「創価学会」団塊世代の退場で、一気に弱体化も 公明党の獲得票数は減少が続いている

東京・信濃町の創価学会本部 政治・経済

「創価学会」団塊世代の退場で、一気に弱体化も 寄付や公明党の得票数で、往事の勢いなし(東洋経済ONLINE 2022/09/08 6:00)より一部抜粋

公明党の獲得票数は減少が続いている

しかし近年、その組織力には衰えが目立つ。今年7月の参院選で公明党が獲得した全国の比例票は618万票。昨年の衆院選から100万票近くも減った。

前述とは別の元本部職員によれば、自公協力の下、衆院選の全国比例票は自民党との「バーター」により取り込んだものが相当数含まれるという。小選挙区で自民候補に学会票を差し出すかわりに、比例区で自民票をもらうのだ。だから、参院選のほうがそのときの実力を素直に表していると見ていい。3年前の参院選で獲得したのは653万票。やはり今回はそこからも減らしている。

公明党が獲得した全国比例票の推移

じつは、学会組織で長らく看板となってきた「婦人部」は昨年11月、消滅した。おおむね20代以下で構成する「女子部」と統合されて「女性部」となったからだ。これは女子部の要員不足を糊塗する苦肉の策ともされる。

学会の少子高齢化は世間一般より急速に進む。新規会員を獲得する「折伏」はまったく進まず、近年、公称世帯数(創立以来の累積数)は827万世帯からぴくりとも動かない。

今年6月の本部人事で原田稔会長の長男・星一郎氏が教学部長に就任したように、現在、「宗教官僚」たる職員から一般会員に至るまで大半は「2世・3世」だ。だが入信しない子弟もまた多い。選挙活動がまさにそうだが、学会員は私生活などない「学会漬け」を強いられる。それを見てきた子弟の多くは学会嫌いになりがちだ。

先述の元活動家によると、今から20年ほど前、地元の統監カードを調べると、3分の1は「幽霊会員」だった。もうそこには住んでいないのだ。誰もが知る有名歌手の名前もその中にはあった。

本来、学会員は転居先の組織に届け出る決まりだが、そうしない例は多い。とくに子どもが入学や就職で実家を出る際、親は転居先を連絡しないことが多いという。必ず地元組織から『聖教新聞』の勧誘が来たりするからだ。子を思う親心である。

現在、「本部」(複数の町単位からなり300世帯前後)や「支部」(100世帯前後)といった現場組織では、高校生以下の「未来部」だけでなく男子部でも部長を立てるのが難しいという。なり手がいないのだ。

一方で高齢化は容赦ない。学会員の年齢層でボリュームゾーンは1960年代までに入信した団塊世代。彼らは今や後期高齢者だ。かつて各地の会館運営は男子部員で構成する「牙城会」が担ってきたが、もはや要員確保は困難。かわりに学会は2009年、「壮年部」で構成する「王城会」を立ち上げ、「ヤング50代」と叱咤して動員に躍起だ。