東京地検特捜部の本当のターゲットは小池百合子都知事?
創価学会に激震 東京地検特捜部が公明議員の事務所にガサ入れ、本当のターゲットは小池百合子?(週刊新潮 2021年8月26日号掲載)
秋に控える衆院解散・総選挙を前に、政権与党の公明党とその支持母体である創価学会に激震が走っている。公明・学会側が「選挙妨害」と批判の矛先を向けるのは、現職公明議員の事務所にガサ入れを強行した東京地検特捜部の潜行捜査だ。
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8月4日、公明党の吉田宣弘、太田昌孝・両衆院議員の事務所に特捜部が家宅捜索に入って以降、永田町が揺れている。
公明党が猛反発するなか、注目の捜査の行方について、全国紙社会部デスクがこう解説する。
「両議員の秘書らが昨年、貸金業の登録を受けずに融資の仲介をした貸金業法違反が捜索容疑ですが、特捜部の狙いはもちろん秘書ではない。今年2月、緊急事態宣言中に銀座のクラブに深夜まで滞在していたことが発覚し、議員辞職した遠山清彦前衆院議員がターゲットといわれています」
捜索対象の面々は遠山氏が辞職する前まで彼の秘書を務め、実際、議員事務所へのガサ入れと同時に、遠山氏が代表を務めるコンサル会社なども捜索を受けた。
つまり、事務所ぐるみで違法な融資仲介に関与した疑いが持たれているわけだ。
「問題となっているのは、コロナ禍で売り上げの落ちた企業を対象とした日本政策金融公庫の特別融資です。同融資をめぐり、仲介を依頼した数十の業者から、遠山氏側に数百万円の現金が渡ったとされ、単なる口利きでなく、贈収賄事件に発展する可能性も囁かれています」(同)
当時、遠山氏は財務副大臣の職にあり、同公庫は100%政府出資で財務省の所管。仲介における職務権限の有無が捜査のポイントになっているという。
遠山氏本人に訊ねると、
「弁護士とも相談し、取材は受けないことにしている」
と詳細は語らなかった。
“遠山ルート”は今年6月、金融機関からの融資金詐欺などで起訴された太陽光発電関連会社テクノシステムをめぐる一連の捜査の過程で浮上したものだ。小泉純一郎元総理が広告塔になっていたことでも話題になった会社だ。
遠山氏と融資の仲介を依頼した業者を繋いだのは、他ならぬテクノ社の最高顧問を務めていた人物。
その元最高顧問が言う。
「遠山とは約8年前からの付き合いで、当時から俺は遠山の支援者で応援団長。遠山とテクノの生田尚之社長を繋いだのも俺だ」
今回の件で、彼も特捜部から事情聴取を受けている。
「俺はテクノ以外にも数十の会社の顧問をしていて、それら顧問先から昨年“コロナで会社が潰れる。何とかしてほしい”と頼まれた。だから俺の秘書が遠山の秘書に“公庫の担当者を教えてほしい”と相談したのは事実。でも俺から遠山にカネを渡したことはないし、俺が顧問先から手数料を受け取ったこともない」(同)
一方で、融資を受けた顧問先が遠山氏側に現金を渡した可能性は否定せず、「ただし、それは謝礼や手数料でなく、政治献金だ」として、遠山氏が適正に処理していれば問題はないと話す。
そして、こう続けるのだ。
「特捜部のテクノ捜査は終わっていない。遠山以上に生田と懇意だったのは小池百合子都知事。7月の都議選直前の緊急入院も、実は特捜部から事情聴取を受けていたことのカモフラージュだったとの話を関係者から聞いている。捜査の本命は遠山ではないはずだ」
小池氏からは締切りまでに回答を得られなかったが、生田被告と小池氏が仲良く納まった写真の存在は本誌(「週刊新潮」)6月10日号で報じた通り。「本丸」の正体が明らかになる日は来るか。
太陽光発電関連会社「テクノシステム」の生田社長 11億6500万円をだまし取った容疑で逮捕
太陽光関連会社社長ら逮捕 融資金11億円超詐欺容疑―東京地検(JIJI.COM 2021年05月27日13時02分)
金融機関から融資金計約11億6500万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は5月27日、太陽光発電関連会社「テクノシステム」(横浜市西区)社長の生田尚之容疑者(47)=同市=ら3人を詐欺容疑で逮捕した。
他に逮捕されたのは、同社専務小林広(66)=同市=、専務執行役員近藤克朋(53)=神奈川県綾瀬市=両容疑者。
逮捕容疑は、2020年3~7月ごろ、太陽光発電設備とバイオマス発電設備の設計や購入のための融資を得る目的で、阿波銀行(徳島市)と富士宮信用金庫(静岡県富士宮市)に対し、虚偽の書類を提出するなどして計約11億6500万円をだまし取った疑い。
特捜部は詐取した金を別の債権者への支払いなどに充てようとしたとみて捜査。一方、関係者によると、生田容疑者は逮捕前、こうした目的を否定し、設備の工事を進める意図はあったと主張していたという。
特捜部は今年4月に同容疑でテクノ社や関係先を家宅捜索し、生田容疑者らから任意で事情を聴くなど捜査を進めていた。
公明党議員の事務所を家宅捜索
公明前議員側に数百万円提供か 公庫融資仲介の依頼業者(朝日新聞 2021年8月13日 5時00分)
公明党衆院議員の秘書らが日本政策金融公庫の融資の違法な仲介に関わったとされる事件で、公庫の担当者の紹介を依頼した業者が同党の遠山清彦・前衆院議員側に計数百万円の現金を渡していた疑いがあることが、関係者への取材でわかった。遠山氏側が担当者紹介の謝礼として利得を得ていれば貸金業法違反の共犯になる可能性がある。東京地検特捜部は遠山氏側から押収した資料を分析し、実態解明を進めている。
朝日新聞の8月12日までの取材に、遠山氏は「窓口を紹介しただけで謝礼はもらっていない」、遠山氏の元政策秘書は「捜査中なので話せない」と答えた。
関係者によると、違法な仲介をした疑いが持たれているのは太陽光関連会社「テクノシステム」(横浜市西区)の元顧問ら。コロナ禍で売り上げが減った企業などに対する公庫の融資について、貸金業の登録をせずに契約の仲介をして手数料を得ていたとされる。
元顧問は遠山氏と7、8年前から付き合いがあり、2020年4月ごろ以降、コロナ融資の希望者が所在する地域の公庫支店の担当者を紹介するよう遠山氏の政策秘書ら(当時)に依頼した。秘書らは200件弱について公庫に問い合わせて対応。元顧問は遠山氏側に、総額で数百万円に上る現金を渡した疑いがあるという。
公庫は政府の100%出資で財務省が所管する。遠山氏は19年9月~20年9月の間は財務副大臣だった。
遠山氏は今年2月、コロナ禍の緊急事態宣言中に東京・銀座のクラブに行った問題で議員辞職した。特捜部は今月4日、遠山氏の元秘書らが現在勤める同党の吉田宣弘衆院議員(比例九州)の議員会館の事務所や、遠山氏のコンサルタント会社と自宅を同法違反事件の関係先として家宅捜索した。また、元顧問とは別のテクノ社関係者は同党の太田昌孝衆院議員(比例北陸信越)の元政策秘書に同様の依頼をしていたとされ、太田氏事務所も捜索を受けた。
テクノ社をめぐっては、太陽光事業などへの融資名目で民間の3金融機関から約22億円をだまし取ったとして、特捜部が社長を逮捕・起訴するなどしている。