クリミアの補給路を攻撃 ウクライナ軍、ミサイルか
ウクライナ軍は6日、ロシアが実効支配するウクライナ南部のクリミア半島とヘルソン州を結ぶ二つの橋を攻撃したと明らかにした。ウクライナは半島東部とロシア本土を結ぶクリミア橋を7月にも攻撃しており、ロシア軍の補給路に打撃を与える狙いとみられる。
ロシアが半島を併合して創設した「クリミア共和国」のアクショーノフ首長は6日、半島北部とヘルソン州をつなぐチョンガル橋にミサイル1発が命中し、自動車道が損傷したと通信アプリに投稿した。ヘルソン州のロシア側行政府トップ、サリド氏は、英国供与の巡航ミサイル「ストームシャドー」が使われたとし、穴が開いた路面の写真を公開した。
サリド氏はチョンガル橋に加え、ヘルソン州の拠点都市ゲニチェスク付近の橋も攻撃を受けたとした。
反転攻勢を続けるウクライナ軍の目標はロシア支配地域の東西分断。アゾフ海側の拠点都市ザポロジエ州メリトポリやドネツク州マリウポリの奪還を目指しているとされる。
ウクライナ和平へ協議継続 サウジでの会合閉幕
サウジアラビア西部ジッダで開かれたロシアによるウクライナ侵攻終結に向けた協議が6日、2日間の日程を終え閉幕した。サウジ国営通信によると、参加国は国際的な協議継続の重要性で一致。AFP通信によれば、ウクライナ大統領府は声明で、協議では「異なる見解」が示されたものの、「率直で開かれた対話で、非常に生産的だった」と評価した。
協議には、国連や米国、中国に加え、ロシアの侵攻に中立的なインドやブラジルなど「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国を含め40を超える国や国際機関の安全保障担当高官らが出席。日本からは山田重夫外務審議官が参加した。ロシアは招かれなかった。
日本主導でアフガン再建を 「国の存続不可能」と大使
アフガニスタンのアブダリ駐日大使は7日までに、女性の権利が著しく制限され、貧困がまん延する祖国の現状に「このままでは国として存続するのは不可能だ」と危機感をあらわにした。イスラム主義組織タリバンの復権から15日で2年となるのを前に東京都内で取材に応じた。日本には国の再建に向けたロードマップ(工程表)作りを主導してほしいと訴えた。
アブダリ氏はタリバン復権前の2021年1月、駐日大使に任命。タリバン暫定政権の統治で、女子学生の教育が制限されるなど「光のないトンネルを進んでいるようだ」と述べた。現在まで暫定政権を承認した国はなく、大使と同政権の公式連絡は途絶えたままだ。
世界の人気観光地、日本は3都市 米誌調査、京都3位
米有力旅行雑誌「トラベル+レジャー」(T+L)が読者アンケートで決めた世界の好きな都市の2023年ランキング(上位25都市)に京都(3位)、東京(7位)、大阪(25位)の三つが入った。国別では5都市が選ばれたメキシコに次ぎ、日本は2番目。
T+Lは、旅行経験が豊富で現地での体験や交流を重視する読者が多いとされる。高評価は新型コロナウイルス禍から急回復する訪日旅行をさらに後押ししそうだ。
京都の魅力は「狭く誘惑的な路地に素晴らしい店舗がひっそりとたたずむ」と指摘。「欧米文化と大きく異なる、非常に歴史的な名所や文化財がある」との声が寄せられた。
東京は「活気に満ちた首都」とし、親日家の米人気歌手シンディ・ローパーさんを例に挙げ「旅行者を何度もひきつける」と評価した。
大阪については、交通の利便性に加え「人々が素晴らしく歓迎してくれる」と大阪人のフレンドリーな人柄を強調した。
首位はメキシコのオアハカ、2位はインドのウダイプールだった。歴史的な街並みや景観が好まれる傾向。
食料自給率、22年度も38% 生産額ベースは最低の58%
農林水産省は7日、2022年度のカロリーベースの食料自給率が前年度と同じ38%だったと発表した。依然として低い水準で推移している。生産額ベースの自給率は5ポイント低下の58%となり、比較可能な1965年度以降で最低を更新した。国際的な穀物価格の上昇や外国為替市場の円安傾向などで輸入額が増えたことが響いた。
カロリーベースでは、前年豊作だった小麦の収穫量や魚介類の生産量が減少した一方、原料の多くを輸入に頼る油脂類の消費が減った結果、前年と同水準となった。生産額ベースでは、輸入された食料の量は前年度と同程度だったが、価格が上昇したことが影響した。
品目別の自給率(重量ベース)は、コメが1ポイント上昇の99%、小麦が2ポイント低下の15%、大豆が1ポイント低下の6%だった。野菜は1ポイント低下の79%となり、魚介類は4ポイント低下の54%だった。
農水省は21年度の都道府県別の食料自給率も公表。カロリーベースでは北海道が223%となり、5年連続の首位。2位は秋田県で204%、山形県が147%と続いた。
台風6号、9日から九州接近へ 西日本、東海も大雨に警戒
台風6号は7日、鹿児島・奄美地方を暴風域に巻き込みながら、奄美市の東をゆっくりと北寄りに進んだ。奄美や九州南部は8日夜にかけて、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生する可能性がある。台風は勢力を維持したまま北上し、9日には九州にかなり接近する。九州に加え、西日本の太平洋側や東海でも総雨量が平年8月の1カ月分を大きく超える恐れがある。
気象庁は土砂災害や河川の氾濫、暴風などへの厳重な警戒を呼びかけた。気象庁の立原秀一主任予報官は記者会見で「台風の動きが遅く、広い範囲で長い時間大雨が続く。特別警報にも危機感を持っている」と語った。
台風の中心から離れた所に発達した雲域があり、7日から四国、近畿、東海でも降水量が増えた。10日までの総雨量は多い所で700ミリ前後に達する恐れがある。
JR九州は、九州新幹線の熊本―鹿児島中央間で8日午後から運休すると発表。JR西日本も山陽新幹線の新大阪―博多間で9日夜から10日午前中まで運転を取りやめる可能性があると明らかにした。
大花火大会、4年ぶりのフル開催 新潟県長岡市
「日本三大花火」の一つに数えられる「長岡まつり大花火大会」が、新潟県長岡市で開催された。新型コロナが5類に移行したことから、4年ぶりに飲食制限のないフル開催となった。
長岡花火は1945年の長岡空襲の犠牲者の慰霊や平和への祈りが込められている。最初に鎮魂の白い花火が3発打ち上がった後、約2時間にわたって華やかな大玉が夜空を彩った。信濃川の川幅いっぱいを使った雄大な「ナイアガラ」や巨大な正三尺玉が打ち上がるたびに観客から歓声や拍手が湧き起こった。
東京都から友人と来た会社員の西島大翔さん(25)は「視界に入らないほどの大きな花火で迫力がすごかった。来てよかった」と興奮した様子だった。市によると2日、3日の両日で計29万5000人が観覧したという。
【1年前の今日の出来事】 2022年8月7日