東京に4回目緊急事態宣言―来月22日まで、酒提供停止 五輪は「原則無観客」へ調整
政府は8日夕、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・菅義偉首相)の会合を開き、東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めた。沖縄県への宣言と首都圏3県、大阪府への「まん延防止等重点措置」は延長する。期間はいずれも7月12日から8月22日まで。東京五輪(7月23日~8月8日)は宣言下で行われることになり、原則「無観客」開催に向け調整を急いだ。
国民民主・玉木氏、五輪開会式「陛下にお出ましいただくべきでない」
国民民主党の玉木雄一郎代表は8日、23日の東京オリンピック開会式で天皇陛下の開会宣言が調整されていることについて、「この状況で陛下にお出ましいただくべきではない」と国会内で記者団に述べた。
新型コロナの感染拡大を受け、政府は8日、東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めたが、開会式は観客の有無によらず、天皇陛下らの出席が検討されている。玉木氏は「俗世の対立に陛下を巻き込むのは適切ではない」と強調。「無理して国論を二分するようなことへのお言葉をいただくと、国民統合の象徴としての地位に傷をつけてしまう」とも述べた。
全国で新たに2246人が感染 2日連続で2000人超える
新型コロナウイルスの感染者は8日、全国で新たに2246人が確認された。全国の感染者が2000人を超えるのは2日連続で、7日よりさらに55人増えた。重症者は前日に比べ16人減って464人。死者は17人だった。
東京都の新規感染者は896人で、19日連続で前週の同じ曜日を上回った。1日あたりの感染者が800人を超えるのは2日連続で、前週の木曜(673人)から223人増えた。
カナダで49.6度 熱波は「人為的な気候変動が要因」 論文発表へ
カナダ南西部リットンでは6月29日、同国史上最高の49.6度を観測し、1937年に観測された最高気温を5度近く上回った。数百人の熱中症による死者を出した6~7月の熱波は、人為的な気候変動がなければ、ほぼ起こりえなかったとする分析を国際研究チームが7日発表した。「急速に温暖化する気候は、健康、福祉、生活に重大な影響を及ぼす未知の領域に突入している」と警告する。
研究チームには、欧米の大学や気象機関から27人の科学者が参加。極端な気象現象に温暖化がどれほど影響したかを分析する「イベント・アトリビューション」と呼ばれる手法を用いた。発表によると、6月下旬~7月初旬にかけて米北西部とカナダ西部を襲った熱波は「1000年に1度の例外的なものだった」という。人為的な温暖化がなかったと仮定した場合に比べて、発生する可能性は150倍高まっていたと試算。今後、さらに分析を進めて査読付き論文として発表する予定だという。