秋葉復興相を更迭 改造後4人目、政権に打撃―渡辺氏再登板、杉田政務官も交代
岸田文雄首相は27日、「政治とカネ」を巡る疑惑を国会で追及されてきた秋葉賢也復興相を事実上更迭し、後任に自民党の渡辺博道・元復興相（72）を任命した。8月に発足した改造内閣の閣僚更迭は10月以降4人目という異例の事態となった。首相は任命責任を厳しく問われており、求心力が低下する政権にさらなる打撃となった。
首相は併せて、性的少数者（LGBTなど）やアイヌ民族に対する過去の差別的言動が批判されていた杉田水脈総務政務官も交代させた。後任には自民党の長谷川淳二衆院議員（54）が就いた。
首相が秋葉、杉田両氏を更迭したのは、野党からの攻撃材料を抱えたまま、１月召集の通常国会を乗り切るのは困難と判断したためだ。ただ、首相は先の臨時国会で秋葉氏に対する辞任要求を拒否し続け、杉田氏に関しても８月の就任当初から資質が問われており、後手に回ったと批判の声が上がっている。
公務中に倒れて搬送され、健康状態が気遣われていた谷公一国家公安委員長については、本人からの聴取などを踏まえ、続投させることにした。
与那国に地対空ミサイル部隊配備計画 防衛省、台湾有事見据え
防衛省の青木健至報道官は27日の記者会見で、日本最西端の沖縄県・与那国島にある陸上自衛隊与那国駐屯地に、地対空ミサイル部隊の配備を計画していると明らかにした。同島は台湾から約110キロの位置にある。台湾情勢が緊迫化した場合や有事の際に、他国軍に圧力をかけられる体制を構築する。
部隊配備に向け、同省は2023年度予算案に、駐屯地に隣接する土地約18万平方メートルの取得費を計上していた。土地を取得後、ミサイルの保管や訓練に必要な施設などを建設する。
安保重要土地に5都道県58カ所 区域初指定、2月施行…政府
安全保障上重要な土地の利用規制に向け、政府は27日、重要土地等調査法に基づく対象区域の第1弾として、5都道県58カ所を指定した。同日付の官報で告示。来年2月1日から施行する。
対象区域は北海道、青森、東京、島根、長崎の５都道県の国境離島や自衛隊基地周辺で、具体的なエリアは内閣府のホームページで公表。住民の問い合わせに対応するコールセンターも設置した。
政府は施行後、区域内にある土地・建物の不動産登記簿や住民基本台帳を集めてデータベース化する。第2弾以降の選定も順次進め、2024年秋ごろまでに600カ所以上の指定完了を目指す。
重要土地等調査法
自衛隊の基地など日本の安全保障上、重要な地域での土地利用を規制する法律。施設の周囲およそ1キロメートル内や国境近くの離島を「注視区域」に定める。区域内で大きな構造物を立てて電波を妨害したりライフラインを寸断したりといった日本の安保を脅かす土地利用を確認すれば、所有者に中止を勧告・命令できる。
中国からの入国規制強化へ 30日から検査義務づけ 首相発表
岸田文雄首相は27日、新型コロナウイルスの爆発的感染拡大が懸念される中国からの入国規制を強化すると発表した。30日午前0時から中国本土からの入国者の検査を義務づける方針。首相官邸で記者団に語った。
首相は中国の感染状況について「感染が急速に拡大しているとの情報がある。一方で中央と地方、政府と民間で感染情報が大きく食い違うなど詳細な状況の把握が困難で、日本国内でも不安が高まっている」と指摘した。
具体的には、中国本土からの渡航者や7日以内に渡航歴のある人に対し入国時検査を実施したうえで、陽性者をゲノム解析の対象とし、待機施設で原則7日間隔離する。入国検査に万全を期すため、今後の中国便の増便も制限する。
韓国、李明博氏ら1373人に恩赦 尹大統領「国力を一つに集める」
韓国政府は27日、政治家や大統領府の元高官ら計1373人に対し、28日付で減刑や復権の恩赦を行うと発表した。大統領在職中にサムスン電子から多額の賄賂を受け取った収賄罪などで、2020年10月に懲役17年の実刑が確定していた李明博（イ・ミョンバク）元大統領（81）も恩赦された。尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は27日に開かれた国務会議（閣議）で「国力を一つに集めていくきっかけになることを願う」と述べた。
大統領経験者の恩赦は、昨年末の朴槿恵（パク・クネ）元大統領に続くもの。健康状態が悪化した李氏は刑が執行停止中で、その期限が28日午前0時に迫っていた。聯合ニュースによると、この期限に合わせる形で、恩赦の日時が調整された。李氏は現在、持病などでソウル市内の病院に入院中で、すぐに退院ができる状態ではないという。
山上容疑者を殺人罪で起訴へ 刑事責任問えると判断…安倍元首相銃撃・奈良地検
安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、殺人容疑で送検され、鑑定留置中の無職山上徹也容疑者（42）について、奈良地検が殺人罪で起訴する方針を固めたことが27日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、地検は精神科医による鑑定結果に加え、強い計画性と殺意が認められることなどを踏まえ、刑事責任を問えると判断したとみられる。鑑定留置期間は来年1月10日までで、勾留期限の同13日までにも起訴する方針。
山上容疑者が起訴された場合、公判では刑事責任能力が争点になる可能性があり、地検は7月25日から鑑定留置を実施。当初、11月29日までの予定だったが、地検の請求などにより、来年1月10日までに延長された。
年明けに強い寒気予想 日本海側、大雪に注意…気象庁
年末年始の気象状況に関し、気象庁は27日、強い寒気が1月2日ごろから流れ込み、北海道と東北の日本海側、北陸で大雪になる可能性があることを明らかにした。古里や行楽地で過ごした人たちのUターンの時期と重なる恐れがあり、気象庁は最新の気象情報に注意するよう呼びかけた。
気象庁によると、12月29日ごろに一時的に冬型の気圧配置が強まり寒気が流れ込むものの、30日から元日にかけて寒気は緩みそうだ。元日は太平洋側を中心に晴れる見通し。その後、2～7日ごろにかけて再び冬型の気圧配置が強まり寒気が流れ込むとしている。北日本と東日本の日本海側では、地域によっては数日間にわたり断続的に雪が降る可能性がある。
全国で新たに20万2853人感染 20万人超は6日ぶり 新型コロナ
厚生労働省は27日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに20万2853人確認されたと発表した。20万人を超えるのは21日以来6日ぶり。
主な都道府県の新規感染者数は、北海道5928人▽東京都2万2063人▽愛知県1万5443人▽大阪府1万3962人▽福岡県1万904人――など。
【1年前の今日の出来事】 2021年12月27日
