円下落、154円台後半 為替介入の警戒感高まる
17日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、1ドル=154円台後半で取引された。16日のニューヨーク市場で一時1ドル=154円79銭と、約34年ぶりの円安ドル高水準を付け、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり、東京市場は小幅な値動きとなった。ただ警戒感は株式市場の重荷となり、日経平均株価は約2カ月ぶりに節目の3万8000円割れ。国債市場では10年債が売られて長期金利が上昇し、トリプル安の様相だった。
東京市場の円相場は午後5時現在、前日比22銭円安ドル高の1ドル=154円61~63銭。ユーロは36銭円安ユーロ高の1ユーロ=164円28~32銭。
日経平均終値、2か月ぶりに3万8000円を割り込む…ほぼ全面安
日経平均終値、2か月ぶりに3万8000円を割り込む…ほぼ全面安
17日の東京株式市場で日経平均株価(225種)の終値は、前日比509円40銭安の3万7961円80銭だった。3営業日連続で下落し、ほぼ全面安となった。2か月ぶりに3万8000円を下回った。
前日の米株式市場でダウ平均株価(30種)は7営業日ぶりに値上がりしたが、米国の金融政策の先行き不透明感や、中東情勢の悪化懸念がくすぶっている。その影響を受け、東京市場は買いの材料が乏しい展開が続いた。石油や輸送、電機、機械関連株など、幅広い銘柄が下落した。
東証株価指数(TOPIX)は33・96ポイント低い2663・15。
世界経済のリスク議論 為替、中東情勢など―G20、G7財務相会議開幕へ
世界経済のリスク議論 為替、中東情勢など―G20、G7財務相会議開幕へ
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が17日夜(日本時間18日午前)、米ワシントンで開幕する。イランのイスラエル攻撃による中東情勢の一段の悪化を受けたエネルギー価格の上昇や、各国通貨に対するドル高による途上国経済への悪影響など、世界経済が直面する課題について意見を交わす見通しだ。各国が成長へのリスクについて認識を共有し、協調できるかが問われる。
G20に先立ち、先進7カ国(G7)の財務相・中銀総裁会議も17日午後(日本時間18日早朝)に当地で開かれる見通し。一連の会議には、日本から鈴木俊一財務相と日銀の植田和男総裁が出席する。
G20の開幕を前に、国際通貨基金(IMF)は16日発表した世界経済見通しで、米経済の好調などを背景に2024年の成長率予測を上方修正した。一方、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとイスラエルの紛争拡大、紅海での攻撃の長期化、ウクライナで続く戦争をリスクに列挙。これらが食料やエネルギー、輸送などの価格高騰を招くと警鐘を鳴らした。
24年3月の訪日外国人客数、単月で過去最多 300万人突破は初
24年3月の訪日外国人客数、単月で過去最多 300万人突破は初
政府観光局が17日発表した2024年3月の訪日外国人客数(推計値)は308万1600人で、単月としてこれまで過去最高だった19年7月(299万人)を上回った。過去最高の更新は新型コロナウイルス禍を挟んで4年8カ月ぶり。300万人を超えたのは初めて。
3月の訪日客の国・地域別の上位は、韓国66万人▽台湾48万人▽中国45万人▽米国29万人▽香港23万人。多くがコロナ禍前の水準を回復しているが、中国からの訪日客は19年同月比65%にとどまっている。
TSMC、九州大と連携 研究と人材育成 学生インターン受け入れも
TSMC、九州大と連携 研究と人材育成 学生インターン受け入れも
九州大は17日、熊本県に進出した台湾の半導体受託製造世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)と包括連携の覚書を締結したと発表した。半導体分野の研究と人材育成で協力関係を発展させる。TSMCの技術者らが九大で講義するほか、台湾のTSMC本社で学生のインターンシップを受け入れる。
締結は1日付。研究と人材育成の2本柱で、学生と指導教員への研究奨励金の給付▽両者間での共同開発プロジェクトの締結やワークショップの実施――にも取り組む。
親中政権に審判 開票に数日、首相選出へ多数派工作―ソロモン総選挙
親中政権に審判 開票に数日、首相選出へ多数派工作―ソロモン総選挙
太平洋の島国、ソロモン諸島で17日、議会(一院制、定数50)総選挙の投票が行われた。中国と緊密な関係を築いてきたソガバレ首相が引き続き政権を担うかどうか、国民の審判が下される。開票はほとんどの選挙区で18日に始まり、結果判明には数日かかる見通し。新議員による首相選出に向け、与野党勢力は多数派工作を活発化させる。
ソガバレ政権は2019年、台湾と断交して中国と国交を樹立。22年に中国と安全保障協定を結んだ。これを受け、総選挙では対中関係の在り方が争点となった。与党は中国からの経済援助をてこにしたインフラ整備や産業振興を訴えた。主要野党は過度な中国依存に懸念を示し、安保協定の見直しなどを主張した。
ガザ戦闘で孤児1万9000人 国連推計、母親6000人死亡
国連女性機関(UNウィメン)は16日、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘がパレスチナ自治区ガザで昨年10月に始まって以降、半年間でパレスチナ人の母親が6000人死亡し、1万9000人の子どもが孤児になったとの推計を公表した。パレスチナ人女性の死者も1万人を超えたとしている。
ガザ保健当局によると、ガザ側の死者は全体で3万3000人を超え、うち女性と子どもが約7割を占めるとされる。ガザの人道状況は極度に悪化しており、UNウィメンは100万人以上の女性が「壊滅的な飢餓」に直面していると指摘。衛生環境も悪く、生理用品などが不足していると訴えた。(共同)