南海トラフ地震対策、10年で想定死者数8割減は「達成困難」
南海トラフ巨大地震の被害想定を見直し、防災対策を検討する政府の作業部会が4日、初会合を開いた。令和5年度までの10年間で想定死者数を8割減らす政府目標について、主査を務める福和伸夫名古屋大名誉教授は会合後に「達成は難しい状況」との認識を示した。政府は来春をめどに基本計画を改定し、新たな目標を設定する方針。
南海トラフ巨大地震では、関東から九州の太平洋沿岸を10メートル以上の津波が襲う可能性があり、政府は平成24年8月、最大で32万3千人が死亡するとの被害想定を公表。26年3月に策定した基本計画で、建物の耐震化や津波避難ビルの整備などの対策により、令和5年度末までに想定死者数を8割減とする目標を設定していた。
福和氏は、対策の進捗などから目標には届かない可能性が高いとした上で「なぜできなかったかを解決して、対策がうまくいくようにしていく」と説明した。
全国で新たに9406人感染 前週比1300人増 新型コロナ
厚生労働省は4日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で9406人確認されたと発表した。前週の火曜日より約1300人増えた。死者は14人だった。
主な都道府県の新規感染者数は、北海道663人▽東京都1357人▽愛知県598人▽大阪府625人▽福岡県329人――など。
<新型コロナ・4日>東京都で新たに1357人感染、1人死亡
東京都は4日、新型コロナウイルスの新たな感染者1357人と80代の男性1人の死亡を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、4日時点で909.9人で、前の週に比べて125.9%。
マイナンバーカード取得申請、年度末で人口の76% 9614万件に
松本剛明総務相は4日の記者会見で、マイナンバーカードの取得申請数が3月31日時点で、約9614万件となり、人口の76.3%に達したと明らかにした。
政府は2022年度末までに「ほぼ全国民に行き渡らせる」との目標を掲げてきたが、松本氏は「円滑に取得するための環境整備をすることによって、ほぼ全ての国民に行き渡らせる水準までは到達した」と指摘。「これからもマイナンバーカード普及・利活用を進めて、地方のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいきたい」と述べた。
同日時点の累計交付数は、約8440万枚で交付率は67%だった。
岸田首相「核なき世界」実現目指す 国際賢人会議2回目開催
核廃絶実現へ有識者らが議論する国際賢人会議(座長=白石隆・熊本県立大理事長)の第2回会合が4日、東京都内で開幕した。岸田文雄首相は出席者と首相官邸で面会し、5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で「核兵器のない世界」実現に向けたメッセージを打ち出す考えを強調した。
首相は「『核兵器のない世界』実現には、核拡散防止条約(NPT)体制の維持・強化が唯一の現実的な道だ」と指摘。包括的核実験禁止条約(CTBT)などを踏まえ「現実的かつ実践的な取り組みを着実に進めることが重要だ」と語った。
賢人会議は5日までの2日間開かれ、米中ロなど核兵器保有国と非保有国からオンライン参加を含め計14人が出席。ロシアによる核の威嚇や北朝鮮の核開発などによって緊張が高まっており、核廃絶への道筋などが話し合われる。
中国偵察気球、通信傍受か 複数の米軍基地で
米NBCテレビは3日、1月下旬から2月上旬にかけて米上空を飛行した中国の偵察気球が、複数の米軍基地の兵器システムが発する信号や兵員間の通信を傍受していたと報じた。収集した情報はリアルタイムで中国本土に送っていたという。複数の米当局者の話として伝えた。
実際に通信傍受されていたことが確認されれば、米東海岸沖の海上に到達するまで偵察気球の撃墜を見送ったバイデン政権の判断に改めて批判が集まりそうだ。
国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は3日、偵察気球による「情報収集を制限する措置を取った」と改めて強調した。
新1年生がなりたい職業、警察官人気増加 スポーツ選手は低落傾向
クラレは4日、小学校に今春入学する新1年生に将来就きたい職業を聞いたアンケートの結果を発表した。男の子は警察官が3年連続1位となり、比率は17.8%で過去最高だった。女の子は5.7%が警察官を選び、過去最高の4位に達した。スポーツ選手は依然人気だが、低落傾向が続いた。
男の子では、警察官の人気が20年前の4倍に膨らんだ。消防・レスキュー隊は3位で10.8%に達し、比率は20年前の2倍となった。サッカーなどのスポーツ選手は2位で15.4%。20年前から半減した。
女の子の1位は23.6%のケーキ屋・パン屋で、25年連続首位だった。2位は芸能人・歌手・モデルで7.3%。
【1年前の今日の出来事】 2022年4月4日