2021年7月11日

ワクチンパスポート、26日から申請受け付け 海外渡航者が対象
加藤勝信官房長官は11日のNHK番組で、新型コロナウイルスワクチンの接種歴を証明する「ワクチンパスポート」について、26日から全国の市区町村窓口で申請受け付けを始めることを明らかにした。パスポートは海外に渡航する人の防疫措置緩和が狙いだが、国内でも接種済みの人を対象に民間企業などが優遇措置を検討する動きがある。加藤氏は「不当な差別や強制につながってはならないとの指摘もある。取り扱いは別途検討していかなくてはいけない」と語った。」

東京で614人感染 22日連続で前週の同じ曜日上回る
東京都は11日、新たに614人が新型コロナウイルスに感染しているのを確認したと発表した。前週の日曜日(4日)に比べ96人増え、22日連続で前週の同じ曜日を上回った。11日までの1週間平均の感染者数は733.9人で前週の126.1%だった。新規感染者を年代別で見ると、20代が208人で最多。30代119人、40代109人、50代64人と続いた。65歳以上の高齢者は24人だった。

「3密」曖昧な定義で人々に混乱 専門家批判「反省ない」
東京都で4回目となる緊急事態宣言の発令が決まった。都以外の首都圏や大阪府ではまん延防止等重点措置が延長され、酒類提供への規制が続くが、路上での飲み会が相変わらず後を絶たない。政府は「3密(密閉、密集、密接)」のうち一つの「密」でも新型コロナウイルスに感染するリスクが高まるとして注意を呼びかけているが、国のせいで「三つの『密』がそろわなければ感染しない」との誤った認識を持つ人は少なくないという。

「(インドで初めて確認された)デルタ株は感染力が強く、重症化の可能性も高い。3密と言ってきたが、一つ(の『密』)でも集団感染のリスクは高まる。3密のうち一個でも避けてほしい」。6月、政府分科会の尾身茂会長は記者会見でこう訴えた。

G20、法人税「最低15%」合意 「デジタル課税」も一致
イタリア北部ベネチアで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は10日、共同声明を採択して閉幕した。法人税率の引き下げ競争に歯止めをかけるため、各国共通で「15%以上」とする最低税率の導入で合意した。グーグルやアップルといった米巨大ITを念頭に、多国籍企業の税逃れを防ぐ「デジタル課税」でも一致し、10月の次回財務相会議での最終決着を目指す。

経済協力開発機構(OECD)の事務レベル会合では9日時点で132カ国・地域が課税強化策の2023年の実施で大枠合意している。中国やインドなど新興国も加わるG20の閣僚が承認することで改革実現へ大きく前進する。

「海洋生分解性」素材の開発進む プラごみ問題解決へ
海洋プラスチックごみの問題解決につなげようと、国内メーカーが「海洋生分解性」の素材を次々に開発している。従来のプラスチックの代わりに使うことができ、海に流れ出てしまっても微生物によって水と二酸化炭素に分解されるので、環境に悪影響を与えづらいという。

世界的にもこの分野の先端をいくカネカ(東京)が開発した海洋生分解性プラスチック「Green Planet」は、水温30度の海水で6カ月以内に90%以上が分解される。原料は100%植物由来だ。2年前から大手コンビニのストローに、昨年11月からは化粧品の容器に採用された。今年5月には発泡加工に成功し、鮮魚用の箱としても使われている。研究を始めたのは20~30年前で、「やっと日の目を見た」と担当者。現在の生産能力は年5千トンだが、世界的に需要が増えると見込み、今後工場を新設して2030年には10万~20万トンを目指す。

世界では年800万トンのプラごみが海に流出しているとされ、それを生き物が食べて死んだり、体にからまって傷ついたりする問題が起きている。環境省の調査では、10~19年度に日本各地の海岸に漂着したごみ(自然物は除く)のうち、プラスチック関連が重量で半分以上を占めた。