新型コロナを封じ込めたニュージーランド 真逆の日本

ニュージーランドのコロナ対策 国際

ニュージーランドは新型コロナを封じ込めた国として、世界中から高い評価を得ている。成功の背景には、若い母親であるジャシンダ・アーダーン首相の迅速かつ徹底した対策の断行、それに連日の首相自らの説明と国民の理解がある。

現在の国民の様子は、国内最大の都市オークランドで、市民、数千人がマスクなしでカウントダウンイベントに集まり、新年を祝った。まだ海外旅行は中止中だが、国内旅行は安心して自由に楽しんでいる。

成功のポイントその1、アーダーン首相が、素早く、厳しい対策を断行したことだ。

ニュージーランドは観光の国。欧州や中国から多くの観光客や学生が訪れる。対策が遅れると、国内で感染が爆発し、医療が崩壊し、多くの命が危険に晒される。

昨年1月に判断し、2月には病院の患者受け入れ体制の整備を含む対策を本格的に発動し、並行して、入国検疫体制を強化した。

2月下旬に最初の患者が確認され、3月半ばには市中感染が発生した。警戒レベルを最高のレベル4に引き上げ、全土に厳格なロックダウンを開始した。国民へのステイホーム指令は、結局7週間に及んだ。

ポイントその2、労働者と企業への手厚い支援を迅速に実施したこと。

ロックダウンで収益が30%以上落ちたなど、指定の条件にかなう企業(自営業者含む)を通して労働者に、週につき585NZドル80セント(約3万8000円)が、しかも申請の2日後には口座に振り込まれた。解除後もしばらくの間、支給が続いた。

ポイントその3、首相が毎日国民に丁寧に説明したこと。

ロックダウンの発表から解除までの間、首相は平日のほぼ毎日、記者会見を行い、会見には保健局長が同席し、科学的な知見をもって感染者数や感染経路を説明。ロックダウンにともなう行動の制限についても、4つのレベルごとに具体的な例を挙げてわかりやすく伝えた。

4月末に行われた国内の世論調査によると、調査対象者の87%が政府のパンデミック対策を支持した。

日本は、対策が「後手後手」「小出し」「トップからの説明がない」など、ニュージーランドとは真逆だ。

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