が響いた。知事選への影響はそれほどない」と総括する。これに対し都連関係者は「知事は機を見るに敏。自民の評判が悪いなら寄ってこないこともある」と自嘲気味に語る。

立憲民主党都議の1人は、港区長選や静岡県知事選などを念頭に「自民推薦候補が立て続けに負けた。そういう世論を受け止めて頑張らないと」と都知事選を見据えた。

小池知事は3日、都庁で清家氏と面会。「23区で女性区長が7人になった。子育ての課題などに対し、生活者目線で活躍してほしい」と祝福した。清家氏は「しっかり都と連携して、これからの日本を引っ張っていきたい」と応じた。清家氏によると、面会は「(都側から)提案された」が、都知事選は話題に上らなかったという。(三宅千智、原田遼、渡辺真由子)