岸田首相、習氏と「率直に議論」 拉致問題も連携確認 日中首脳会談
首相は「率直で突っ込んだ議論ができた」と振り返り、会談で「日中関係はさまざまな地域の平和と安定にとってともに重要な責任を有する大国であり、建設的かつ安定的な日中関係を構築という方向性を双方の努力で現実のものにしていくことが重要だ」と指摘したと説明。「こうした基本的な考え方で習主席と一致した」と述べた。
また、「尖閣諸島を含む東シナ海情勢や弾道ミサイル発射など軍事的活動について深刻な懸念を表明し、台湾海峡の平和と安定の重要性について改めて強調した」と述べ、「安全保障分野の意思疎通の強化で一致した」とも語った。また、会談で、中国の人権問題や邦人拘束事案についても言及し「日本産食品に対する輸入規制撤廃を強く求めた」と説明。省エネなどの分野での協力や国民交流の再活性化に向け、閣僚間での対話を再開することで一致したと語った。「中国から招請されている林芳正外相の訪中については今後、調整を進めていくことで中国側と一致した」と明らかにした。
岸田首相「持続可能な成長に貢献」 APEC首脳会議
岸田文雄首相は18日、タイでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、自身の経済政策「新しい資本主義」に沿って「アジア太平洋地域の包摂的で持続可能な成長に貢献する」と述べた。首相は議長国タイが進めるバイオ・循環型・グリーン経済について「目指す方向は日本も同一だ」と理解を示し、「アジア太平洋地域の取り組みの中で貢献する」との意向を示した。
首相は、アジア太平洋地域で新しい資本主義を実現するため①グリーン社会②デジタルトランスフォーメーションの推進③包摂的な社会による経済成長――の三つの重点項目に取り組むことを強調した。
グリーン分野では、アジアの実情に応じたエネルギー・トランジション(転換)の促進などを通じてバランスの取れた脱炭素化を支援する。デジタル分野では、日本が進めてきた信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の具体化に向けた国際的なルール作りに積極的な役割を果たすことも表明した。
北朝鮮ICBM、北海道沖EEZに落下 通常軌道なら米全土射程か
北朝鮮は18日午前10時14分ごろ、首都平壌の近郊から大陸間弾道ミサイル(ICBM)級ミサイル1発を東方向に発射した。日本政府が発表した。ミサイルは約69分間飛行し、同11時23分ごろ、北海道・渡島大島の西方約200キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下した模様だ。
韓国軍合同参謀本部によると最高高度は約6100キロ、飛行距離は約1000キロ、速度はマッハ22程度で、日本政府は意図的に高く打ち上げる「ロフテッド軌道」だったとみている。浜田靖一防衛相は通常軌道で発射された場合、射程が1万5000キロを超える可能性があり、「米国全土が射程に含まれる」との認識を記者団に示した。
北朝鮮の弾道ミサイル発射は17日に続き2日連続で、日本のEEZ内への落下は3月24日以来で11回目。船舶や航空機などの被害情報はない。
ファスト映画、賠償5億円 2投稿者、著作権侵害 東京地裁判決
映画を短く編集した「ファスト映画」を動画投稿サイトに無断投稿したとして、東宝や松竹、東映などの大手映画会社や配給会社など13社が、20代の男女2人に計5億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(杉浦正樹裁判長)は17日、2人の著作権侵害を認めて請求通り計5億円の賠償を命じた。ファスト映画を巡り、投稿者に賠償を命じる判決は初めて。
ファスト映画は、映画の結末までのストーリーを10~15分程度にまとめた動画。男女2人は2021年6月、5本のファスト映画を無断で動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿したとして著作権法違反容疑で宮城県警に逮捕され、仙台地裁が同11月にいずれも執行猶予付きの有罪判決を言い渡し、確定している。2人は今回の訴訟で著作権侵害を争わず、賠償額がどう認定されるかが争点だった。
コロナ新対策、政府が運用開始 流行「第8波」に備え
政府は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部を持ち回りで開き、流行「第8波」に備えた2段階の対策強化策を決定し、運用を開始した。都道府県が必要に応じて「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を出し、それでも医療が逼迫しそうな場合は「医療非常事態宣言」も発令して出勤の大幅抑制、帰省や旅行の自粛を求める。
新たな対策は、従来の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置のような飲食店などの休業や時短営業は求めない。大人数での飲食などの自粛を求める内容で、後藤茂之経済再生担当相は18日、「社会経済活動を維持しながら感染を防止するため、より慎重な行動を呼びかける」と説明した。
全国で8万4375人感染確認 前週比1万200人増 新型コロナ
厚生労働省は18日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに8万4375人確認されたと発表した。1週間前の金曜日から約1万200人増加した。都道府県別で最も多かったのは北海道で8477人。東京都は8292人、大阪府は3904人だった。
【1年前の今日の出来事】 2021年11月18日