菅首相「度重なる延長、心苦しい」 引き続き時短要請
9都道府県に出している緊急事態宣言を6月20日まで延長することを決めた菅義偉首相は28日夜、首相官邸で記者会見を開いた。首相は「変異株への置き換わりが進む中で、対策が感染者数の減少につながるまで、以前より長い時間を必要としている」と話し、「いましばらく感染を抑えるための対策を徹底をする必要がある」と延長理由を説明した。
首相は「度重なる延長は大変に心苦しい限り」とした上で、「これからの3週間は、感染防止とワクチン接種という二正面の作戦の成果を出すための極めて大事な期間」と国民に協力を呼びかけた。支援策としては、雇用を維持した企業の休業手当を支援する「雇用調整助成金」の特例措置を7月も継続することや、事業者の資金繰りを支援するための実質無利子・無担保融資を年末まで延長することを説明した。
ファイザーワクチン 12歳以上に対象拡大へ 厚労省部会
厚生労働省の専門部会は28日、国内では16歳以上への接種が可能な米ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンについて、12~15歳にも拡大することを了承した。取り扱いを示した添付文書を見直し、31日にある別の審議会で了承されれば、12歳以上が公費による予防接種の対象に含まれる。
米食品医薬品局(FDA)が10日、緊急使用許可の対象を16歳以上から12歳以上に引き下げることを決定。日本でも、ファイザー社が国の審査機関である医薬品医療機器総合機構(PMDA)に改訂を相談していた。専門部会は海外の臨床試験(治験)データを踏まえ、「安全性・有効性が確認された」とした。
台湾にワクチン第4弾 日本の提供「もちろん歓迎」―対策本部
新型コロナウイルスの感染拡大が続く台湾に28日、第4弾となるコロナワクチンが到着した。届いたのは、米バイオ医薬品企業モデルナ製の15万回分で、「中国の介入」(蔡英文総統)などにより、ワクチン調達が難航する中での到着となった。政府の新型コロナ対策本部は、医療従事者に優先的に投与する方針だ。この日は、日本政府が台湾に対し、英アストラゼネカ製ワクチンの提供を検討していると伝えられた。対策本部トップの陳時中・衛生福利部長(厚生労働相に相当)は同日の記者会見で、「もちろん歓迎する。できるだけ早く実現してほしい」と希望を語った。
ベラルーシ 強制着陸でジャーナリスト拘束 G7外相が強く非難
旧ソビエトのベラルーシが旅客機を強制的に着陸させて、反政権派のジャーナリストを拘束した問題で、G7=主要7か国の外相は共同声明を発表し、ベラルーシを強く非難した上で、ジャーナリストを直ちに解放するよう求めた。
ベラルーシの当局は23日、領空を通過していた旅客機を首都ミンスクの空港に強制的に着陸させ、搭乗していた反政権派のジャーナリスト、プロタセビッチ氏を拘束した。
円急落、110円台 米インフレ懸念で2か月ぶり
28日のロンドン外国為替市場の円相場は、米インフレ懸念の台頭で急落し、4月上旬以来約2か月ぶりに1ドル=110円台を付けた。米国の金利上昇見通しが円安・ドル高を促した形だ。28日に発表された米国の4月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比3.6%上昇となり、2008年9月以来の伸び率を記録した。
最低税率、G7に合意機運 来週にも、税逃れに歯止め
法人税の最低税率を導入することを柱とする国際課税ルールをめぐり、先進7か国(G7)で合意機運が高まっている。6月4、5日にロンドンで対面開催するG7財務相会議が当面のヤマ場となる。実現すれば、多国籍企業による課税逃れに一定の歯止めがかかりそうだ。
法人税の最低税率の導入は、企業の課税逃れ防止のためにバイデン米政権が主導。米国は当初21%と提案していたが、これを「15%以上」に引き下げたことで、欧州からも賛同の声が上がっている。ロンドンでの会議には、イエレン米財務長官や日本の麻生太郎財務相が出席する予定。