議席大幅減、自民に衝撃 党幹部の責任問う声【24衆院選】
衆院選で自民党が議席を大幅に減らす見通しとなり、政府・与党に衝撃が走った。2012年の政権奪還以来初めて自民が単独過半数を割り込む可能性が高まり、派閥裏金事件の「みそぎ」を狙った政治決戦で国民から「ノー」を突き付けられた形だ。自民内では公明党と合わせた与党での過半数維持を危ぶむ声も出ている。
自民内には党幹部の責任論が広がる。閣僚経験者は首相の「言行不一致」に加え、裏金事件で非公認となった候補側への2000万円支給が最終盤で追い打ちになったと指摘。支給を判断したとされる森山裕幹事長らの辞任を要求した。
森山氏はNHK番組で「私の責任は謙虚に真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。小泉進次郎選対委員長はTBSの番組などで「『政治とカネ』の問題に決着をつけられていないことも厳しい審判の要因だ」と指摘し、「選挙の結果は選対委員長の私に責任がある」と語った。
石破首相、続投に意欲
石破茂首相は27日夜のテレビ朝日の番組で、衆院選の結果を踏まえ、職責を全うするのかと問われ、「それはそういうことだ」と述べ、続投に意欲を示した。
衆院選の投票、全国各地で始まる 「自公で過半数」が焦点に
第50回衆院選は27日午前7時、全国で投票が始まった。一部の投票所を除き、午後8時に投票が締め切られ、即日開票される。石破茂首相は勝敗ラインを「自民、公明両党で過半数(233議席)」としており、自公が過半数を維持できるのか、野党が過半数割れに追い込めるのかが焦点になる。
衆院選は465議席(小選挙区289、11ブロックの比例代表176)を争う。15日に公示され、1344人が立候補を届け出た。衆院解散(9日)から投開票までは18日間で、戦後2番目の短期決戦となった。首相就任(1日)から26日後の投開票は戦後最短。
14日現在の有権者数は1億417万9274人。
北朝鮮兵にビラ配布計画 ウクライナ「脱北の好機」
ウクライナ国防省情報総局は、ロシアに派遣された北朝鮮兵がウクライナとの戦闘に投入されれば、前線で朝鮮語のビラを配布して積極的に投降を促す方針だ。共同通信の取材に27日までに明らかにした。人道的な捕虜の扱いを保障し、戦意を喪失させる狙いだ。
情報総局で捕虜の取り扱いを担当するマトビヤンコ報道官は、北朝鮮兵が独裁体制の抑圧下にあり「兵士にとって派遣は母国から逃れる好機とも捉えられる」と分析。戦闘参加中の戦争犯罪の有無などを調べる必要はあるが、ロシアとの戦争終結後に脱北者として保護する余地もあるとの見解を示した。