2021年8月31日

アフガン派遣の自衛隊に撤収命令 輸送機、近く引き揚げ
アフガニスタンにいる日本人や大使館の外国人スタッフらの国外退避をめぐり、岸信夫防衛相は31日、自衛隊に撤収命令を出した。退避対象はスタッフの家族も含めて約500人いるが、自衛隊機で退避できた対象者は、日本人1人にとどまる。撤収後はイスラム主義勢力タリバン側と交渉し、退避の機会を探る考えだ。

派遣の根拠である自衛隊法84条の4「在外邦人等の輸送」は、「輸送を安全に実施することができると認めるとき」が要件。米軍が現地時間の30日に撤退し、カブールの空港の安全確保の面から派遣継続は難しい、と判断したとみられる。

米、アフガン戦争終結 20年の軍事駐留に幕―混乱残し、退避打ち切り
バイデン米大統領は30日、声明を発表し、「20年に及んだアフガニスタンでの米軍駐留は終わった」と宣言した。これにより、2001年以降続くアフガン戦争は終結した。イスラム主義組織タリバンの復権に伴う混乱により、各国政府による自国民やアフガン人協力者の退避支援は難航。それでもバイデン氏は期限通り退避作戦を打ち切り、自らの手で「米史上最長の戦争」に幕を引くことにこだわった。

米アフガン撤収 次はイラク焦点 過激派伸張も
アフガニスタンの駐留米軍が混乱のなかで撤収を完了し、不安定な情勢が続くイラクが次の焦点に浮上している。バイデン米政権はイラク駐留米軍の戦闘任務を年末までに終了すると言明、中東への軍事的関与を縮小する動きをみせている。米軍の「脅威」が薄れ、イラクで活動するイスラム教シーア派の親イラン民兵組織やスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が勢いづくとの懸念が高まってきた。

首相、9月中旬解散意向 党役員人事・内閣改造後 総裁選先送り
菅義偉首相は自民党役員人事と内閣改造を来週行い、9月中旬に衆院解散に踏み切る意向だ。複数の政権幹部が31日、明らかにした。自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)は衆院選後に先送りする。首相は衆院選の日程を10月5日公示、17日投開票とする案を検討している。

二階氏交代で刷新狙い 衆院選10月5日公示、17日投開票検討
菅義偉首相は、次期衆院選の前に自民党役員人事を行い、二階俊博幹事長を交代させる検討に入った。衆院選前に党の布陣を刷新して国民にアピールする狙いだ。また衆院選を10月5日公示、17日投開票の日程で実施する案を検討。新型コロナウイルス感染症に切れ目なく対応するため、衆院を解散せずに公職選挙法に基づく「任期満了選挙」を選択する案も浮上している。

概算要求最大の110兆円超 令和4年度、高齢化などで膨張
政府は31日、令和4年度予算編成で各省庁の要望を受け付ける概算要求を締め切った。一般会計の要求総額は110兆円超で、3年度要求額105兆4071億円を上回り4年連続で過去最大を更新。新型コロナウイルス関連は現時点で金額を示さない「事項要求」が多く、年末に決まる4年度当初予算案も最大を更新しそうだ。コロナ禍の長期化を見据えメリハリの付いた予算編成が課題になる。

4年度の予算編成では、コロナ対応に重点を置きつつ、菅義偉政権が重視する脱炭素化やデジタル化、地方創生、子育て支援の4分野に特別枠を設け中長期的な課題解決にもつなげる。

感染力が強い変異株の拡大はワクチン接種のみでは押さえ込みが難しく、コロナとの戦いは4年度も続く可能性が高い。病床の確保など必要な感染症対策をおざなりにし、未来志向の特別枠4分野に大盤振る舞いすれば昨年の二の舞いになる。予算編成はコロナと当面共存する「ウィズコロナ」への覚悟が求められそうだ。

綾瀬はるかさん、コロナに感染し入院 現在は回復へ
俳優の綾瀬はるかさん(36)が、新型コロナウイルスに感染していたことがわかった。所属事務所のホリプロが明らかにした。ホリプロによると、8月20日夜から発熱があり、26日に抗原検査で陽性が確認された。肺炎の症状があり、東京都内の病院に入院したが、現在は回復に向かっているという。ワクチンは9月に1回目の接種を予定していたという。