衆院、内閣不信任案を否決 与党、21日に国会閉幕方針
立憲民主党は16日、岸田内閣に対する不信任決議案を衆院に提出し、同案は衆院本会議で自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決された。岸田文雄首相は今国会での衆院解散を見送る意向を表明しており、与党は今国会を会期末の21日で閉会させる方針だ。
不信任案の提出は2022年6月以来、1年ぶり。不信任案は、防衛増税やマイナンバーカードを巡るトラブル、原発の60年超運転方針、外国人の収容と送還のルールを見直す改正入管法などを挙げて「国民の求めていない政策を強引に推し進める」と岸田内閣を批判。「物価高騰対策は不十分だ」などと指摘した上で、「国民の苦しみや不安に鈍感」と非難した。共産党は不信任案に賛成した。
首相は不信任案否決を受け、少子化対策や新しい資本主義などを挙げ「政策をしっかりと実行していきたい」と首相官邸で記者団に語った。
LGBT理解増進法が成立 性自認に関する表現を当初案から修正
LGBTQなど性的少数者への理解増進を目的とする議員立法「LGBT理解増進法」が16日、参院本会議で自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党などの賛成多数で可決、成立した。性自認に関する表現を当初の与党案の「性同一性」から「ジェンダーアイデンティティ」に置き換えるなど、維新と国民民主の主張を取り入れて修正した。
理解増進法を巡っては、今年2月に首相秘書官(当時)が性的少数者への差別発言をしたことをきっかけに、岸田文雄首相が法案の国会提出を検討するよう自民に指示した。与野党から計3案が国会に提出され、このうち与党案について自民、公明、維新、国民民主の4党が修正することで合意。修正案には「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意する」との規定も盛り込み、運用に必要な指針を策定するよう政府に求めた。
同法について、当事者団体は「求めてきた法案とは真逆の内容で、当事者にさらなる生きづらさを強いる」などと批判していた。
防衛財源確保法が成立 「防衛力強化資金」の新設が柱
防衛費増額の財源を確保するための特別措置法(財源確保法)が16日、参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立した。立憲民主党と日本維新の会、国民民主党、共産党などは反対した。
同法は防衛力強化に向け、税外収入を積み立てて複数年度にわたって防衛費に充てる「防衛力強化資金」の新設が柱。2023年度予算に計上した税外収入4.6兆円を活用する。内訳は、特別会計からの資金繰り入れや、新型コロナウイルス対策で増加した独立行政法人の積立金の前倒し返納など。
政府は22年12月、23~27年度の5年間で防衛力を抜本的に強化し、防衛費を総額43兆円程度とする方針を決めた。
従来水準からの増額分は約17兆円で、防衛力強化資金はそのうちの一部となる。ほかは、歳出改革や決算剰余金、増税で賄う。
増税は法人税と所得税、たばこ税の三つが対象となる。所得税については、東日本大震災の復興財源に充てる復興特別所得税を引き下げ、その分を防衛費に充てる。政府は増税時期を「24年以降」としてきたが、経済財政運営の指針「骨太の方針」では「25年以降も可」とし事実上、先送りすることを盛り込む。
日銀決定会合、金融緩和策の継続で全会一致
日銀は15、16日に開いた決定会合で大規模な金融緩和策を継続することを全会一致で決めた。植田氏は、経済・物価動向について、「基調的に高まっていくが、来年度以降の賃上げなどの不確実性は高い。企業収益や雇用動向などを丁寧に見ていきたい」と語った。
また、日銀が前回会合で決めた過去25年の金融政策を検証する「多角的レビュー」について、当時の金融政策が経済に与えた影響や、1990年代以降のグローバル化や少子高齢化がもたらした企業や家計への影響などを分析する方針を明らかにした。植田氏は「多様な視点を取り入れる」と語り、外部識者を招いた作業部会や結果に対する意見公募を行う考えも示した。日銀は来月にも専用のホームページを作り、随時、情報発信するという。
自民・高野氏、参院議員辞職を表明 秘書暴行で引責、10月補選へ
自民党の高野光二郎副幹事長(48)=参院高知・徳島選挙区=は16日、高知市内で記者会見し、自身の秘書に暴力を振るった問題の責任を取り、参院議員を辞職する意向を表明した。「心からおわびする。本当に申し訳ない」と謝罪。早期に辞職願を提出し、政界を引退するという。
高知県選挙管理委員会によると、辞職が決まれば、高知・徳島選挙区の補欠選挙は10月22日に行われる見通し。
高野氏は昨年12月に秘書3人と地元で飲食を共にした際、20代の男性秘書を殴打し、出血させた。秘書は今年に入って退職。これに関し、所属する自民党高知県連は16日、「党員たる品位を汚す行為」に当たるとして、党本部に除名を上申することを決めた。
習近平国家主席「米中友好望む」 ビル・ゲイツ氏と北京で会談
中国の習近平国家主席は16日、米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏と北京で会談し、米中の「友好が続くことを望んでいる」と述べた。中国国営メディアが伝えた。
会談で習氏はゲイツ氏について「今年になって北京で会う最初の米国の友人だ」と指摘。ゲイツ氏が世界の貧困撲滅や公衆衛生の向上に取り組んできたことを称賛した。
中国で1月に新型コロナウイルス感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策が終了してから世界の企業家が相次いで中国を訪問しているが、李強首相や王文濤商務相が対応するのがほとんどで、習氏が面会するのは珍しい。
死者500人超の可能性も ギリシャ沖の移民船沈没
ギリシャ南部沖の地中海で移民らを乗せた漁船が沈没した事故で、同国当局者は地元メディアに対し15日、死者は500人超に上る可能性もあるとの見方を示した。漁船には子供約100人を含む700人超が乗っていたとの情報があり、これまでに104人が救助されたが、多くは船内に取り残されたままとみられる。
漁船はリビア東部トブルクを出航し、イタリアに向かっていたが、14日にギリシャ南部ペロポネソス半島沖で沈没した。
沿岸警備隊が公表した沈没前の漁船の写真には、甲板を埋め尽くすように人が乗っていた。脱出が困難な船内には、子供や女性が多数いたとみられている。
千葉で震度4…気象庁
16日午後9時24分ごろ、千葉県北東部を震源とする地震があり、同県横芝光町で震度4の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは約50キロ、地震の規模(マグニチュード)は4.9と推定される。
震度3以上を観測した市区町村
■震度4
【千葉県】横芝光町
■震度3
【茨城県】稲敷市、神栖市
【千葉県】成田市、東金市、旭市、印西市、匝瑳市、香取市、山武市、多古町、九十九里町、芝山町
【1年前の今日の出来事】 2022年6月16日