2021年9月3日

菅首相が辞意 総裁選不出馬を表明
菅義偉首相(72)は3日の自民党臨時役員会で、党総裁の任期満了に伴う総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補しない考えを明らかにし、事実上の辞意表明をした。臨時役員会で「新型コロナウイルス対策に全力を尽くし、総裁選に出馬しない」と語った。来週予定していた党役員人事と閣僚人事も見送る。菅内閣は政府の新型コロナウイルスへの対応などを巡って支持率が低迷。次期衆院選を前に自民党内からも「菅首相では戦えない」との声が強まっていた。

アフガン派遣機帰国 退避は日本人1人 空自入間基地
アフガニスタンから邦人らを退避させるため現地に派遣されていた航空自衛隊の輸送機1機が3日、空自入間基地(埼玉県)に到着した。残る輸送機2機も近く帰国する。政府はイスラム主義組織タリバンが実権を掌握したアフガンから、外国人を含む「最大500人」の退避を想定していたが、実際に退避させたのは邦人1人だった。

タリバン新政権トップにバラダル師か 女性の閣僚入り否定―アフガン
ロイター通信は3日、アフガニスタンで国家運営の全権を掌握したイスラム主義組織タリバンの新政権について、「(副官の一人で政治部門の責任者である)バラダル師が主導することになるだろう」と報じた。閣僚人事は近く発表される見通しだが、AFP通信は「早くても4日までは発表はない」というタリバン報道担当者の話を伝えた。

新政権ではほかに、初代最高指導者オマル師の息子で軍事部門責任者のヤクーブ師や、タリバン内の最強硬派「ハッカニ・ネットワーク」を率いるハッカニ氏ら、タリバン幹部が要職を占めるとみられる。最高指導者アクンザダ師は政府の上に立つ最高権力者になるもようだ。

また、タリバンのムジャヒド報道担当者は、米メディアの取材に「他勢力との政権共有はわれわれの焦点ではない」と述べ、崩壊した民主政権の有力者の閣僚入りに否定的見解を示している。新政権は、少数派や女性、民主政権有力者らを含む包括的政治体制からはほど遠い陣容となる見通しで、欧米諸国などの反発を呼びそうだ。

タリバン、「一帯一路」参画希望 中国は留保付きで賛意
アフガニスタンの実権を握ったイスラム主義組織タリバンのハナフィー幹部は2日、呉江浩外務次官補と電話会談し、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」をめぐり「引き続き積極的に支持・参画したい」と述べた。中国外務省が2日発表した。同省の汪文斌副報道局長は3日の記者会見で「中国とアフガンの一帯一路共同建設は両国民に確かな支えをもたらす」と賛意を示した

佐賀 オスプレイ配備で駐屯地「土地を売却してもよい」29%
防衛省は佐賀空港へのオスプレイ配備のため、空港西側の土地33ヘクタールに新たに自衛隊の駐屯地を整備する計画で、予定地とその周辺は佐賀県有明海漁協に所属する漁業者などおよそ560人が所有している。予定地とその周辺の地権者を対象に行ったアンケートの結果、空港西側の土地について聞いた項目では、「売却してもよい」が29%だった一方、「売却したくない」が26%、「条件次第で売却してもよい」が43%にのぼり、条件には、価格や面積、排水対策などが挙げられた。

1000年前、未知の巨大地震 房総半島沖で痕跡 「防災の教材に」
1000年ほど昔の平安~鎌倉時代に、房総半島沖でマグニチュード(M)8.5程度とみられる未知の巨大地震が起き、千葉県の九十九里浜地域が大津波に襲われた可能性を示す痕跡を確認したとの調査報告を、産業技術総合研究所などのチームが2日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス(電子版)で発表した。

調査を担当した産総研の沢井祐紀・上級主任研究員によると、これまで巨大地震を想定していなかった領域になる。沢井氏は「(1000年前の地震は)検討されてこなかった新たなタイプの可能性があり、防災面で議論の題材にしてほしい」と話している。鍵となったのは、海岸付近から津波によって運ばれて積もった砂などの痕跡だ。九十九里浜周辺の約140か所で専用の器具で地層を抜き取るなどして調べたところ、2回の大津波の襲来を示す明確な痕跡が見つかった。痕跡は現在の海岸線から約3.5キロ離れた陸地まで及んでいた。